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ナビスコ予選 第7節 清水エスパルス戦
鹿島、3点差勝利で意地を見せるも、決勝トーナメント進出ならず。
5月28日に行われたヤマザキナビスコカップA組第6節の神戸戦で0-3と完敗し、2連敗でA組6位に転落した鹿島が、ワールドカップ中断前最後の一戦に臨んだ。カシマスタジアムで行われた第7節で清水エスパルスと対戦し、土居と赤崎、遠藤の得点で3-0と快勝したが、他試合の結果により、ヤマザキナビスコカップ決勝トーナメント進出はならなかった。
鹿島はボランチに梅鉢、左サイドハーフに豊川、そして1トップに赤崎が入り、先発11人の平均年齢が23.18歳という若いメンバーで試合に臨んだ。3点差以上で勝利を収めなければ、その時点で予選敗退となる鹿島は、16分に幸先よく先制点を奪う。土居がペナルティーエリア手前、右側でボールを持つと、鋭い切り返しで相手DFをかわし、右足を一閃。アウトサイドにかかってスライス気味の軌道を描いたミドルシュートが、左サイドネットに突き刺さった。
公式戦3試合ぶりに先制した鹿島は、20分にもカウンターからチャンスを演出し、遠藤が蹴り込んだスルーパスに土居が飛び込んであわやという場面を作るなど、清水ゴールに迫っていく。追加点は26分に生まれた。右サイドからの展開で、ペナルティーエリア手前へ差し掛かった柴崎が、左足で巧みなスルーパス。持ち前の動き出しで最終ラインの背後を取った赤崎が、相手GKとの一対一を冷静に制し、右足シュートをゴール左隅へ沈めた。
鹿島は2点をリードし、落ち着いてパスを回し、ボールをキープする。30分には右サイドをオーバーラップした伊東のクロスを、赤崎がジャンピングボレーで合わせたが、枠の上へ外れた。鹿島は42分、ペナルティーエリア内で相手のシュートブロックを試みた昌子がハンドを取られてPKを与えてしまうが、相手のシュートが外れ、失点を逃れた。前半は2-0で終了した。
3点目を目指す鹿島は後半、圧倒的に攻勢をかけ、清水ゴールを脅かしていく。48分には、梅鉢がペナルティーエリア手前から狙いすましたミドルシュートを放ったが、わずかに枠の右へ。65分には、左サイド深くで球際の粘りを見せた赤崎が、ペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。遠藤がゴールを狙ったが、左足から放たれたグラウンダーのシュートは枠の左へ外れてしまった。
絶好機を逃したが、72分に土居、77分に赤崎がミドルシュートを放つなど、積極的に追加点を狙う。83分には、途中出場のダヴィが右サイドからの強引な突破でペナルティーエリアへ進入。シュートは相手GKに阻まれてしまった。攻撃の手を緩めない鹿島は、84分にダヴィが右サイドからのクロスをニアサイドで合わせたものの、枠のわずかに右へ外れた。88分には、ダヴィが左サイド深くに進入し、中央へクロスを送る。フリーの柴崎が右足で合わせたが、右ポストを直撃して得点ならず。再三の決定機を活かせない、もどかしい展開となった。
それでも鹿島は、後半アディショナルタイムに3点目を奪ってみせる。93分、昌子が左サイドを駆け上がって最終ラインの背後を取ると、中央へのクロスに遠藤が詰めて、左足シュートでゴールネットを揺らした。
試合は3-0で終了。公式戦7試合ぶりに複数得点を奪った鹿島が、ホームで快勝した。鹿島は勝点を9に伸ばしたものの、他会場の結果、2位浮上は叶わず、9年ぶりの予選敗退が決まってしまった。次戦は7月12日、カシマスタジアムで開催される天皇杯2回戦だ。J1再開は7月19日、アウェイで行われるJ1第15節のFC東京戦となる。ワールドカップによる約1か月半の公式戦中断期間を経て、残り2つのタイトル獲得を目指す戦いが始まる。
【この試合のトピックス】
・3月23日のJ1第4節C大阪戦以来の先発出場を果たした豊川が、A契約締結条件の公式戦通算450分出場を達成した。
・赤崎が公式戦3試合ぶりに先発出場。公式戦3得点目を挙げた。
・梅鉢が今季の公式戦2試合目の先発を果たし、今季初のフル出場。前回は5月6日に行われたJ1第12節の名古屋戦だった。
・土居が今季の公式戦5得点目を記録した。
・遠藤が今季の公式戦6得点目を挙げた。
・1992年生まれの昌子、柴崎、梅鉢、土居が、公式戦初の先発揃い踏みを果たした。
・1994年生まれで同じ大津高校出身の植田と豊川が、公式戦で初めて同時に先発出場した。
・中田が公式戦3試合ぶりのベンチ入りを果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・自分たちは勝たなくてはいけない。その気持ちを忘れずに後半も挑もう。
・美しいプレーではなく、明確なプレーを心掛けてほしい。
・相手に隙を与えるな。難しくやらずにシンプルにプレーすればチャンスは作れる。
清水エスパルス:アフシン ゴトビ
・素晴らしいスタートを切り、素晴らしいサッカーがやれていた。
少しのミスでやられただけだ。顔を上げよう!
