日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年4月30日火曜日

◆「強くていやらしい鹿島」はどこへ。 内田篤人の不在が響く勝負勘の乱調。(Number)



伊藤翔 Sho.Ito


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 鹿島サポーターからのブーイングが止まらない。

 平成時代最後のリーグ戦、鹿島アントラーズは横浜F・マリノスに2-1の逆転負けを喫して5位から9位に順位を落とし、首位FC東京との勝ち点差を9に広げられた。

 それにしても、スコア以上に内容に大きな差があった。

 シュート数はF・マリノス16本に対して鹿島は5本。鹿島が良かったのは先制点を奪った一瞬だけ。何度かカウンターを仕掛けるも精度を欠き、ゴールを奪えない。F・マリノスの攻撃に対応するのに体力を奪われ、後半はほぼ自陣での試合になった。

 強く、いやらしい鹿島はどこに行ったのか――。

「相手を引きこんで守って、カウンターで点を取るのが今日の狙いでした」

 右サイドバックとして出場し、キャプテンマークを巻いた永木亮太は、そう言った。

 重心を低くした守備ブロックを敷いて自分たちの前に餌をまき、相手を引き込んでボールを奪い、カウンターで仕留める。それはF・マリノスのようなチームと対峙するには理にかなった戦術だった。

安西の先制点、鹿島ペースかと思いきや……。

 実際、前半はこの戦術がうまくハマっていた。

 前半11分にカウンターから安西幸輝がゴールを決め、先制点を奪って優位に展開していたのだ。

 強い鹿島を知る人であれば、これで完全に鹿島ペース、いや鹿島の勝利だとさえったはずだ。1-0になってからの戦い方が鹿島は抜群にうまい。相手の攻めをいなし、時には泥臭く守って勝ち点3を手にする。圧倒的な勝ち方ではないが、そうしてのらりくらり勝っていくところに鹿島の強さがあった。

 ところがF・マリノス戦は、1点リードをしているのに余裕が感じられなかった。1-0からの試合の進め方がチームの中でいまひとつ徹底されていなかったのだ。

キャプテンマークを巻いた永木の見解。

 伊藤翔は「前半はこれでいいと思っていた」と手応えを感じていたという。だが、永木の見方は少し異なっていた。

「早い時間に点が取れたんで、もう少し流動的にボールを動かしながら前でタメを作って攻撃したかったです。前に相手のスペースが空いていたんで、そこに行きたい気持ちは分かるんですけど、攻撃が単調に終ってしまうシーンが多い。それ(前後に行き来する)をやっているとどんどん疲労がたまってきてしまう。もっと落ち着いてボールを回す時間があっても良かったかなと思いました」

 0-0の時点では戦術通りに試合を進められたが、リードしてからもう少しフレキシブルな対応ができれば、サイドハーフの負担が軽減されると永木は見ていたのだ。

 また、1失点目のシーンは意思統一が欠けていた。

 それまでGKは前線を狙って蹴っていたが、この失点の時はGKから犬飼智也にパスが出て、最終ラインからボールをつなごうとした。だが、サイドの安部裕葵に入ったところを3人に囲まれ、苦し紛れに出したパスを喜田拓也に拾われてそのまま失点につながった。

「この時間帯、うしろから回していくというか、ポゼッションするところではなかった。ワン(犬飼)だけじゃなく全員の意思統一が出来ていなかった」

 2点目もラインコントロールの遅れのミスから背後を突かれ、逆転された。2点とも鹿島らしからぬ失い方だったのだ。

内田離脱中は、誰が旗振り役に?

 また、ボールの出し手と受け手のタイミングが合わず伊藤が孤立、全体的にミスも多かった。永木は「基本的な技術が鹿島は高いけど、ちょっとあれっていうシーンがあった。簡単なミスが多いんで余計な体力を使ってしまう。そこは個々が考えてやっていかないといけない」と渋い表情を見せた。

 鹿島の強さは技術の高さもさることながら、ピッチ上で相手の出方や自分たちの状況を判断して戦い方を変えられるところだ。その旗振り役が例えば昨年引退した小笠原満男だったし、今でいえばドイツから戻ってきた内田篤人だ。そうして試合の流れを読める主力選手の声でチームは動きを変えるのだが、今はその内田がケガで離脱中だ。

