[11.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 青森山田高 1-1 鹿島ユース 青森山田高G]
非常に熱く、激しい攻防戦となった青森山田高戦。鹿島アントラーズユースの左SB佐々木翔悟(3年)は試合後、冷静に90分間の感想を口にしていた。
「きょう、このアウェーの中で人も結構いて難しい試合になると思っていた。山田は勝たないとダメで、自分たちは勝てば優勝。ここで優勝を決めるという気持ちで入ったんですけれども引き分けになってしまった。これから2試合あるので優勝を狙っていきたい」
今月1日、MF有馬幸太郎(3年)とともに来季からのトップチーム昇格が発表された佐々木は「(トップチーム昇格が)決まって自分がやらなきゃと思っていて、違いを見せなきゃというのがあります」というDFはこの日、青森山田の技巧派MFバスケス・バイロン(3年)とマッチアップ。180cm超の長身と球際の強さを兼備する大型SBは、相手の利き足である左足をケアしながら球際で迫力のある守備を見せた。
前半にイエローカードを受けたことで思い切った守備をし辛い状況に。その中で相手の“危険人物”を封じ、決定的な仕事をさせずに試合を進めていた。だが、後半41分、縦へ仕掛けたバスケス・バイロンに上げられたクロスがアンラッキーな形でゴールイン。「もっと自分が寄せてクロスを上げさせなければ失点しなかった」と振り返り、悔しさを滲ませていた。
攻撃面では相手を押し込むこと、裏返すことを狙って左足キック。いい形で前を向いた際には力強い攻撃参加と左足クロスも見せた。熊谷浩二監督もユース出身選手たちに期待していたが、プロ入り後は日本代表に招集された先輩FW鈴木優磨のように、鹿島のレギュラーに食い込むこと、そして代表入りを目指す。
常勝軍団・鹿島で1年目から大活躍する力があるとは思っていない。「1年目で成長して少しでも早く試合に絡んで勝利に貢献したい」。貪欲に成長して信頼とチャンスを掴むこと。まずはユースチームで目の前の白星を勝ち取り、タイトルを獲得してプロでの挑戦に弾みをつける。
(取材・文 吉田太郎)
◆「自分がやらなきゃ」鹿島ユースの左SB佐々木はタイトル勝ち取ってトップチームへ(ゲキサカ)