
日刊鹿島アントラーズニュース
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2020年8月11日火曜日
◆5か月ぶりに来日した“神様“ジーコが、苦境の鹿島に伝えた“巻き返し”への心構え(サッカーダイジェスト)

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勝負に徹底的にこだわる“神様”が苦境の最中にいるチームに舞い戻った。
自身の定期的な健康診断のためにブラジルに帰国していた鹿島アントラーズのジーコテクニカルディレクター(TD)が、およそ5か月ぶりに来日。世界中を巻き込む新型コロナウイルスの感染予防対策として、到着後2週間の隔離期間を経て、8月4日にチームに合流した。
トレーニングの様子を見守る鋭い眼光がそこにあった。空気の変化を、チームの誰もが感じとったことだろう。その存在感たるや、やはり常人の域をはるかに超えている。
“負けず嫌いの権化”が選手たちにまず伝えたのは「戦術云々ではなく、それ以前の心構え」だった。
「攻撃的なサッカーであろうが、守備的なサッカーであろうが、ボールをつなぐサッカーであろうが、カウンター一発を狙うサッカーであろうが、どんなスタイルを目指そうと大切なのは戦うこと。最後まであきらめない気持ちや闘争心。そういうものをピッチで表現しなければ、何も成し遂げられない」
地道で、ひたむきな努力が必ずしも結果につながるとは限らない。だが、努力し続けることを放棄してしまったらそれで終わり。不条理でもあり、条理でもある勝負の世界に長年、身を置くジーコTDの考え方はいたってシンプルだ。
結果が出ないときほど、サッカーの原点に立ち返れ――。不振脱却へのカギはここにある、と熱いメッセージを発信した。
頭のなかを少し整理しようじゃないか、とも聞こえた。
新たなスタイルを追求していくなかで、すぐにでも成果を上げたいのはやまやまだろうが、勝負事には相手がいる。いつも自分たちの思いどおりにいくわけではない。結果を意のままに操れると考えたら、それはあまりにも虫がよすぎるだろう。
勝つか、負けるか、引き分けるか。90分後に待っている結果に心を奪われすぎるのではなく、まずは自分たちのできること、やるべきこと――そこに集中しようじゃないか。
8月6日に行われたオンライン会見のなかで、ジーコTDの言葉に耳を傾けていたら、ふと、1999年の夏を思い出していた。もう21年も前の話。Jリーグの運営形式や置かれたチーム状況はまったく異なるものの、ジーコTDがいわんとすることは、あのときと変わらないな、と感じたからだ。
98年のJリーグチャンピオンである鹿島は、翌99年の1stステージ終盤からクラブワーストとなるJリーグ8連敗を喫し、混迷を極めていた。J2降格の危機に巻き込まれそうになったこともあり、ついにクラブは苦渋の決断を下す。98年のJリーグ制覇に尽力したゼ・マリオ監督を解任し、ジーコTDにチームの再建を託したのだった。
初采配となったのは99年8月28日、2ndステージ5節の磐田戦(アウェー)だ。ブラジルに一時帰国していたジーコTDは試合に合わせて来日し、スタジアムに直行するという慌ただしさだった。
結果は4-0の大勝。連敗を8で止めただけではなく、この勝利をきっかけにチームは息を吹き返していく。Jリーグと同時進行のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)では、決勝にまで勝ち上がった。
磐田戦のあと、ジーコTDはこんなふうに総括している。
「鹿島はチャンスをものにし、磐田はチャンス(二度のPK)を生かせなかった。それが勝負の分かれ目だった。ミスが多くなってしまうと、やはり勝つことは難しい」
そして、こう続けている。
「(8連敗した)ここまでの鹿島を振り返っても自分たちのつまらないミスからリズムを崩し、自滅していた。チームのためにと思い、一人ひとりが無理して動き回るとバランスを崩す原因にもなる。それぞれのポジションの役割をしっかり整理して、できるところから始めよう。難しく考えてはいけない。基本に忠実なプレーをひとつひとつ積み上げていこうと選手たちに伝えた」
他の追随を許さないJクラブ最多の20冠を誇る鹿島だが、その一方で、いく度となく窮地に立たされている。そのたびに不振の理由を探り当て、対策を練って、実行に移していく。そうやって苦難を乗り越えてきた。
クラブ史上初の最下位スタートとなったJリーグも8月8日、9節の鳥栖戦に2-0で勝利し、少し持ち直した感がある。今季初の失点ゼロゲーム。荒木遼太郎、染野唯月、和泉竜司、エヴェラウドの4人が絡んだ2点目の崩しは見事なものだった。
8月はトータル9試合と、かなりの過密日程だが、ジーコTDの啓示が“巻き返しの夏”への道しるべになるに違いない。
取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)

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