
日刊鹿島アントラーズニュース
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2019年10月23日水曜日
◆【天皇杯】狙うはJ1首位の鹿島斬り!社業との両立でアマ最強軍団Honda FCを支える26歳ボランチの人間力(サッカーダイジェスト)

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「入って来たときは『使えるのかな?』という選手。今ではうちの縁の下の力持ち」
アマチュア最強が前回王者を撃破した。9月25日の天皇杯全日本サッカー選手権4回戦で、JFLのHonda FC(静岡県代表)が浦和レッズ(J1)に2−0で完勝。4部相当のチームが徳島ヴォルティス(J2)、北海道コンサドーレ札幌(J1)、浦和とJクラブを破って、12大会ぶりの準々決勝に進出。快挙を心臓部で支えたのはボランチで26歳の松本和樹だ。
「懐かしい」−−。
浦和戦に向かうバスから見える埼玉スタジアム2002に松本は胸を躍らせた。そこは、埼玉の西武台高校3年次にキャプテンとしてチームをまとめ、ベスト8入りした全国高校サッカー選手権2回戦の舞台。思い出の地は選手権以来で、松本は「テンションが上がった」と目を輝かせた。
いざ、ピッチに立つと、浦和の声援の凄さに驚いた。JFL3連覇中のHonda FCでも味わうことのない熱量。だが、気圧されるどころか「特別な感じでした」と松本。力に変えてチームを舵取りし、バランスを取り続けた。危機察知能力の高さを随所で見せ、細かく指示を出しながら浦和に付け入る隙を与えず。得点、アシストと数字に表われないところでしっかりとチームの勝利に貢献した。
Honda FCの井幡博康監督は松本のプレーについて、「下手くそですね(笑)」と第一声。「ただ、入ってきた時は『使えるのかな?』という選手だったんですが、積み重ねていく中で、しっかりと自分の役割、長所、短所を理解して、チームのために働ける黒子という部分では貴重な選手。彼も理解してやっているので、今はうちの縁の下の力持ち。非常に評価できる選手」とねぎらった。
松本は「うれしいですね」と喜び、「慢心しないようにしないと」とすぐに引き締める。国士舘大を卒業後、Honda FC入りして今年で5年目を迎え「このチームに入って足下とかポジショニングとかを本当に細かく言われた。そこが染み付いてきてチーム、個人としても成長できているんじゃないか」と充実の表情。「チームの中心としてやらなきゃいけないなって自覚もある」と頼もしさは日に日に増すばかりだ。
サッカーを生業とするプロを3連破した猛者は、仕事とサッカーを両立させる。ホンダのギア加工モジュール部門に所属し、「部品を作っています。ミッションのギア担当」と松本。火、水、木曜日の朝8時から昼12時まで働き、その後に練習に励み、金曜日は午前からトレーニング。週末はJFLの試合があるため、月曜日休みとなる。仕事は手を使う作業で、「午前中はハンドしています(笑)。本当にいい環境でやらせてもらっているなって感謝の気持ちです」。
高校時代の恩師を驚愕させた“事件への対応”「オーラがあった」
実直に取り組む姿勢は変わらず、西武台高の守屋保監督は「プレーも日常生活も正しい判断ができる子」と振り返る。ヤンチャな選手もいたが「言い分を聞いて、導いてくれた」と話す。全国高校総体出場の際には、バスに試合会場と別会場へ連れて行かれる“事件”に遭遇。そこで松本は「走って行きます」と申し出た。守屋監督は「『試合ができねーよ』となってもおかしかくない。それを出させないオーラがあった。ビックリしたよ。『走ったら間に合います』って」。なんとかバスが手配でき、事なきを得た西武台は15年ぶりベスト4の躍進を見せた。
西武台の同期でJ2水戸ホーリーホックのFW清水慎太郎も「誰にも気を遣わず、モノが言えるし、言い方にもキャプテンらしさがあった」との松本評。総体4強、選手権8強になれたのは「松本がキャプテンだったのがすごく大きかった。昔からバランスを取るタイプ。派手なプレーではないが、チームには欠かせない存在」と友を語る。
水戸が天皇杯3回戦で敗れた浦和に勝ち、「松本らしいプレーをしているんじゃないか。埼スタのアウェーで勝つのは大きな意味を持つ。そこに同級生が出ているのはすごい刺激がある。頑張んなきゃいけない」。清水は10月14日のJ2リーグ柏レイソル戦で、キャリアハイを更新する今季6点目をマーク。チームは違えども、切磋琢磨の関係が続く。
Honda FCの次の相手はJ1で首位を走る鹿島アントラーズだ。10月23日に戦う鹿島には、昨年の天皇杯2回戦で1-6と完敗。松本は「ボコボコにやられたのでリベンジしないと」と雪辱を期す。「活躍を楽しみにしている」とメールを送った守屋監督の下には決意がこもる返信が届いた。その守屋監督には忘れられない、心に響いた松本の行動がある。西武台のキャプテンとなり、新チームスタート時に仲間に掛けた言葉。
「ウォーミングアップから日本一になってやろう」
今もまた、松本は日本一へと突き進む。目指すは天皇杯の頂点だ。
「優勝したいですね。笑い事かもしれないですけど、周りからしたら。でも、アマチュアの企業チームでもやれるんだってところを見せたい」
取材・文●松澤明美(フリーライター)

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