【国内(日本代表) サッカー ニュース】千葉県内で強化合宿を行っているサッカーU-23日本代表候補。今回9選手が初招集となったが、彼らにはどんな役割が期待されているのだろうか。シリーズで紹介する。今回は鹿島アントラーズの守護神、GK沖悠哉だ。
■鹿島のゴールマウスに君臨
若手GKの「抜擢」が目立った今季にあって、とりわけ印象的だったのは鹿島アントラーズのゴールを21歳のGK沖悠哉が守り続けたことだったかもしれない。なにせ、沖の後ろに控えていたのは日韓を代表するベテランGK。曽ヶ端準とクォン・スンテだったからだ。
「偉大な先輩二人がいるなかで試合に出るからには責任があるし、プレッシャーもあります。でもプレッシャーから逃げていたら鹿島で試合に出られない」
特に曽ヶ端の存在は大きかった。鹿島ジュニアユース時代に取材したときも、あこがれの存在として語っていたし、なにせ「鹿島は育成とトップのグラウンドが横にある」(沖)という環境である。「小さな頃からカシマスタジアムで試合を観てきた」。守護神と競争できる立場になって3年目の今年、ついに守護神の座を奪い取った。譲り受けたわけではなく、奪い取ったのだ。
■偉大なる先輩の跡を継ぎ…
そこから始まったプレッシャーの重さは想像できないほどだが、打ち克ってシーズンを戦い抜いた21歳に、曽ヶ端も感じるモノがあったのだろう。最終節の1週間前には引退の意思を沖に伝えていたと言う。「最終節のセレモニーで抱擁してもらって……」と語る沖の姿から、鹿島一筋を貫いた大先輩の思いをしっかり受け止めた様子が伝わってきた。
「ソガさんと3年間ずっと一緒にやってきて、技術面もメンタル面でも学ぶところが非常に大きくて、その時間は自分にとっては一生忘れることのない、かけがえのないもの」(沖)
「鹿島の守護神」として代表合宿に呼ばれた今回、森保監督の下でプレーするのは初めてだったにもかかわらず、初日から堂々とした立ち居振る舞いを見せている。「鹿島のプレッシャー」に比べれば、どうということもないということかもしれない。
GKも入ったポゼッション練習を頻繁に行っているが、そこでは特に存在感。プレシャーを詰められても、正確なキックで打開する様は堂に入っており、本人も「ビルドアップのところは手応えを正直感じている」と語るように、確実に違いを見せている。代表に残れるか残れないかはもちろん簡単に見えてこないが、少なくとも存在感はすでに残している。