日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年4月13日木曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2017 グループステージ 第4節(オフィシャル)


ACLグループステージ 第4節

アウェイで痛恨の黒星。鹿島、ブリスベンに敗れてグループ2位に転落。

約1か月ぶりに再開されたアジアでの戦いで、鹿島が痛恨の黒星を喫した。AFCチャンピオンズリーグのグループステージ第4節、オーストラリアのブリスベン・ロアーFCとアウェイで対戦すると、2点ビハインドを負った79分に永木が反撃のゴールを挙げたものの、及ばず。1-2と敗れ、公式戦2連敗となった。

鹿島は公式戦5連勝と充実の時を過ごしていたが、不甲斐ない形で足踏みを強いられることとなった。4日前のJ1第6節、C大阪戦。冷たい雨が降り続く聖地・カシマスタジアムで0-1と完封負けを喫した。大宮戦から6選手を入れ替えて臨んだホームゲームは、非常に悔しい90分となってしまった。

だが、下を向く時間などない。チームは翌日のリカバリートレーニングを終えた後、オーストラリアへと発った。直行便のないブリスベンへ、長時間移動を経て到着すると、その日のうちにトレーニングを実施。現地の気候に身体を適応させ、少しでもコンディションを高めるために、最善の準備を重ねた。試合前日の公式練習では、会場のサンコープスタジアムで入念に状態を確認した。

公式会見に臨んだ石井監督は「明日もタフな戦いになる。我々もグループステージ突破のために、この大事な一戦に勝たなければならない」と、勝利を誓った。並んで出席した鈴木は「今回の試合は、ホームでやった時とは全然違うものになると思っている」と、相手への警戒を口にしていた。





心地良い青空が広がった、ブリスベン。石井監督は再び、先発メンバーを6名入れ替えた。右サイドバックに西が入り、ボランチはレオ シルバと小笠原のペアが復帰。2列目は土居と遠藤が務め、前線には鹿島での公式戦初先発初出場となる金森が指名された。最終ラインは西のほか、植田と昌子、山本が並ぶ。金森とコンビを組むのは鈴木、ゴールマウスにはクォン スンテが立ちはだかる。そしてベンチには、GKの曽ケ端、伊東、町田、永木、中村、三竿健斗、ルーキーの安部が並んだ。帯同していた小田も含め、若手の存在が際立つメンバー構成。重要な意味を持つアウェイゲームへ、チーム一丸で臨む。



オーストラリアまで駆け付けた背番号12が、選手たちを鼓舞する歌声を降り注ぐ。数ではホームチームに敵わなくとも、その声量と情熱はブリスベンの夜に響き渡っていた。指揮官は「一緒に喜んで、勝って帰りたい」と共闘を誓う。アウェイでの勝ち点3を目指し、鹿島は現地時間19時にキックオフを迎えた。

立ち上がりから、ボールポゼッション率を高めたのはブリスベン・ロアーFCだった。両サイドのスペースを狙ったパス、そして前線からのプレスを繰り返され、鹿島は圧力を受けて自陣へ後退してしまう。凹凸が目立つピッチコンディションにも苦しみ、なかなか前線でボールを収めることができなかった。



10分以降は少しずつビルドアップでのリズムを作れるようになり、鹿島がパスワークからゴールを狙っていく。11分と13分には金森が左サイド深くから積極的にドリブルを仕掛け、突破の糸口を見出そうと献身的な姿勢を見せた。鹿島加入後、公式戦では初めてピッチに立った背番号14が、持ち味を発揮して推進力となっていた。





しかし、スコアを動かしたのはホームチームだった。18分、鹿島陣内右サイドからの浮き球のパスが最終ラインへ飛ぶと、植田がクリアしきれずにボールを奪われてしまう。最後はジェイミー マクラーレンに強烈なシュートを決められ、鹿島はアウェイでビハインドを負った。

リードを許した鹿島は、勢いに乗るブリスベン・ロアーFCに押し込まれる展開が続く。失点直後には相手のクロスが植田に当たり、ゴール方向へ飛んで肝を冷やす場面もあった。23分と28分にもペナルティーエリア手前からフリーでミドルシュートを打たれるなど、ゴールを脅かされるプレーが続いてしまった。





