日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年10月18日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第14節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51625

J1 2nd 第14節 vs柏レイソル

優磨が決めた、逆転弾!鹿島が劇的勝利、ホームで柏を撃破!

鹿島が、2ndステージ制覇へと突き進む。J1 2nd 第14節、柏レイソルをホームに迎え撃つと、開始早々に赤崎のゴールで先制。前半のうちに逆転を許したが、69分に金崎、そして後半アディショナルタイムに鈴木優磨が劇的な逆転ゴールを決め、3-2で競り勝った。



鹿島は3日前の天皇杯 3回戦で、水戸ホーリーホックを相手にPK戦の末に屈した。「絶対に負けてはいけない試合」で、不甲斐ない120分間を展開してしまった。翌日のミーティングでは、重要なタイトルを1つ失った事実としっかりと向き合い、残り2つの国内タイトル獲得へ向け、改めて意思統一を図った。選手たちは2日間の準備期間で再起を期し、ひたむきにトレーニングに打ち込んだ。

中2日で迎える、2週間ぶりのリーグ戦。ホームでの勝利に向けて、石井監督は「自分たちがしっかりと勝ち切ることができれば、2ndステージ優勝のチャンスがある」と、言い切った。日本代表からチームに合流した柴崎は「結果だけでなく、自分たちも満足できるような良い内容で試合をしたい。自分たちのやるべきサッカーをして、相手に好きなようにやらせず、しっかり勝ち点3を積み重ねたい」と、抱負を述べている。

指揮官は水戸戦から、先発メンバー全員を変更。GKに曽ヶ端、最終ラインは西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原のコンビで、2列目には中村と遠藤、そして前線には赤崎と金崎が入った。

曇り空に覆われたカシマスタジアムでは、サポーターが早くから待機列を成していた。2試合ぶりの勝利へ。ボルテージを高める背番号12は、ウォーミングアップが始まる頃に広がった青空の下、選手たちには大きなチームコールを送った。チーム一丸で戦うという雰囲気が、スタジアムに満ちあふれた。

14時4分、キックオフのホイッスルが鳴った。そして開始早々、鹿島はファーストシュートで先制に成功する。3分、中盤から中村が長いスルーパスを通すと、赤崎が最終ラインの背後を取る。赤崎はスピードに乗ったドリブルでGKをかわし、落ち着いてゴールへと流し込んだ。「ここ最近、試合の入り方はすごく良いと思う」と話していた背番号18が決めた、電光石火の先制点で鹿島がリードを奪った。





1点リードを得た鹿島は、勢いに乗って攻勢をかける。金崎や赤崎が最終ラインの背後を狙い、相手の脅威となっていった。ただ、追加点は奪えず。次第に柏がボールキープ率を高める展開となった。

そして14分、思いがけない形で同点に追いつかれてしまう。左サイド深くからのFKをゴール前へ入れられると、相手が頭で捉えたボールが鈴木大に当たり、そのままゴールネットを揺らしてしまった。鹿島にとっては不運な形で、スコアは1-1となった。

その後、鹿島は柏の攻勢に対して、自陣で対応する時間が続いた。時折、カウンターから好機を窺うものの、なかなかシュートまで持ち込めない。自陣でのボールロストも増え、リズムが少しずつ柏へと傾いていった。







劣勢を強いられる中、次のゴールは柏のものだった。39分、相手のプレスを受け、バックパスが続く展開から自陣でボールロスト。ペナルティーエリア内へパスを通され、最後はクリスティアーノに決められてしまった。鹿島が逆転を許し、1点ビハインドを負った。

前半のラスト5分は、鹿島が反撃に転じた。43分には、中村がドリブルでカットインし、ペナルティーエリア内へ。鋭い切り返しから強烈なシュートを放ったが、惜しくもGKに弾き出されてしまった。前半のうちに同点に追いつくことはできず、1-2でハーフタイムを迎えた。





