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J1 第11節 柏レイソル戦
最後まで1点が遠かった鹿島。アウェイで柏に敗れる。
前節のホーム清水戦で2-1と競り勝ち、2連勝でリーグ首位をキープした鹿島が、中3日でアウェイゲームに臨んだ。日立柏サッカー場で行われたJ1第11節、柏レイソルとの対戦は、前半終了間際に先制点を許すと、最後まで同点に追いつくことができず、0-1で敗れた。
鹿島は、右サイドバックに伊東が入り、2試合ぶりに先発復帰を果たした。センターバックは、植田が3試合連続の先発出場。昌子とのコンビで3連勝を狙う。鹿島は立ち上がりから、柏に押し込まれる場面が目立ったものの、ゴール前で身体を張って、クロスボールを跳ね返す。自陣深くからの折り返しに対しても、植田が持ち前の高さを見せてヘディングでクリアし、応戦した。鹿島は次第に盛り返し、34分には、柴崎が左サイドのカイオへパスを通す。カイオが左サイド深くでボールを持って仕掛け、マイナスの折り返しに小笠原が反応。トラップから左足シュートを放ったが、相手DFにブロックされた。さらに39分、右サイドの伊東が左足に持ち替えて上げたクロスを、中央のダヴィがバイシクルシュートで合わせたものの、枠を捉えたボールはGKにキャッチされた。
拮抗した展開で迎えた前半終了間際、鹿島は先制点を決められてしまう。45分、自陣でのパスミスから攻め込まれ、最後は工藤に右足シュートを蹴り込まれた。ハーフタイム直前に失点を喫し、鹿島は1点ビハインドで前半を終えた。
1点を追う鹿島は後半開始から、遠藤に代えて野沢を投入し、同点ゴールを目指す。46分、左サイド深くでボールを持ったカイオがドリブルを仕掛け、右足でシュートを放つと、相手DFに当たったこぼれ球を再び右足で狙った。ボールは枠の上へ外れたが、キックオフ直後のシュートで、ゴールへの積極的な姿勢を示した。61分には、ダヴィのポストプレーから、小笠原が最終ラインの背後へスルーパスを蹴り込む。連動した3人目の動きで、裏を取ったのは土居だった。ペナルティーエリア内までドリブルで持ち込むと、中央の柴崎へラストパス。鮮やかな崩しだったが、柴崎のシュートは枠を捉えられず、同点に追いつくことはできなかった。
ボールポゼッション率を高め、ペースを掴んだ鹿島は、72分にルイス アルベルトを投入し、柴崎を2列目に上げて攻撃のテコ入れを図る。76分には赤崎をピッチへ送り出し、前線の枚数を増やした。79分には、左サイドのカイオが上げたクロスにダヴィが反応し、GK菅野と競り合うと、こぼれ球が野沢のもとへ。野沢は、GK不在のゴールに向かって丁寧に右足シュートを放ったが、惜しくも枠を逸れ、チャンスを活かせなかった。90分にも、ペナルティーエリア内での巧みな動き出しで抜け出した赤崎が左足シュートを放ったが、枠の左へ外れてしまった。
鹿島は柏の2倍以上となる14本のシュートを放ったが、最後までゴールを割ることができず、試合は0-1で終了。アウェイで悔しい敗戦を喫し、リーグ戦の連勝は2でストップした。しかし、下を向く間もなく試合は続く。次節は6日の第12節、ホーム・カシマスタジアムで行われる名古屋グランパス戦だ。今年も大混戦となったリーグ戦で連敗は許されないだけに、是が非でも勝点3を獲得したい。
【この試合のトピックス】
・日立柏サッカー場でのリーグ戦は、通算8回目。1996年10月16日のJリーグ24節以来、2回目の敗戦を喫した。
・76分に途中出場した赤崎が、第7節の新潟戦以来、今季のリーグ2試合目の出場を果たした。
・中田が、リーグ戦では8試合ぶりとなる、第3節の鳥栖戦以来のベンチ入りを果たした。
・佐藤が2試合ぶりにベンチ入りした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・プレーの判断をより早く。アクションもリアクションも相手を上回れ。
・勇気をもって全体のラインを一歩上げよう。
柏レイソル:ネルシーニョ
・相手のボランチに時間を与えないように、積極的にボールを奪いにいくこと。