「鹿島に怖さはなかった」

 ピッチ上でコントロールできる選手が不在の上に、選手交代も後手を踏んだ。

 前半は守備重視でプレスを掛けてカウンターを狙うため、中盤にブラジル人選手ではなく連動して守れる白崎凌兵、安部、土居聖真を置いたのは効果的だった。だが、守備にエネルギーを使っていた白崎と安部は、後半に入るとかなり疲弊していた。安部が交代したのは後半29分、白崎が交代したのは後半37分だった。

 後半、マリノスは点を取るために前掛かりになっていたので、2点目を奪い、試合を決めるためには、もう少し早い時間にレアンドロとセルジーニョを入れる選択肢もあったはずだ。直線的なスピードがある彼らの方がカウンターには適している。少なくとも、同点にされた時点で交代があってもよかった。

 試合後、F・マリノスの三好康児が「終始、鹿島に恐さはなかった。逆転できると自信を持って戦えた」と語ったが、相手にまったく恐怖感を与えられずに負けているのも鹿島らしくないだろう。

 思い返してみると、鹿島は昨年も9節まで3勝4敗2分で波に乗り切れていなかった。前年と同じことを繰り返していることも、どうにもらしくない。

「今はうまくいっていない。これで公式戦2連敗だけど、3連敗は許されない。もう後がないくらいの気持ちで試合に出ている選手はやっていかないといけない」

 永木は厳しい表情でそういった。

“いやらしい鹿島”を取り戻すには?

 試合後、水の入ったペットボトルを数本持ち、ピッチ前に出て戦った選手を待っていたのは曽ヶ端準と遠藤康だった。鹿島の伝統を知るベテランが、そういう姿勢を見せているところに救いがある。

 永木も試合終了間際、レアンドロをついた天野純を押し返すなど仲間思いの熱いところを見せた。その永木を含め、「チームのために」という意識が高い2人を起用するなり、何かしら“変化”を打ち出していくべきだろう。

 攻撃の形が作れない、複数得点を取れない、小さなミスが多い、大事なところで意思統一ができていないなど課題は多い。

 1-0で粘り強く勝ち切るいやらしい鹿島を選手は取り戻すことができるか。

 いつも鹿島は選手の力で立て直してきた。今度も選手の力が問われることになる。




◆「強くていやらしい鹿島」はどこへ。 内田篤人の不在が響く勝負勘の乱調。(Number)






◆番記者が選ぶ、平成の鹿島アントラーズベスト11! “常勝軍団”を象徴する11人はこのメンバーだ!(サッカーダイジェスト)






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【ベスト11選出理由】
 常勝を志向してきた鹿島ゆえ、タイトルを獲得したチームにいかに貢献したか、その功績を重視しながらベスト11を導き出した。監督は在任5年で6冠を手にしたオリヴェイラを推す。
【鹿島アントラーズの平成史】
 住友金属工業蹴球団を母体とする鹿島のクラブ創立は平成3年、つまり91年の10月だ。Jリーグ創設時の「オリジナル10」では唯一JSL(日本サッカーリーグ)2部からの参加で、チーム力がもっとも不安視されていた。そんなクラブを牽引したのが世界的なスーパースターのジーコだった。
 徹底的に勝負にこだわり、クラブの結束力を重視するジーコイズムが血となり、肉となり、的確な戦力補強も相まってJリーグ初年度はファーストステージの王者に輝く。96年にJリーグ初優勝を果たすと、18年のACL初制覇まで他の追随を許さない通算20冠を数えてきた。

 これまでに成し遂げてきたのは、いくつもの“史上初”だ。00年に国内3大タイトルを総なめ、07年からはJ1で3連覇の偉業を果たし、16年にはクラブワールドカップで準優勝と、歴史の扉を開いてきた。
 それでも選手を含めた関係者が一向に満足した様子を見せないのが、このクラブの伝統だ。時代の流れとともに監督や選手が入れ替わっても、掲げる目標は「全てのタイトルを獲りにいく」。脈々と受け継がれてきたジーコイズムは、今もしっかりクラブに息づいている。
取材・文●小室 功(オフィスプリマベーラ)