1点ビハインドで迎えた後半も、鹿島はなかなか攻勢をかけられない。しかし、集中力を保った守備で応戦していった。53分には、この日鋭い突破を連発した中村のドリブルから右前方へパス。遠藤がスルーし、背後の柴崎がクロスを送ってチャンスを演出した。その後、運動量の落ちた柏に対して、鹿島は少しずつボールキープ率を高め、主導権を握っていく。

64分、右サイドからのクロスを金崎がペナルティーエリア内で収め、こぼれ球を拾った中村が右足でカーブをかけて狙ったが、これは枠の右へ。66分には遠藤が右サイドからクロスを上げ、赤崎と柴崎が飛び込んだものの、ゴールには結びつかなかった。しかし、次第にゴールの予感が漂い始めた。





そして69分、中村の切れ味鋭い突破から、待望の同点弾が生まれた。ペナルティーエリア手前から巧みなボールタッチで複数のDFをかわし、強烈なシュート。これはGKに阻まれ、こぼれ球に詰めた赤崎のシュートもGKに弾かれたが、最後は金崎が頭で押し込んだ。ポストに激突しながら決めた執念のゴールで、鹿島が2-2の同点に追いついた。





サポーターのボルテージは最高潮に。力強い応援を受けてさらに攻勢をかけたい鹿島は、同点弾の直後にカイオをピッチへ送り出し、さらに勢いを増していく。73分には、左サイドのゴールライン際で粘った金崎から赤崎へ。反転して放たれたシュートは惜しくも、枠を逸れた。









残り10分を切り、石井監督は83分に鈴木優磨を投入。この交代が、最後に歓喜を生んだ。優磨はサイドに流れてボールを受け、貪欲に突破を狙っていく。若武者が積極的に仕掛ける姿勢が、チームを前へと押し出していった。

88分、カイオのパスから山本がボレーシュートでゴールネットを揺らしたが、これはオフサイド。落胆のため息がスタジアムを包んだが、3分後に歓喜の瞬間が待っていた。後半アディショナルタイム1分、右サイドを縦に突破したカイオがグラウンダーのボールを供給すると、ファーサイドに詰めていた優磨が合わせる。GKが横っ飛びで食らいついたボールは、しかし、ゴールラインを越えた。3-2。劇的な展開で、鹿島が逆転に成功した。



残り2分弱、鹿島はしっかりとリードを守りきった。試合は3-2で終了。打ち合いとなった一戦で、ルーキーの決勝弾で勝ち点3を掴み取った。重要な意味を持つ勝利に、カシマスタジアムは歓喜に包まれた。



そして次戦は1週間後、24日に行われるJ1 2nd 第15節の湘南ベルマーレ戦だ。5連戦を終え、まとまった準備期間を得て、アウェイゲームに臨む。2ndステージ優勝へ、チーム一丸で連勝街道を突き進む。



【この試合のトピックス】
・今季の柏との対戦は2戦2勝となった。
・赤崎が今季リーグ戦7ゴール目、金崎が8ゴール目を決めた。
・鈴木優磨が決勝点を挙げ、リーグ戦2ゴール目を記録した。
・曽ヶ端と西、ファン ソッコ、昌子、山本、小笠原、中村、遠藤、赤崎、金崎が、2試合ぶりに先発出場した。
・柴崎が、10月3日のJ1 2nd 第13節神戸戦以来の先発出場を果たした。
・豊川が、リーグ戦では7月19日のJ1 2nd 第3節の松本戦以来の出場を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・ボールを奪ったあと、まずはボールを落ち着かせて攻撃を展開しよう。
・相手の動きに惑わされることなく、しっかり対応しよう。
・後半はしっかり入って、まずは一点とって流れを変えよう。