・球際のところは、勇気を持ってブロック、チャレンジしよう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(僅差の敗戦となったが)両チームとも、悪い内容だったのではないかと思う。技術というよりも、疲労困憊の中でどれだけ走れるかというところ。そのアドバンテージ、プラスアルファのところで、柏はホームでやれたということ、あともう少しの部分の力や運動量があったという部分で、有利にできたのではないか。当然ながら、9番の選手の能力、決定力の部分で、ボックス前で慌てずにシュートを打ち、流し込むというところで、称えなければいけないと思う。ただ、うちはチームとしての動きの部分、運動量や戦う精神のところで、一体感は欠けていた。もしかすると、急激に気温が上がったところで、集中力や注意力が欠けてしまったところから、そのようなことになったかもしれない。あるいは、ボールに対して行くのか行かないのかという迷いや、マークを受け渡す部分での迷いが、何人かの部分、何人かのゾーンで見受けられた。技術というよりも、運動量や球際の戦い。柏は、球際の部分で、正当に、どん欲に競り勝っていた。そうしたところで、大きな違いが現れたのではないかと思う。
・前半は、柏は前に3枚を置く形、中央1人とトップ下2人を置く形だった。点を取った後、後半は2トップにトップ下1枚という形で、守備の戦法を採ったところは非常に賢かったと思うし、自分たちは、考えられないパスミスが目立った試合だった。疲労によって、判断や身体の機能が低下してしまった部分があると思う。まだ若いチームなので過ちもあり、経験不足というところで、うまく機能しない、あるいは自分の本来のパフォーマンスを発揮できないということもあったと思う。このスタジアムは非常に小さな、狭いピッチで、柏は3バックとも身長が高くて守備力がある。両ウイングバックは攻撃的で、両ボランチは時折、相手の最終ラインまで入るが、基本的には高い位置でボールをさばいてウイングバックやトップ下を活用させるという戦術を採っているチームだ。非常に徹底された機能性が見受けられる。自分たちは学んだり、経験しなければいけないことが多いチーム。疲労から、中2日、中3日での調整方法も、1つの経験ではないかなと思う。
柏レイソル:ネルシーニョ
予想通り、質の高い相手との厳しい試合になった。前半は、良いリズムでボールを回して、良い守備からチャンスを意図的に作れる場面が多かったが、後半になると、守備は変わらず整理できて、良い対応ができていたが、ボールを取った後があまり良くなくて、自陣から敵陣へ良い形で展開できなくて、すぐにまた鹿島の攻撃を食らうという時間帯があった。ただ、全体的に、守備のところは思っていたように相手を抑え込んで、ニュートラルにできていた。攻撃のところも、効果的に、動き出しを最後まで、注意を欠かさずできた。非常にポジティブな内容と結果を残せたと思う。
選手コメント
[試合後]
【山本 脩斗】
暑さはあった。前半は特に中からワンツーといったところで、守備がはまらない部分があった。ボールを持てるのはわかっていたので、センターバックとボランチ、サイドバックで持つ時間はあった。ただ、そこからの組み立てで、前半は特になかなかシュートまでいけなかった。
【昌子 源】
俺とナオ(植田選手)の関係性をもっと良くしないといけない。同じポジションにいたり、同じサイドに流れていたりした。ナオが出た時や自分が出た時にどう対応するか、修正が必要。失点は、単純なミスでやられた。激しくいかないといけなかった。悔しいけど、すぐに試合があるので、切り換える。こういう負け方がないように次につなげたい。
【土居 聖真】
全体的にチャンスが少なく、かたい試合になった。その中でチャンスをモノにしたのが、柏。こちらもチャンスに決めていれば、結果は分からない試合だったが、その差が出たと思う。前半は0-0でしのげればと思ったが、最後に決められ、後半は盛り返した部分もあるが、決め切れなかった。相手も決定機は、1回か2回。このような動かない試合をモノに出来るかどうかだと思う。次に活かして改善すれば、勝てる試合も多くなる。