[8.13 J1第22節 川崎F3-1鹿島 等々力]
J1リーグは13日、第22節を行い、4位川崎フロンターレはホームで鹿島アントラーズに3-1で快勝し、2連勝を飾った。鹿島は5月19日の川崎F戦(0-3)以来、10試合ぶりの敗戦で大岩体制初黒星。両チームの勝ち点差は「7」から「4」に縮まった。
川崎Fは前節の新潟戦(2-0)から先発2人を変更。FW小林悠、MF長谷川竜也がベンチスタートとなり、MF家長昭博が4試合ぶり、MF登里享平が2試合ぶりに先発した。
大岩剛監督就任後、9戦不敗(8勝1分)で首位を走る鹿島は前節の神戸戦(2-1)から先発1人を入れ替え、MF土井聖真に代わってMF遠藤康が2試合ぶりに先発した。[スタメン&布陣はコチラ]
試合は立ち上がりから川崎Fがボールポゼッションを高め、ゲームを支配した。前半4分、敵陣でMF大島僚太がボールを奪い、縦パスをMF中村憲剛がワンタッチで流してFW阿部浩之がシュート。同20分には中村の右CKからこぼれ球がファーサイドに流れてきたところにDFエウシーニョが詰めたが、シュートは枠を捉えられなかった。
鹿島にボールを持たせず、ハーフコートゲームのような展開となるが、最後のところで崩し切るには至らない。前半25分、MFエドゥアルド・ネットの縦パスをおさめた大島が左足で強烈なミドルシュートを打ったが、GK曽ヶ端準が前に弾きながらもキャッチ。膠着状態の中、試合は激しい肉弾戦となり、両チームの選手がたびたびヒートアップする場面も見られた。
なかなかシュートまで持ち込めずにいた鹿島だが、前半40分、FW金崎夢生が自陣からドリブルで持ち上がり、カウンターを仕掛けると、右サイドに流し、FW中村充孝が右足でミドルシュート。GKチョン・ソンリョンが弾いたところに金崎が詰め、こぼれ球をMFレアンドロが拾ってシュートを打ったが、DFのブロックに阻まれた。
川崎Fは前半42分、中村の鋭い右足ミドルも曽ヶ端のファインセーブに遭う。このまま0-0で前半終了かと思われたが、前半アディショナルタイム、ついにゴールをこじ開けた。PA右手前から家長が斜めのスルーパスを送り、阿部がスルー。ゴール前の大島がシュート体勢に入ると、全速力で戻ってきたDF西大伍がスライディングタックルでボールをカットしたが、これが自陣ゴールに吸い込まれ、川崎Fが1点をリードして前半を折り返した。
後半開始50秒で川崎Fが追加点を奪う。エウシーニョが右サイドを個人技で突破し、グラウンダーのクロス。登里がワンタッチでマイナスに落とし、阿部が左足のダイレクトシュートをゴール左隅に流し込んだ。阿部は5試合ぶり今季通算9ゴール目。前半終了間際と後半立ち上がりのゴールで2-0とリードを広げ、試合を優位に運んだ。
2点を追う展開となった鹿島は後半11分、中村に代えてFW鈴木優磨、同16分にはレアンドロに代えてMF安部裕葵を投入。システムも前半終了間際から3バックに変更し、最終ラインは右から三竿健、DF植田直通、DF昌子源と並んだ。中盤は遠藤とMFレオ・シルバのダブルボランチで、右ワイドが西、左ワイドがDF山本脩斗。金崎の1トップで背後に鈴木と安部が位置した。
反撃に出る鹿島だが、後半20分、西のスルーパスに抜け出した安部の右足シュートはわずかにゴール左に外れる。川崎Fも後半19分にMFハイネル、同27分に小林を投入し、勝負を決める3点目を狙いに行くと、直後の後半27分だった。家長が小林とワンツーの形で右サイドを駆け上がり、ドリブルで中に切れ込んで左足を一閃。これが曽ヶ端の手を弾いてゴール左隅に吸い込まれた。
今季、大宮から完全移籍で加入した家長は7月12日の天皇杯3回戦・群馬戦(4-0)で移籍後公式戦初ゴールを決めていたが、リーグ戦では待望の今季初ゴール。ピッチ上でもベンチ前でもチームメイトにもみくちゃにされた背番号41の追加点で3-0とダメを押し、鹿島の無敗街道をストップした。
鹿島も後半42分に右サイドから三竿健のアーリークロスを鈴木がヘディングで叩き込み、1点を返すが、反撃もここまでだった。1-3の敗戦で今季の対川崎F戦は2戦2敗。昨季のチャンピオンシップ準決勝、天皇杯決勝でいずれも敗れていた川崎Fが“リベンジ”を果たす結果となった。
(取材・文 西山紘平)
昨季の借り返す“ダブル”!!川崎Fが首位・鹿島の無敗街道止める3発快勝