全員でもう一度、立ち上がろう!
・前の4人は裏の危険なエリアを狙っていこう。
・何が起こるかわからないぞ。絶対にあきらめるな!
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・最低限、戦う姿勢は常に見せなければいけない。これは当たり前のことであり、残念ながら前の試合ではそのことをハーフタイム中に要求しなければいけなかった。アントラーズでは通常、そんなことはありえなく、当然のことであり、それが伝統である。今日見てもらえれば分かるように、当たり前にやれることだ。
・今のチーム状況は、チャンスを10回作ってやっと1点が取れるような感じ。今日もあれだけチャンスがあったのに、3点にとどまった。ただ、そういうチャンスを作ることができるのはいいことだし、この中断期間でその流れが変わることを期待している。
・今日は予選リーグ突破に向けて、自分たちがやらなければいけないところの条件はクリアできた。そこは意地を見せられたが、トータルで予選リーグ敗退という結果に終わったのは、(前節の神戸戦で)ホームで勝点を落としてしまったから。それにつきる。
清水エスパルス:アフシン ゴトビ
先ず初めに、神戸の予選リーグ突破に対し、おめでとうと言いたい。彼らは予選リーグ突破に値するチームだ。我々は予選リーグの序盤、いいスタートを切ったが、その後自分たちで難しくしてしまった。(今日の試合は)非常にいいスタートだったが、守備のミスから0-1とされた。過密日程の中では、どちらが先制点を取るかが全てだ。そしてまた守備のミスから0-2とリードされ、心理的に厳しくなった。その中で前半終盤にPKを得られ、試合の流れを変えるチャンスもあった。それは重要なポイントだったが、残念ながら0-2で45分を折り返すことになり、非常に厳しくなった。選手たちは一生懸命に戦ったが、中盤での争いで鹿島に分があった。その後はチャンスらしいチャンスもなく、0-3にされてしまった。もう一度、団結し直し、シーズン後半戦でしっかり戦えるようにしたい。
選手コメント
[試合後]
【曽ヶ端 準】
決勝トーナメント進出を目指してやったので、残念な結果になった。(3点差勝利で)うちの最低条件まではとりあえず行けたので、ベンチを含めてそういう状況を作ってくれたし、アディショナルタイムも前へ前へ行けたので、次につながる勝利だと思う。
【赤崎 秀平】
先発は試合前に聞いた。急だったが、気持ちを整えて臨んだ。負けられないという気持ちでやっていた。1人1人が強い気持ちを持ってやっていたと思う。聖真の1点目が大きかった。動き出してスペースを作って、自分も絡めた。良い関係を作れているとは感じていた。
【遠藤 康】
自分でも、なんで入らないのかというくらい。みんなに申し訳ない。チームとして勝ったのは良かったが…。PKは自信を持って蹴ったつもり。1週間くらい体を休めて、また積み上げていけるようにしたい。リーグと天皇杯、両方を獲るつもりでやっていく。
植田選手、昌子選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。