『サッカーダイジェスト』5月9日号(4月25日発売)では、Jリーグ厳選20クラブの平成30年史を特集。番記者が選んだ「平成ベストイレブン」のほか「平成5大ニュース」「名勝負ベスト3」などをお届けする。




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◆先発復帰でさすがの存在感も…鹿島MF三竿「今日は自分の責任」(ゲキサカ)






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[4.28 J1第9節 横浜FM2-1鹿島 日産ス]

 昨季終盤に発症したグロインペイン症候群の影響で出場時間を抑えていた鹿島アントラーズMF三竿健斗が、待望の今季初先発を果たした。持ち味のハードタックルと読みの良いインターセプトはこの日も健在。それでも追加点につながる決定機を逃し、「自分の責任」と敗責を背負った。

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では3試合に先発していたが、J1リーグ戦は試合中盤以降の起用が続いていた三竿。この日は今季8試合目の出場にして、初めてキックオフのホイッスルをピッチ上で迎え、立ち上がりから安定したパフォーマンスを発揮していた。

 ところが1-1で迎えた後半32分、途中出場のFWレアンドロがペナルティエリア右に抜け、マイナス方向への折り返しに反応した三竿だったが、シュートはGK朴一圭がストップ。その5分後に相手の勝ち越しゴールが決まったことで、後悔が募った。

「あれくらいできないと上には行けないし、僕が出ている意味はボールを奪うところ、チームを安定させるところ、勝たせるところ。あとはあのシュートを決めるところだけだったので今日は自分の責任」(三竿)。

 守備では横浜FM対策に取り組んだことで「前よりも守備の形はうまくなっていると思うので、たとえ負けたとしてもこれから先もやり続けることが大事」とポジティブな指摘も。それだけに「完全にあの場面で点を決めていればゲームが終わっていたのでそれは力不足」と最後まで自らに責任を向けた。

(取材・文 竹内達也)


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2019年4月29日月曜日

◆鹿島 前半リードも後半崩れた…今季初の公式戦連敗(スポニチ)






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明治安田生命J1第9節   鹿島1―2横浜 ( 2019年4月28日    日産ス )

鹿島は今季初の公式戦連敗を喫した。MF白崎の巧みなスルーパスからDF安西のGK股抜きゴールで1―0で折り返した前半までは良かったが、後半に一変。守備重視となり、速攻で一発を狙いたい前線の選手と守備の選手の間に生まれたギャップを横浜にうまく突かれた。24日のACL慶南戦に続いて完敗。主将マークを巻いたDF永木は「状況を変えるのは勝利しかない」と切り替えを期した。




◆鹿島 前半リードも後半崩れた…今季初の公式戦連敗(スポニチ)





◆鹿島FW安部裕葵、失点招いたパスミスの“真意”「受ける気は無くて…」(ゲキサカ)



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[4.28 J1第9節 横浜FM2-1鹿島 日産ス]

 横浜F・マリノスの同点ゴールは鹿島アントラーズMF安部裕葵のパスミスを起点に生まれた。だが、このシーンについてFW伊藤翔は「もらっても出すところがなくてミスっちゃった感じ。パスコースは周りの人が動いて2個3個作らないといけない」とチームメートの責任を指摘。果たして安部自身の見解は……。

 鹿島は後半24分、自陣右サイドでDF犬飼智也からのパスを受けた安部の横パスがMF喜田拓也にカットされ、カウンターからFW仲川輝人の同点ゴールを献上した。ところが試合後、チームの課題を「立ち位置」と分析していた伊藤は安部の責任を否定。周囲がより的確にサポートすべきだったという旨の見解を語った。

「『速いパスが来たらやりまっせ』じゃなく、『先に動いてよ』というのはずっとある。あと裏に抜ける選手が少ない。足元でボールもらいたがる。それだと相手が前向きに守備できるし、力を出しやすい。自分たちがやっていて楽なことじゃなく、相手が嫌なことをやっていかないと厳しい」(伊藤)。

 この場面について、安部本人にもプレー選択の正否を質問した。するとボールを受ける前の判断から順を追って、具体的で明確な答えが返ってきた。

「受ける気はなくて、裏のスペースを空けようかなと思って降りた。そこでボールが来た。敵が来ているのは分かっていたので、最初はワンタッチで外そうと思ったけど、それは無理かなと思ってキープしたら囲まれた。相手のボランチがプレスに来てたので、じゃあボランチのところは空いてるだろうって感覚ですね」。

