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マッチレビュー
ナビスコ準々決勝 第2戦 横浜F・マリノス戦 マッチレビュー
悪夢、再び。第2戦も1-3と落とし、3連覇の夢潰える。
ナビスコカップ3連覇を狙う鹿島だったが、第1戦に続き第2戦も1-3と横浜FMに完敗を喫し、準決勝進出を阻まれた。第1戦で2ゴールを奪われ、この試合では攻めるしかない鹿島だったが、横浜FMの堅守に苦しみ、結局、1-3と相手の術中に嵌まった。
先のホームゲームで2点を取られ、アウェイゴールの差にも苦しめられる鹿島は序盤から大迫、ダヴィの2トップにボールを集める。しかし攻める気持ちが強すぎるのか、中盤を省略した形が多くなり、横浜FMの分厚い守備を崩し切ることはできない。前半はエリア外までボールを運び、そこの時点で奪われるという消化不良の形が続いた。そして39分、左サイドから齋藤にファインゴールを奪われ、鹿島は絶体絶命のピンチに陥った。
後半に入り、後がない鹿島は右サイドバックの西が極端に高い位置を取るなど何とか打開策を探る。しかし、それも空回りに終わり、逆に59分、カウンターからマルキーニョスに2点目を奪われる。その後、遠藤、ジュニーニョを投入し、速攻からダヴィがダイビングヘッドで1点を返すも、試合終了直前にまた1点を奪われ、結局、1-3と完敗。後味の悪さだけが残る、準々決勝敗退となった。
ベトナム遠征、宮崎キャンプなどでリーグ中断期間にもチーム力アップに努力した鹿島だったが、ここまではその結果が見えてこない。この土曜日から再開されるリーグ戦でこの2連敗の屈辱を晴らすことだけが、誇りと意地を取り戻すきっかけになることだろう。
【この試合のトピックス】
・3年ぶりとなるナビスコカップ準々決勝敗退。3連覇の夢が潰える。
・今季3度目となる横浜FMとの対戦だったが、この負けで1分2敗。昨シーズンも公式戦1分2敗と分が悪く、対横浜FM勝利は2011年10月5日ナビスコカップ準々決勝までさかのぼる。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・相手陣内での効果的なサイドチェンジで相手DFを揺さぶろう。
・自分たちがやるべきことは何も変わらない。前を向いて戦い続けろ!
・攻撃のイメージはいい。とにかくフィニッシュまでもっていき、チャンスをゴールに結び付けること。
横浜F・マリノス:樋口 靖洋
・守備はセカンドボールへの対応をバランスよくすること。
・攻撃はシンプルに前に運ぼう。
・残り45分、受け身にならずに戦い切ろう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・先ずタイトルを制する前に、そして対戦相手に勝つ前にチームの中でやらなければいけないことが多々あるし、選手の意識改革というものをしなくてはいけないというチームの土台を作ることから始まるわけで、そこで意識を改善できたところでチームとして機能する。そして対戦相手はもちろんプロであり、素晴らしいクラブである横浜FMであって、能力の高い選手がそろっている。勝ちたいといって簡単に勝てる相手ではない。今日だけを評価すれば、前半は素晴らしかった。後半は落ちてしまったが、チームというものはそんなにすぐに機能するものではない。時間が必要なものであって、1つ改善できても、またもう1つ改善しなければいけないところが出てくる。その繰り返しが、チーム作り。海外と比較すると、日本の場合、補強や競争のための選手獲得、そして選手の入れ替えが頻繁ではないという事情もある。大半のクラブがそうであり、その中で戦っていかなければいけない。その中で一番大切なのは、やはり選手の意識改革。自分でチームのためにやらなければいけない、これぐらいでいいんだというような姿勢ではチーム力は落ちていく一方だ。選手の意識改革に関しては、私は彼らなら出来ると信じている。しっかりとみんなが取り組めるようにやっていきたいと思う。
・3連覇に関しては、当然ながら準々決勝で2連敗した者には与えられない挑戦。ただこの敗退が決まったのは、実際はホームでの第1戦だったと思う。あの試合の前半の姿勢がこの結果に影響を与えているし、チームとして第1戦の後半は盛り返したが、第2戦では前半で失点してしまい、取らなければいけないゴール数が増えてしまった。この結果、一部の選手はあきらめというか、下向きな気持ちを持ってしまったところがある。もちろん戦おうという気持ちを持った選手もいたが、そういう選手が1人でも増えるように指導者としてやっていかなければいけない。
・この大会で敗退が決定してしまったことを非常に残念だと思っているし、負ければ様々な原因が挙げられると思うが、私は監督としてチームが見せた弱点、個人的な部分、意欲というものを改善するように、色々なことをしっかりと準備して修正し、リーグ戦に向けて全力を挙げる。そうでなければ苦しい状況は続いていくと思う。
横浜F・マリノス:樋口 靖洋
2-0のスコアで第2戦を迎えて、鹿島は普段と違うやり方でやらなければいけない状況になり、それに対し、こちらが普段通りできるかということが今日のポイントだと思った。選手たちにはいつも通り、アグレッシブにボールを取りに行き、奪ったら攻撃に出るというしっかりしたサッカーをするように指示し、次の1点を取るんだという強い気持ちを持って送り出した。選手たちはそれをしたたかにやってくれた。試合巧者の鹿島相手に2試合ともうまくゲームコントロールできたし、選手たちの成長を感じた。これから夏の連戦が続く。しかしこの2試合の勝ち方、選手たちのメンタリティーはプラス要素。修正点はあるが、これからも持続していきたい。
選手コメント
[試合後]
【本山 政志】
先に点を取らなくてはいけない中で取れられてしまい、3点が必要な状況になってしまった。点を取られてから前がかりになったけど、前半は良かったと思う。前線から行くしかなかったし、前から行くしかなかった。ジュニもヤスも流れを変えられる選手なので交代は仕方がない。
【曽ヶ端 準】
前がかりは仕方がない。点を取らなければ上には行けなかった。今日も横浜FMの方がアグレッシブだったし、球際にも強かった。切り替えてリーグ戦に挑みたい。
【青木 剛】
前半からハイペースでいったが先制され、3点取るしか選択肢が無くなった。相手はブロックをしっかり作って、そこからのカウンターが得意なチーム。相手の強さが強調された。積極的にやる部分はかなり出来ていたと思う。相手の1点目はスーパーゴール。負けた悔しさを忘れずにリーグ戦、天皇杯を笑って終わりたい。
岩政選手、柴崎選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。