柏レイソル:吉田 達磨
・慌てずに奪ったボールをしっかり動かし続けること。
・相手のクリアボールの対応に注意しよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
前半はレイソルのつなぐサッカーに押し込まれる形だった。後半はうまく守備の部分が対応できて、自分たちの流れになった。追いつくことができ、最後、多くのサポーターの声援が後押しになって、勝つことができた。天皇杯の敗戦でタイトルを1つ失ってしまったが、気持ちを切り替えてリーグ戦、ナビスコカップに臨もうと話した。今日は90分間、選手たちがしっかり戦ってくれた。選手とサポーターの皆さんに感謝している。

Q 天皇杯で選手交代に関して勇気がなかったとコメントしたが、今日は積極的に交代枠を使った。監督自身はどう感じるか?
A 負けたことを次につなげなくてはいけない。勇気がなかったのは交代だけではなく、選手選考からすべてに関して。天皇杯は終わってしまったが、切り替えて臨んだ。今日に関しては采配というよりも、スタメンの11人、交代で出場した3人が高いパフォーマンスを見せてくれたおかげ。

Q 決勝ゴールを決めた鈴木優磨選手について、どんな意図で投入したか?
A 優磨は体が強く、足元に収められる。チャンスメイクもできるし、常にゴールを狙っているところもある。彼はチームでやらなくてはいけないことを、しっかりとやってくれている。そこを90分、しっかり続けられるようになってくれればと思う。

Q レオナルド氏が試合前にスタンドへあいさつしていい雰囲気になった。石井監督も現役時代いっしょにプレーしたが、会話など交わした?
A 久しぶりに会ったが、まったく変わらず、かっこいい紳士だと感じた。彼が来てくれたことで、僕も勇気が湧いた。ACミランやインテルで監督をしたときのことも少し話してもらった。確実に刺激になった。偉大な人物なので、彼が来たことがチームに活気を与えてくれた要因だと思う。常にアントラーズのことを見守っていてくれて、うれしく感じる。

Q 2ndステージ優勝がかかった終盤に入っていくが、一番大事なポイントはどこか?
A 残り3試合、勝ち点は同じだが、得失点で差がある。私たちは勝ち続けるしかない。そこを追及して、目の前の1試合、1試合を戦っていくだけ。次節は累積で出られない選手もいるが、入った選手が高いパフォーマンスを見せてくれることを期待したい。


柏レイソル:吉田 達磨
とても悔しく、後味の悪い敗戦となった。2ndステージ優勝するしかない状況。引き分けでは意味がないと、大きな意気込みで臨んだが、とても早い時間に一発で持って行かれてしまった。しかし、そこからは落ち着いて、安心して見ていられる試合だった。逆転まで行くことができたが、後半メンバーが変わって、ゲームが壊れたというか、オーガナイズがお互いにオープンになるなかで、もう一刺しできなかった我々と、最後に刺した鹿島、その差だった。どちらが勝ってもおかしくない試合。勝ち点3が達成できなかった。サポーターの大きな声援を受けながら、その期待に応えることができず、本当に申し訳なく思う。


選手コメント

[試合後]

【鈴木 優磨】
カイオくんからボールが来ると信じて走っていた。良いシュートではなかったけど、気持ちで決めたゴールだと思う。他のチームのことは意識しすぎず、自分たちがどれだけ結果を残せるかに集中して、一致団結してやっていきたい。全勝を目指してやっていく。

【赤崎 秀平】
ゴールの場面は、パスを受ける前にアツくんが自分を見ていたので、ボールが来ると思って動き出しをした。神戸戦でソガさんが相手のドリブルを止めた場面が頭をよぎったけど、GKをかわせると思ってドリブルをした。

【曽ヶ端 準】
前半は相手が勢いをもってきていたが、後半は運動量が落ちた。こちらの運動量も厳しい中で、うまくボールを動かして対応できたと思う。何よりも、逆転できたことが大きい。これからまた1試合ずつ、結果を求めていく。

昌子選手と中村選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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