 すなわち中盤に引いたのは相手のマークを引き連れ、犬飼のロングボールを引き出しやすくするため。そこで自身の思惑とは異なるパスが来てしまったという形だ。ただ、安部は犬飼のプレー選択にも理解を示した。

「みんな攻めていて後ろに人がいなくて、自分がバランスを気にして低い位置で下がってのプレーだった。攻撃のバランスがしっかりしていれば、ワン君(犬飼)がああやって持ってもそれぞれポジションを取っていると思うけど、前がかりにカウンターでエネルギー使って、カウンターは戻るまでちゃんとやらないといけないのに後ろに人がいなかった」。

「ワン君は自分の動き出しもあったと思うけど、ボールを失いたくないというか、マイボールの時間を大切にしたいという意味で僕にパスをつけてくれたと思う。僕が信頼されているからこそああいう状況でもパスをくれたので、責任を持って奪われないようにすれば良かった。僕が身振り手振りで合図するのも一つだったと思う」。

 自らに解決策を求めた20歳は、「周囲のサポート不足」も言い訳にしない。

「ピンチになればみんなも下がれるけど、ワン君が後ろで孤立した時にアクション起こせるかというと、息が上がった状態でするのはすごく難しい。自分は近いポジションにいたし、ワン君がセーフティーに蹴るのがベストだと思って、蹴るなら後ろのスペース空けないといけないと思って低い位置に降りていった」。

「もっと顔を上げられればいいけど、技術がないので。ああいう場面は敵も来ていたし、ボールを見ないとタッチが難しい。前には蹴れない、後ろもいない、最悪当てて出してマイボールのスローインでもいいかなと思って蹴ったら誰もいなかった」。場面場面を一つ一つ振り返った安部は「取られたのは僕なので、僕が悪い」と責任を背負った。

(取材・文 竹内達也)




◆鹿島FW安部裕葵、失点招いたパスミスの“真意”「受ける気は無くて…」(ゲキサカ)





◆[MIXゾーン]鹿島、ミスによる2失点で逆転負け 永木亮太が語った反省点は?(the WORLD)






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「1失点目は本当にもったいなかった」

明治安田生命J1リーグの第9節が4月28日に行われ、鹿島アントラーズが横浜F・マリノスに1-2で敗れた。

鹿島は前半11分にDF安西幸輝が先制ゴールを挙げ優位に立ったものの、後半24分にDF犬飼智也からのパスを受けたMF安部裕葵が自陣右サイドで相手に囲まれ、苦し紛れの横パスの末にボールロスト。このミスが失点の遠因となった。さらに後半37分には最終ラインの連係ミスから右サイドバックの永木亮太がひとり自陣ペナルティアーク付近に残る形となり、オフサイドをとれず。相手のFWマルコス・ジュニオールに最終ラインの背後を突かれ、逆転ゴールを奪われた。

永木はミックスゾーンで取材陣のインタビューに応じ、失点シーンを振り返っている。

「2失点目は自分のラインコントロールが少し遅れてしまったので、完全に俺のせいです。1失点目のところですが、あの時間帯は自分のなかで後ろ(自陣後方)からパスを回していくであったり、ポゼッションをしようというのは(考えに)ありませんでした。(チーム内での)意思統一というのができていなかったので、1失点目は本当にもったいなかったと思います」

鹿島は1失点目の直前に相手のコーナーキックを凌ぎ、ゴールキックでプレイを再開したものの、自陣後方から丁寧にショートパスを繋ごうという狙いが裏目に。F・マリノス陣営が再三にわたりハイプレスを仕掛けていたことをふまえると、GKや最終ラインからのロングフィードで自陣からボールを遠ざけることを優先したかったところだろう。後半の途中まで堅固な守備を披露していただけに、鹿島にとっては悔やまれるプレイとなった。




◆[MIXゾーン]鹿島、ミスによる2失点で逆転負け 永木亮太が語った反省点は?(the WORLD)





◆“毎試合の課題”語った鹿島FW伊藤翔「そこはマリノスのほうがうまかった」(ゲキサカ)



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[4.28 J1第9節 横浜FM2-1鹿島 日産ス]

