ドイツ1部ブレーメンがサッカーアジア杯の日本代表メンバーに選出されているMF佐野海舟(23)=鹿島=の獲得に乗り出していることが19日、関係者の話で分かった。今冬の移籍市場での獲得を目指し、本人サイドには既に正式オファーを提示しているという。佐野を巡っては他の欧州クラブも獲得に興味を示している。
鹿島は最終的に本人の意志を尊重する方針だが、チームは既に2月の開幕に向けて始動していることもあり、佐野に代わる選手の獲得は難しい状況にある。今冬に欧州へ移籍した場合はシーズン途中の加入となることもあり、欧州でのプレーを目標を持つ佐野も慎重な姿勢を示しているという。欧州の移籍市場は今月31日までとなっており、成長著しい日本代表MFの決断が注目される。
中盤を本職とし、ボール奪取、先んじたポジショニングに秀でる佐野は、2019年に米子北高(鳥取)から当時J2の町田に加入。2年目の20年に41試合に出場して頭角を現し、23年に鹿島へ。昨季は27試合に出場し、11月のW杯2次予選ミャンマー戦でA代表デビューを果たした。
ブレーメンはリーグ優勝4度を誇る古豪で、現在はリーグ13位。直近の公式戦10試合でわずか1勝と苦しんでおり、緊急補強に動いたチームが佐野に白羽の矢を立てた形だ。過去には1981~86年に奥寺康彦氏(現横浜FCシニアアドバイザー)、2018~21年に大迫勇也(現神戸)が在籍したことがある。現在はU―23チームにパリ五輪代表候補のMF佐藤恵允(けいん、22)が所属している。
森保ジャパンでも地位を築きつつある佐野の周辺が騒がしくなってきた。
◆佐野 海舟(さの・かいしゅう)2000年12月30日、岡山・津山市生まれ。23歳。鳥取・米子北高から19年に当時J2の町田に加入し、同年5月にプロデビュー。23年に鹿島へ完全移籍し、移籍初年度からレギュラーとして活躍。J1通算27試合1得点、J2通算116試合8得点。名前の海舟は、江戸末期に活躍した幕臣・勝海舟に由来。176センチ、67キロ。右利き。
◆ブレーメン 1899年創設。グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」で有名なドイツ北部のブレーメン州に本拠地を置く。リーグ優勝4度(1964~65年季、87~88年季、92~93年季、2003~04年季)。過去に元ドイツ代表FWクローゼ、同MFエジルらが在籍。日本人はDF奥寺康彦、FW大迫勇也の2人。昨季はリーグ13位。
◆佐野海舟にドイツ1部・ブレーメンが正式オファー‥複数の欧州クラブが興味(報知)