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右太腿裏の負傷から立ち直り、代表発表後の親善試合では短期間に3試合連続で出場するところまでコンディションを上げてきているDF内田篤人(シャルケ)が、コートジボワール戦を2日後に控えた今の思いを、訥々と語った。
「今回もまた(出場するかは)分からない。でも、もういいかな。しっかりやってきたことをピッチで出たときに出せればいいですけど、出る出ないというのはありますから」
4年前は大会直前にレギュラーから外され、出場機会のないまま南アフリカを去った。けれども今の内田が思うのは、悔しさからの脱却ではないという。
「そういうのを超えて、自分が納得できればいいのかなと今は思っている。あのときは22歳……。今では、あそこで試合に出なかったことよりも、あそこで納得せずに日本に帰ってきたことを後悔している。今回は、今までやってきたことをブラジルに残せればいいのかなという気持ちです」
納得するためにいつもやってきたことがある。日々の練習が終わったときに、「今日は自分の中で100%やれたのか?」と自分に問い掛ける作業だ。
「シャルケでもそう。その繰り返し。部屋に帰ってきて、今日もうちょっとできたんじゃないかなと思わないようにしている」
日本でのリハビリ仲間からは、ブラジルに来てからもメッセージが来ている。「心に響くメッセージ? ないっス」ととぼけながらも、こう続けた。
「地球の反対側にいますが、まだ忘れられていないんですね(笑)。今までは、自分のためというか、自分が良ければ良いというのがあったが、今はサポートしてもらえていることがひしひしと伝わってくる。人のために頑張った方が頑張れるのかなと」
恩返しはもちろん、活躍すること。しかし、それ以上に大事なことがある。「まずはチームが勝つこと。日本が勝ち点1でも3でも取って一つでも多く勝って次のステージに行くこと。地球の反対側で見てくれている人がいるから」
(取材・文 矢内由美子)