 前半11分に先制しながらの逆転負け。鹿島アントラーズFW伊藤翔は昨季まで所属していた横浜F・マリノスとの対戦を「めちゃくちゃもったいない試合だった」と振り返った。エースが指摘するチームの改善点は「立ち位置の問題」だ。

「前半はバッチリだった。『これこれ!』と思っていた」。昨季は相手のユニフォームに身を包んでいた伊藤にとっても、前半の戦いぶりは前向きなものだった。前半11分の得点後は受けに回る場面も続いたが、自陣深くに引いた守備ブロックが崩される気配はなかったからだ。

 だが、果敢にカウンターを試みたサイドハーフの消耗は大きく、後半は次第に出足が鈍くなっていった。「徐々に緩くなって、行かれてはいけないところで緩くなり、向こうが攻め込んできた」(伊藤)。そうなれば相手のペース。意表を突いたカットインとロングフィードで最終ラインを崩されると、逆転の2点を献上した。

「前半の感じでこっちがブロックを引いていれば、向こうも何があるというわけではなかった。体力的な問題なのか、頭的にサボり始めたのかわからないが、ズレ始めればほころびが出始める。同点にされた後もパワーをかけないといけないけど、パワーを出し切れていない形がいくつかあった」。試合後の取材では、敗れた経過を淡々と語った。

 走り負けといってしまえばシンプル。しかし、それだけを敗因にするつもりはない。「毎試合ボールを前に運べていないので『またか』という感じだけど、一人一人の技術なのか、位置取りが悪いのか、ミスの種類はいろいろある。ただ、もっと顔を出さないと前に繋げない」と攻撃面でミスが続く現状の課題を述べる。

 必要以上のスタミナ消耗も元をたどれば、ミスが続くカウンターの応酬で走り回っていたからこそ。またそうしたミスが起きる理由は、パスの出し手と受け手の立ち位置が共有されていないからだ。「鹿島の選手は技術が低いわけじゃないので、立ち位置の問題。それはマリノスのほうがうまかった」。古巣との差に目をそむけるつもりはない。

「あと一本パス通ればというシーンは何回かあったけど、それが通らないから点も入らないし、連勝連勝で行けているわけじゃない。そこは僕としては我慢だし、もう少し受け手が出しやすいところにいればいいのか、出し手が問題なのかというところはある」。より精度の高い攻撃を実現するため、周囲にも理解を求めていく姿勢だ。

(取材・文 竹内達也)




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◆鹿島が逆転負け「先制して少し意識が後ろに」監督(ニッカン)






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<明治安田生命J1:横浜2-1鹿島>◇第9節◇28日◇日産ス

鹿島アントラーズは立ち上がりに先制しながらも、終盤に2点を許して逆転負けを喫した。

前半11分にDF安西がオーバーラップから中に切り込み先制。その後は横浜に攻め込まれる時間帯が続き、鹿島は守備を固めて集中して守ったが、パスミスから同点を許すとロングボールから逆転弾を決められた。

大岩監督は「先制したことで少し意識が後ろになってしまった」と分析。ミスが失点につながったことをふまえて「守備の原則はもう1回落とし込まないといけない」と自分に言い聞かせた。DF犬飼は「引く判断は間違っていなかったけれど、引きすぎると前に出て行く距離も長くなる。引いたときにどこまでラインを下げるか」と課題をあげた。




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◆鹿島、逆転負け 猛攻しのげず(茨城新聞)






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明治安田J1第9節最終日の鹿島は28日、日産スタジアムで横浜Mに1-2で逆転負けした。通算成績は4勝2分け3敗、勝ち点14で順位は9位に落とした。

鹿島は前半11分に敵陣でボールを奪うと、左サイドの白崎がスルーパス。後方から駆け上がった安西が抜けだしてドリブルで切り込み、GKの股を抜くシュートで先制点を挙げた。後半は自陣に押し込まれる展開が続き、24分にパスミスから失点。37分にはロングボールでゴール前への進入を許し、勝ち越し点を決められた。(岡田恭平)