苦しい展開を強いられたが、36分にレオが反撃の狼煙を上げる。中盤からの強引なドリブル突破。独力でボールを運び、長い距離を走ってペナルティーエリア手前まで突進した。鈴木へのスルーパス、そしてこぼれ球へのプッシュは得点とはならなかったものの、子のプレーを契機に、前半の終盤10分は鹿島が攻勢をかけることとなった。





前半最大の決定機は41分。遠藤が蹴った右CKに反応した西が、ニアサイドからヘディングシュート。狙い済ました一撃は枠を捉えたが、左ポストを直撃してしまう。鈴木と金森も詰めていたが、跳ね返りは相手GKのもとへ収まってしまった。0-1。前半は1点ビハインドで終了した。



反撃を期す鹿島だが、気をつけなければならない立ち上がり、そしてセットプレーから次の得点を許してしまう。49分、ペナルティーエリア左手前でFKを与えると、意表を突いたサインプレーから、クリアボールに反応した相手のシュートがゴールネットを揺らしてしまった。鹿島はアウェイで2点ビハインドを負い、苦しい展開を強いられた。







早い時間で反撃のゴールを決めたい鹿島は、56分に金森が鋭い突破でペナルティーエリア左奥まで持ち込み、左足で狙う。相手DFにブロックされたが、可能性を感じさせるプレーを見せた。59分にはレオがミドルシュートを放ったものの、枠を捉えるには至らない。石井監督は61分、小笠原と鈴木に代えて永木と安部を投入。中盤と前線の活性化を図り、ゴールを目指した。







公式戦2試合目の出場となった安部は、積極的にボールを呼び込んでチームを活性化させた。ボールを失う場面も少なくなかったが、失敗を恐れずにチャレンジを繰り返す姿勢で存在感を示していた。68分には思い切りよくミドルシュート。直後の69分にはレオのフィードに反応してヘディングシュートを放ったが、惜しくも枠を逸れてしまった。





残り15分を切り、石井監督は最後のカードとして中村をピッチへ送り出す。すると2分後、反撃のゴールが決まった。ペナルティーエリア内で永木が粘り、右側の遠藤へつなぐと、右足で強烈なシュート。相手GKに弾かれてエリア左奥へ飛んだルーズボールを中村が収め、ゴール前の混戦を見極めながら細かいボールタッチでマークのタイミングを外し、ピンポイントのラストパスを通す。走り込んだ永木が左足で押し込み、1-2と1点差に迫った。





完全に運動量が落ちたブリスベン・ロアーFCに対し、鹿島は同点ゴールを目指して必死に攻勢をかける。右サイドバックの西が高い位置を取って正確なパスやクロスでチャンスを演出し、86分には永木のスルーパスから土居が相手GKと1対1になったが、シュートは阻まれてしまった。







鹿島は最後まで2点目を奪えず、1-2で試合終了。グループステージ3連敗中だったブリスベン・ロアーFCに敗れ、勝ち点を積み上げることはできなかった。鹿島は第4節を終えて勝ち点6。この試合の後にキックオフを迎えるムアントンと蔚山の一戦がいかなる結果になろうとも、鹿島はグループEの2位に転落することとなった。残り2試合、大混戦のグループを勝ち抜いて決勝トーナメントへ駒を進めなければならない。ACLの次戦は26日、再びアウェイでの戦いだ。蔚山現代FCとの一戦に臨む。



そして鹿島は次戦、4日後にJ1第7節で仙台と対戦。長時間移動を経て帰国し、アウェイでのナイトゲームに臨む。歩みを止める時間はない。タイトなスケジュールを、そして公式戦2連敗という苦境を、総力戦で乗り越えなければならない。

【この試合のトピックス】
・金森が先発メンバーに名を連ね、加入後初の公式戦出場を果たした。
・永木が今季の公式戦初得点を挙げた。ACL初ゴールでもあった。
・安部が途中出場し、ACL初出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


ブリスベン・ロアーFC:ジョン アロイージ


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
オーストラリアまでサポーターの皆さんが応援に来てくれた中、一緒に笑って日本に帰りたいと思っていたが、それを果たせなくて非常に残念に思っている。ふさわしい表現かどうかはわからないが、試合の入り方が少しおとなしくなってしまった。入り方が良くなくて、自分たちのミスから失点してしまった。まずは2点を返さないといけない状況になった。そういう苦しい状況になったことが一番の敗因だと思う。後半は交代出場のメンバーがチームを活性化してくれて良い戦いができたと思うが、やはり90分間、試合の頭から続けていかなければいけなかった。非常に残念だが、まだまだ終わっていない。残り2試合にしっかりと勝って、グループステージを突破したい。

