日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年11月24日火曜日
◆名波監督の亡き父に捧げたゴール…伊野波「力を貸してくれた」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?177097-177097-fl
[11.23 J2第42節 大分1-2磐田 大銀ド]
ユニフォームの袖口から黒い喪章を取り出し、天にかざした。後半17分に先制点を決めたジュビロ磐田のDF伊野波雅彦は、指揮官への思いをゴール後のパフォーマンスで表現した。
名波浩監督の父・元一さんが今月12日に76歳で逝去。伊野波はユニフォーム下で左腕に巻いていた喪章の意味を「名波さんのお父さんが亡くなって、その思いも自分の中にあった」と明かした。
「ゴールを防いだ場面も、ゴールを押し込んだ場面も、少し力を貸してくれたのかなと。あの喪章がお父さんのところに届いてくれたらうれしいなと思います」
強い師弟関係があった。「現役時代にはマンマークした相手でもある」という名波監督からはリーダーシップも期待されていた。鹿島で2度のリーグ優勝を果たし、欧州でのプレー経験もある元日本代表DFは、しかし「そこを何とか脱皮したかったけど、なかなかできなかった」ともがいてきた。
「正直、自分のプレースタイル的に悩んだ時期もあった。このままサッカーをやっていてどうなるのかなと」。そんなときに声をかけてくれるのも名波監督だった。
「何事も先頭に立ってやれ」。そう直接、ゲキを飛ばされたかと思えば、チームミーティングで「このチームにはリーダーがいないから、みんなでやらないとダメだ」と、選手全員にハッパをかけることもあった。
そうした言葉もまた、“もっとリーダーシップを取れ”という伊野波に対する間接的な叱咤だった。「自分の心にグサリと来た。あの人は遠回しに駆け引きをするし、そういうことなんだろうなと思っていた」。指揮官の期待に応えたい。その一心だった。
伊野波自身、初めて経験するJ2での2年間。来季は3年ぶりにJ1の舞台に戻る。「正直、新たなスタートラインに立ったなと。それだけです。もう一度、チャレンジする場所に立ったなと」。伊野波はJ1復帰の喜びを淡々とかみ締めた。
(取材・文 西山紘平)
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