
日刊鹿島アントラーズニュース
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2019年7月20日土曜日
◆バルセロナに移籍した安部裕葵。20歳とは思えない“振る舞い”(bizSPA!フレッシュ)

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鹿島アントラーズは7月12日、MFである安部裕葵(20)の、スペインの名門・FCバルセロナへの完全移籍について、クラブ間合意に達したことを正式に発表した。移籍後は当面、下部リーグに所属するバルセロナBでプレーすることも伝えられている。
この移籍について、Jリーグ設立時から数多くの現場に足を運ぶスポーツライターの佐藤文孝氏が解説する(以下、佐藤氏の寄稿)。
大きな期待とピッチ上での焦り
7月に入り一気に表面化した今回の移籍については、さまざまな視線が送られてきた。とはいえ、Jリーグから世界屈指の名門への移籍という、これまでになかった形でのステップアップは多くのサッカーファンの想像を膨らませると言って良いだろう。今後、そのポテンシャルをさらに発揮していくであろう若者であれば、なおさらだ。
2018年の活躍により、Jリーグでもっとも活躍した選手に送られるベストヤングプレーヤーを受賞し、今年1月に20歳を迎えた安部にとって、2019年はプレーヤーとして飛躍の年となるはずだった。
だが、鹿島アントラーズで新たに背番号10を背負いチームの中心としての活躍が期待された今季、スタメンでの出場は少なく、後半途中からピッチを踏む機会が目立った。得点もわずかに1点にとどまり、チーム・サポーターの想いに、十分に応えられていないことは確かだ。
その中でも6月には自身初のA代表に選出され、コパアメリカの舞台にも立った。ウルグアイ戦でのスタメンを含む3試合すべてに出場し、世界最古の歴史を誇る大陸選手権において世界との距離感をその身体に刻んでいる。
コパアメリカから帰国後はクラブでの巻き返しを図るレギュラー奪還、そして同じく日の丸を身につけた久保建英、三好康児らの活躍も刺激となり、来年の東京五輪への期待も一層、膨らんでいた。
そして7月に入り聞こえてきたのはバルセロナへの移籍報道だ。自身は駆け巡る情報に対し無言を貫くも、その去就には当然のごとく鹿島サポーターのみならず、日本全国のサッカーファン、さらに海外からも注目を集めることに。
Jリーグ最後の試合で見せたプロとしての姿
事実上、安部がJリーグ最後のゲームとなった6日の対ジュビロ磐田戦。2対0でリードの後半途中から出場した安部は、サイドのポジションに位置し、ボールを受けると味方へ丁寧なパスを繋ぐなど、終始、ゲームを落ち着かせるプレーに徹し続けた。
アントラーズがそのまま勝利を挙げ、リーグ初となる通算500勝という「置き土産」を残したこのゲーム、安部の端正な顔立ちがいつも以上に引き締まった表情にも見えた。
また、この試合の以前から、すでに過熱の一途をたどっていた移籍に関する報道にも必要以上に反応せず、選手としての責任を果たす。「渦中の人」となっても周囲に流されることもなく、磐田戦終了後、スタンドからのサポーターのコールに手を振り応える姿からは真のプロフェッショナルとしての誇りを滲ませていた。
自分の言葉で周囲の思い、未来への意気込みも
安部自身は正式発表後、「いろんな葛藤があった中で皆様のサポート、声援、チームメート、スタッフがいて自分自身、このタイミングでの海外移籍という、挑戦するチャンスを与えられたと思っています」と、決定に至るまでの心境、そして周囲への感謝の気持ちをコメントで残している。
また今後に向け「絶対にチャレンジする機会だと思うし、一生の中でこういうタイミングはいつ来るかわからない。チャレンジする以外の選択肢はありませんでした」と語り、メガクラブとも例えられる新天地にも少しの迷いを感じさせない、真っすぐな思いを自分の言葉で表現している。
ピッチ内外での“極めて正しい振る舞い”
2018年末、UAEで開催されたFIFAクラブワールドカップ準決勝、レアルマドリードに1-3で敗れた試合後、ピッチ上で号泣する姿は多くのサッカーファンの胸を打った。勝利を信じ、相手が何であろうと怯むことなく向かっていくことこそ、“安部裕葵”というサッカープレーヤーの特徴であり「凄み」でもあることをその歩みの中で証明してきた。
決して確かではない未来に向けて、恐れることなく、歩みを進めようとしている勇気を持った人間の姿は、いつの時代も多くの人たちの感情を揺さぶり、背中を押す力を与えてくれる。
そして、離れていくクラブに向けて「プロのキャリアを始めるチームがこの鹿島アントラーズだったのですごく幸せでしたし、このチームが大好きでした」と語り、さらに、自身の成長した姿や良いニュースを伝えられるように日々努力していくといった、1人の若者としての意気込みもしっかりと伝えている。
日本の名門、鹿島アントラーズというクラブ史上、もっとも若くしてエースナンバー「10」を背負うことで成長を遂げた安部裕葵はピッチ内外での極めて正しい振る舞いを身につけ、世界へと羽ばたいていく。
<TEXT/佐藤文孝>

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