Jリーグの原博実副理事長がスタジアムや視察先で見たもの、感じたことを率直な言葉で綴る『超現場日記』。11月3日には、AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦・鹿島アントラーズvsペルセポリス(イラン)を視察した。
■イランの古豪を前に魂の守備
3日の午前11時半前。東京駅のバスターミナルに到着した。県立カシマサッカースタジアム行きバス乗り場は大行列だ。
このままずっと並んでバスで行くか…。潮来インターを降りてからも渋滞がありそうだ。キックオフは15時。間に合うかどうか。そこで急遽、電車にトライすることにした。成田駅まで行き銚子駅行きに乗り換える。さらに、佐原駅で鹿島線へ乗り換えた。
カシマスタジアムに一度電車で行ってみたかった。鹿島サッカースタジアム駅には14時43分に到着した。東京駅を出てから2時間45分くらい。潮来インターの降り口からは車も大渋滞だったよう。快適な電車の旅。この選択は大正解だった。
カシマスタジアムに入る。サポーターで満員だ。本当に素晴らしい雰囲気。
キックオフ。
ではハイライトをどうぞ。
立ち上がり4分、ペルセポリスの攻撃。右サイドからのクロスに背番号70番のエース、イラン代表アリ・アリプールのシュート。そのシュートを顔面でブロックした鹿島のセンターバック、チョン・スンヒョン。気持ちの入ったプレーだった。あそこで失点していたら完全にペルセポリスのペースになったはず。
90番のナイジェリア代表ゴッドウィン・メンシャもスピードのある危険なストライカーだ。そのストライカーに対して、昌子源とチョン・スンヒョンのセンターバックの集中力が途切れない。そして、中盤の中央の2人も同様だ。レオ・シルバと三竿健斗。その4人の守備の固さ、安定感があった。
前線の鈴木優磨とセルジーニョ。中盤サイドの土居聖真、AFC U-19選手権インドネシア2018から帰国したばかりの安部裕葵。攻撃陣も全員が前線から献身的な守備に奔走する。
■レオ・シルバ、セルジーニョの技ありゴール
58分、待望の先制点が決まる。
レオ・シルバが西大伍からボールを受けるとパスアンドゴー。西にパスするかと思ったら中央にいる土居へ。レオ・シルバは土居とのワンツーパスを受けて中にドリブル。コースを狙った左足のシュートがDFの股間を抜けてゴールネットに突き刺さる。素晴らしい一連のプレーだった。
70分の2点目。
リスタートのこぼれ球を三竿がインターセプト。胸トラップしたボールをセルジーニョに浮き玉のパス。セルジーニョはそのボールをアウトサイドで逆回転をかけた技ありのシュート!
美しいゴールだった。あの場面であの逆回転のシュートを瞬間的にイメージする、そして決めるのは簡単ではない。浮き球のシュートの技術。日本人はまだまだ学ばなければいけない。
この2得点の場面。このシーンを見られただけでも満足の試合だ。35,022人の観客も大満足だったに違いない。
でも、まだ第1戦が終わっただけ。第2戦が行われるテヘラン「アザディ・スタジアム」には8万人が入ると言われている。ペルセポリスはホームでの試合に強い。
アジアチャンピオンまであと1試合。今の勢いのまま、テヘランでの試合に臨んでほしい。
帰りはJFAのACLサポートメンバーの車に同乗した。カシマスタジアムから潮来インターまでの道は大渋滞。なんでも美味しいラーメン屋さんがあるらしい。みんなで「ラーメン純輝 神栖店」へ向かう。
これは味噌野菜ラーメン。
「らーめん純輝 潮来本店」が有名だそうだ。皆さんも今度カシマスタジアムに行く時にはぜひ。カシマサポーターもたくさんいた。夕方から気温が下がり、冷えた体も芯から温まった。
10日のアウェイ、テヘランでのペルセポリス戦前の6日には、明治安田生命J1リーグ第32節、アウェイでの柏レイソル戦が控えている。厳しい日程だが、大岩監督の手腕にも期待している。
頑張れ鹿島!
アジアの頂点まであと一つ。
◆【原博実の超現場日記2018/第12回】テヘランでも頼むぞ!最後まで集中した鹿島、2-0で勝利!/ACL決勝第1戦(GOAL)