▽日産ス(観衆38,561人)
横浜M 4勝2敗3分け(15) 2-1 鹿島 4勝3敗2分け(14)
0-1
2-0

▽得点経過 M 鹿
前11分
【鹿】 0-1 安西
後24分
【M】 1-1 仲川
後37分
【M】 2-1 マルコ

■鹿島・大岩監督

後半はギアを入れてもう1点取る意識でいたが、ピッチ内の選手は前へ出て行く意識が出なかった。

■鹿島・三竿

守備の時間が長かった。ボールを取った後の判断で、相手を押し込み返すことが必要だった。

■鹿島・犬飼

後半は守備で引き過ぎた分、前に出て行く時の距離が長くなった。圧力をかけきれなかった。




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◆2019明治安田生命J1リーグ 第9節(オフィシャル)






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2019年04月28日(日) 13:03キックオフ 日産スタジアム
【入場者数】38,561人 【天候】晴、弱風、 気温18.0度、 湿度25.0% 【ピッチ】全面良芝、乾燥
【主審】福島 孝一郎 【副審】西尾 英朗 【副審】勝又 弘樹 【第4の審判員】中村 太


明治安田J1 第10節 vs 横浜FM

安西の先制ゴールも後半に2失点。アウェイで横浜FMに逆転負け

アントラーズは、明治安田J1第9節で横浜F・マリノスと対戦した。前半11分に安西のゴールで幸先よく先制したアントラーズだったが、後半に痛恨の2失点。最後までゴールを狙ったが、同点には追いつけず、悔しい逆転負けとなった。


▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼



4日前、アントラーズは聖地で不甲斐ない敗北を喫した。ACLグループステージ第4節の慶南FC戦、スコアは0-1。犬飼と町田を累積警告で欠いた若き最終ラインは奮闘したが、全体の動きが重く、慶南の積極的なプレーに後手を踏む場面が目立った。後半63分に一瞬の隙を突かれて痛恨の失点を喫すると、最後まで同点に追いつけず。勝ち点を積み上げることはできなかった。

ここまで公式戦全試合に出場している安西は、「ボールをもっとスムーズに回していかないと左から攻めていけない。すごくフラストレーションが溜まった。もっと一人一人が激しく戦わないと、ACLは獲れないと思う」と危機感を募らせた。左サイドハーフで先発出場を果たした白崎は「自分たちのミスが多すぎたし、なかなかリズムも作れなかった。自分たちの距離感だったり、立ち位置だったりがもっとうまくできたと思う」と、課題を口にしていた。

反省と悔しさ、そして奮起への決意を胸に、選手たちは翌日からリーグ戦へ向けてトレーニングを再開した。下を向く時間はない。次から次へと試合はやってくる。大岩監督は「横浜FMのシステムや選手の特長を話し、いつも通り相手の分析をして、自分たちのやるべきことを整理した。相手はFWと中盤のところの流動性があるので、そこを注意していきたい」と、変則的な攻撃を仕掛けてくるであろう横浜FMへの対策を入念に確認して決戦へと備えた。

限られた時間の中で最善の準備は尽くした。アントラーズレッドの意地とプライドをかけて、平成最後の戦いに臨む。



迎えた4月28日。キックオフ2時間前に先発メンバーが発表された。ゴールマウスはクォン スンテが守る。最終ラインは右から永木、犬飼、町田、安西が入った。永木の試合開始からの右サイドバック起用は今季初めてだ。ボランチはレオ シルバと今季リーグ戦初先発となる三竿が組む。サイドハーフは右に安部、左に白崎。前線は土居と伊藤が2トップを担った。ベンチには曽ヶ端、小池、関川、レアンドロ、セルジーニョ、遠藤、金森が座る。小池はアントラーズ復帰後初のベンチ入りとなった。





横浜は朝から青空に恵まれた。スタジアムの外では、心地よい春風に吹かれてこいのぼりが泳ぐ。トリコロールが待ち受けるスタジアムに、アントラーズレッドの背番号12が続々と足を運んだ。キックオフが迫るにつれて緊張感がピッチを覆っていった。GK陣、そしてフィールドプレーヤーがウォーミングアップに姿を現すと、割れんばかりのコールが鳴り響いた。

前半立ち上がりからアントラーズは積極的に攻撃へ出る。選手間の距離に細心の注意を払いながら守備を行い、奪えば素早くカウンターを繰り出した。クォン スンテの守るゴール後方から、大声援を送るアントラーズファミリーからの後押しを受けて、横浜FMゴールに迫っていく。









