鹿島の元日本代表FW金崎夢生(29)が鳥栖に完全移籍することが24日、発表された。エースで10番の国内他クラブへの移籍は、25日のC大阪戦に向けたミーティングでチーム全体に伝えられた。金崎は「新しいチャレンジをしたいという強い気持ちがあった」と明かした。
最後の練習後、クラブハウスを離れる前にまず口にしたのは「楽しかった」という言葉だった。3年半はプロ入り後に一つのクラブで過ごした最長期間。「3年半いたのは充実感がそれだけあったから」。強く慰留してくれた鹿島に感謝し、「これで優磨(FW鈴木)たち若手に間違いなくチャンスが来る」と後輩を思った。
15年2月の加入以来、もたらしたタイトルは3。昨夏には神戸から破格のオファーを受けながら残留した経緯があった。「残念だが、これまで夢生が残してくれたものに感謝している」と鈴木満強化部長。大岩監督は「彼に頼らず、もう一回り二回りチーム力を上げていくためのターニングポイント」と力を込めた。
金崎放出と同時に鳥栖から韓国代表DFチョンスンヒョン(24)の加入も発表された。今週中に、さらなる補強も整う見込みだ。日本代表DF植田がベルギーへ移籍し、金崎が先発を外れたW杯中断明け後のリーグ2戦で、計9得点の好調。一方、J2降格圏の17位に沈む鳥栖は元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスを獲得したばかり。金崎とのJ最強クラスのツートップ形成で巻き返しを図る。
▼鳥栖竹原社長 トーレスも来たし、前の推進力が出れば。(移籍決定まで)時間がかかったと思います。
◆金崎 夢生(かなざき・むう)1989年(平元)2月16日生まれ、三重県津市出身の29歳。滝川二高から07年に大分へ入団。10年に名古屋に移籍し、13年からニュルンベルク。同年9月にポルトガル2部ポルティモネンセ。15年2月に鹿島へ期限付き移籍し、その後完全移籍。J1通算253試合出場54得点。今季J1では得点ランク日本人トップタイの7得点。鹿島では公式戦通算38得点。1メートル80、70キロ。
鹿島の10番金崎、鳥栖へ電撃完全移籍 「新しいチャレンジ」