Q.グループステージのアウェイゲームを2つとも落としているが、アウェイで結果を出せていないことは不安な材料か

A.不安材料ではないと思う。全体的に、国内の試合でも入り方が悪いことが続いているので、改善しないといけない。先制される試合が増えているので、それが(結果が出ない)原因だと思う。

Q.非常にミスが多い試合になったが、原因は何だと思うか

A.グラウンドやボールがいつもと違うので、感覚的な部分がもしかしたらあるのかもしれない。慌ててしまっているというか、いつもの形で試合に入ることができなかった。自分たちのミスからボールを失うことが多かった。今は原因をはっきりとは言えないが、ミスが多かったとは思う。

Q.ブリスベン・ロアーFCは試合前から勝ち点3を取りに来ていたが、カシマでの試合と違った勢いがあったか?

A.うちのホームゲームでも、前線からプレッシャーをかけてきていた。勝ちに来ていたと思う。今回は相手のホームで、もっと強くプレッシャーをかけてくると想定していた。違う形を見せてくるとも思っていたし、厳しい戦いになると考えていた。うちがそれを上回る気持ちを持たないと絶対に勝てないということをミーティングでも話した。特に1対1のバトルと球際の部分では激しくいこうという話をした。その部分が前半はうまくいかなかった。ミスもあって、失点をしてしまった。タフな戦いになることはわかっていたので、それ(バトル、球際)に負けてしまったことが一番の敗因だと思う。

Q.ブリスベン・ロアーFCの9番(ジェイミー マクラーレン)が調子を上げてきていて、タフな相手になることは想定していたと思うが、どのような対策をしていたのか。そのうえで、ゴールを決められてしまったことについて、彼の印象は?

A.動き出し、動き直しの質が良いことは前回の試合や分析でも感じていた。DF陣全体が彼の動き出しに遅れないことを考えていたと思うが、あの角度からゴールを決めたのは能力の高さだと思う。


ブリスベン・ロアーFC:ジョン アロイージ
この勝利は、選手たちにとって大きな自信となるだろう。ACLでの戦いのみならず、今後につながる。鹿島はアジアの中でもベストチームの1つ。彼らは昨年、クラブW杯の決勝でレアル・マドリードと戦ったわけだし、実力は誰もが知っている。その意味でもこの勝利は大きな勝利だ。前半、主導権を握ることができた。その後、相手に盛り返されたが、勝ち点3は正当な結果だと思う。


選手コメント

[試合後]

【鈴木 優磨】
相手はそれほど良かったとは感じなかった。アウェイの難しさだと思う。マークの厳しさはわかっていること。これを次に活かさなければいけない。

【山本 脩斗】
立ち上がりからなかなかペースを掴めなかった。後半の立ち上がりに2点目を取られて難しい試合になってしまった。アウェイでも、しっかり勝たないといけない試合だった。結果は残念だが、切り替えてやるしかない。

【西 大伍】
相手が良かった部分もあるし、うちが悪かった部分がある。全員が中途半端だった。少しずつ人任せになっていた部分があった。自分自身も余裕がなかったし、周りに気を使う余裕がなかった。キツい試合だった。自分がちゃんとやっていれば勝てるチームだと思う。

【永木 亮太】
点を取るチャンスがあったし、勝たなければいけない相手だった。2点、3点を取らなければいけないところで取れなかったのは、力不足だと思う。どっちつかずのルーズボールが相手のところに行ってしまってペースを握られてしまった印象だったので、自分が入ったら前から行くことだけを意識した。公式戦3連敗はできない。切り替えてリーグ戦でしっかり勝ちたい。

【昌子 源】
ホームでは3-0で勝っていたし、緩さがどこかにあったと思う。改善しないといけない。最近はずっと、エンジンがかかるのが遅い。前半で点を取ったことがない。失点をしてからエンジンをかけても遅い。結局、それで追いつけない。2試合連続で同じ負け方をして情けない。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51963

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