すると、前半11分に歓喜の瞬間が訪れた。左サイドで白崎がタメをつくり、後方から全速力で追い越した安西へ。アントラーズ不動の左サイドバックは、スピード感溢れるドリブルでペナルティエリア内へ進入すると、倒れこみながらシュート。これがGKの股を抜き、ゴールネットを揺らした。一瞬の静寂のあと、ビジタースタンドを埋め尽くすアントラーズレッドが沸いた。是が非でも欲しかった先制点を手に入れた。



先制に成功したアントラーズは、11人全員のハードワークで横浜FMの多彩な攻撃を凌いでいった。最終ラインは相手の流動的な動きに惑わされることなく、危険なエリアを封鎖。三竿とレオ シルバは相手の隙を見逃さずに鋭い出足でボールを奪った。サイドハーフは素早いスライドで相手のウイングに自由を与えず、前線の土居と伊藤もパスコースを限定して守備を助けた。ピッチの至る所で勃発する激しい球際の勝負に勝ち、試合の流れを引き寄せた。









良い守備は良い攻撃に繋がった。ボールを奪えば、選手たちが矢継ぎ早に前線へ飛び出し、迫力のあるカウンター攻撃を繰り出した。連動した守備から素早い攻撃へ。チームの目指す形が、見事にピッチ上で表現されていった。







前半はこのまま1-0で終了。指揮官はハーフタイムに「相手のサイド攻撃に注意すること」、「ラインを押し上げて攻める時間を増やすこと」、「自分たちが攻撃している間のリスクマネジメントを徹底すること」と警戒すべきポイントを伝えた。このまま勝ち切る。その決意をもって後半に臨んだ。







しかし、後半に入るとアントラーズは一方的に押し込まれる展開となる。それでも、粘り強く耐え凌ぎ、無失点で時計の針を進めていったが、ついに69分、個の力で牙城を崩されてしまう。中盤でボールロストすると、左サイドにボールを運ばれて、最後は仲川に決められてしまった。1-1の同点に追いつかれる。





勝ち越し点を狙うアントラーズは、安部に代えてレアンドロを投入。すると76分、カウンターからビックチャンスをつかむ。左サイドの白崎から土居が裏に抜けてラストパス。伊藤翔には通らなかったが、こぼれ球をレアンドロが拾って折り返す。これに後方から勢いよく走りこんだ三竿がシュート。しかし、これは相手GKに弾かれて、ゴールには至らなかった。



試合はここから激しさを増していく。両チームとも球際で一歩も譲らず、中盤で意地とプライドをかけた戦いが繰り広げられる。











均衡を打開すべく指揮官が動いた。80分に土居との交代でセルジーニョ、82分には白崎との交代で金森を投入した。




しかし、交代直後の82分。一瞬の隙を突かれてしまう。三好からの一本の縦パスでマルコス ジュニオールに抜けだされると、ニアサイドを破るシュートを放たれて、痛恨の失点。1-2と逆転されてしまった。



反撃に出たいアントラーズだが、なかなか決定的な場面はつくれない。逆に勢いの増した横浜FMの猛攻に晒される展開が続いた。

それでも、後半アディショナルタイム。勝利を信じて諦めない選手たちは、決定的なチャンスをつくる。左サイド深くでボールを受けた安西が切り返してから、中央へ絶好のクロス。犬飼がゴール前へ飛び込んだが、倒れこみながら放ったシュートは枠を外れ、同点弾には至らなかった。









その後も、果敢にゴールを狙ったが最後までゴールは奪えず。スコアは1-2。平成最後の試合は勝利で飾ることは出来なかった。




次戦は、中4日で迎える明治安田J1第10節、ホーム清水戦だ。アントラーズレッドのビジタースタンドはブーイングで選手たちを見送った。その意味を受け止めて這い上がるしかない。令和最初のゲームは必ずや勝利を。ホームで歓喜の瞬間を迎えることだけを信じて、最善の準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・三竿が今季リーグ戦初出場
・安西が第3節湘南戦以来となる今季2ゴール目

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・相手のサイド攻撃に注意すること。
・ラインを押し上げて攻める時間を増やそう。
・自分たちが攻撃している間のリスクマネジメントをしっかり。

横浜F・マリノス:アンジェ ポステコグルー
・空いたスペースをアグレッシブに使っていくこと。
・ペナルティエリアに入っていく動きと人数を増やそう。
・短いパスを繋いで、もっと相手を動かしていこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
自分たちのやることは非常に良くできていたが、先制したことによって意識が後ろになってしまった。後半ギアを入れて、もう一つ(ゴールを)とるんだという意識でいたが、前へ出ていく意識がなかなか出なかった。

Q. 守備が良かっただけに、余裕を持ちすぎてしまったのでは?

A. 守備のところで相手にスペースを与えないことを徹底してやったので、選手たちはうまく攻めさせているイメージを持てていたと思う。だが、自分たちが攻撃に移る際の正確性だったり、余裕だったり、スペースを見つける視野だったりが足りなくて、2点目をとることよりも、守備に意識がいってしまったと思う。後半に入ってからは、自分たちがネガティブな形で守備をしようとする場面が目立ったので、その点は修正しなければならない。次の試合にはしっかり活かしていきたい。


Q. パス攻撃に対する守備はよかったが、シンプルな攻撃によってやられてしまった点については?

A.背後へのパスや、そのあとの対応、寄せの距離だったりと、守備の大前提となるところで、自分たちのミスから失点している。次戦はしっかりと分析をして、相手の強みを消したうえで、守備の原則はもう一度落とし込まないといけない。


Q.先制後、自陣から抜け出せない時間帯が続いたが、どのような打開策があったか?

A.自分たちがボールを奪ったときの相手のアンバランスな守備は、しっかり頭に入っていたし、選手にも突くべきところは伝えていた。ただ、これは同点に追いつかれるまでは、どちらかというと出来ていた。失点してからは、少しネガティブな気持ちが入り、雑なプレー、守備の距離が足りなくなることが増えてきた。その分、サイドハーフにかかる負担は大きかったので、推進力や守備から前に出ていくスピードを求めて選手交代をおこなった。


Q. すっきりしない状況が続くが、気持ちを切り替えること以外の対策は?

A.守備の原則の部分、個人の技術は、ACL慶南戦でも何シーンか課題が出た。これからコツコツと改善して、継続することが重要になる。次の試合まで時間がない分、そういうところを徹底しながら、しっかりとコンディションのいい選手を持続させていきたい。

横浜F・マリノス:アンジェ ポステコグルー
全体的に試合を見ると、勝利に値する試合ができたと思っている。アグレッシブにできていたし、チャンスも作っていた。落ち着いてやれていたと思うし、自分たちのいいサッカーができていた試合だった。


選手コメント

[試合後]

【伊藤 翔】
前半は早い時間帯で1点が入って、ある程度守備も機能していて、相手に何もやらせなかった。後半は徐々に自分たちのプレスが緩くなってきて、相手のやりたいように攻め込まれてしまった試合だった。とてももったいない試合だったと思う。

【犬飼 智也】
いい形で守れていたが、1失点目は自分たちのミスでやられた。2失点目もイージーな形だったので、悔いが残る。前半に関しては、引いた後にサイドハーフがプレスをかけにいけていたが、徐々にそれができなくなってしまった。そこが課題だと思う。

【永木 亮太】
失点するまでは守れていたのでよかったが、少し守備に体力を使いすぎてしまったかなと感じる。特に裕葵やシラのところは、守備の疲労度が高かった。そこで、攻撃にいく時の体力がなかったのかなと思う。もう少し自分たちが、ボールを保持できる時間が欲しかった。

【土居 聖真】
もったいない試合になった。1-1になるまでは我慢してカウンターと、自分たちらしい戦いだったし、相手もやりづらそうだった。追いつかれてからのゲーム運びが下手だった。流れを持っていかれたのは今日の課題。内容がいいときに負けるイメージがある。内容も結果も伴うようにしていかないといけない。

【町田 浩樹】
勝ち切らないといけない試合だったと思う。勝てなかったことが本当に悔しい。(失点の場面は)全員の意思疎通ができていなかったし、その前の段階からFKで流れが切れたときに、全員の集中が切れていた。そこは、チームとして修正していかないといけない。




◆2019明治安田生命J1リーグ 第9節(オフィシャル)

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