日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年12月10日金曜日

◆異論は認めず!“my”ベスト11|クォン・スンテのプロフェッショナル精神は後世に伝えたい【記者の視点】(サッカーダイジェスト)






大迫の価値はむしろ高まっている





 先日のJリーグアウォーズで発表された今季のベストイレブン。それとは一線を画すような11人を選ぶとするなら、どんな顔ぶれになるか。活躍度は込みだとして、印象的なプレー、人柄、将来性、単純な好み……選定基準はなんでもアリ。報知新聞社の内田知宏記者に、独自の視点で今季の「myベストイレブン」を選定してもらった。異論は、認めない。


――◆――◆――

 
FW 大迫勇也(神戸)
欧州よりもFW起用に執着してのJ復帰。日本代表でのプレーでは、世間から衰えを指摘される年齢に入ってきたが、味方にはチャンスを、敵には守る技量を、見る側には日本人が届かないだろうと思われていた1トップ像をもたらしてくれる。日本サッカーに対する価値はむしろ高まっている。

FW 大久保嘉人(C大阪)
東京Vで振るわなかった昨季に引退せず、C大阪で戦力として働いた今季で引退。荒々しさがカードの枚数や反感につながった時代もあったが、勝負に真剣な姿勢の裏返しだと分かると、頼もしくて仕方がなかった。「結果が出なければ引退」と臨んだ今季まで、感情を揺さぶられる数少ないストライカーであり続けた。

MF 旗手怜央(川崎)
DFの選手に、守っていて何が一番嫌かと問うと「倒れない、倒せない選手」と返ってくることが多い。まさにそんな選手。低重心で相手にぶつけられても倒れない、ボールを離さない。体格に恵まれた選手よりも、そうでない選手が踏ん張る姿には勇ましさを感じ、心に刻まれる。川崎の止まらない攻守に、欠かせなかった。

MF 荒木遼太郎(鹿島)
ドリブルを始める姿勢は本山雅志のシルエット。狭いエリアでのボールタッチは香川真司をほうふつとさせる。アクシデントを含めて、変化がなければなかなかゴールが生まれない時代。プロ2年目にして、何度も作り出していた。きっと海外へと飛び立つ日も近いだろう。今のうちに目に焼き付けておきたいと思わせる選手だ。

MF 三竿健斗(鹿島)
ホーム最終節、サポーターへ向けたスピーチが印象的だった。「サッカーの初歩的なことだけを追求しても、タイトルを取り続けられるチームには、僕はなれないと思います」。真意は分からないが、相馬直樹監督の指導を批判したとも受け取れるメッセージ。発する時と場所を選べ、批判は良くないという意見もあるだろうが、鹿島には「勝てる秘訣がある」と思って移籍してきた選手の苦悩と覚悟が感じられた。これを聞いてから今季のプレーを見返すと違った見え方となる。


川崎が喫した2敗、ピッチにいなかったのは?


MF ディエゴ・ピトゥカ(鹿島)
いつもイライラしているように見えたが、ラフプレーが増えるでもなく、気持ちが切れることもなく、むしろエンジンが温まっていく。いわゆる闘将タイプで、ボールを持っていないときでも、視線を持っていかれることが多かった。今季は独走で連覇を決めた川崎の影に隠れたが、プレーの質は高く、来季はさらに警戒されるだろう。

DF 酒井高徳(神戸)
サイドバックの重要度が増すなかで、攻守でクオリティが高い。日本に初めて訪れたサイドバック充実期から少しズレていれば、日本代表のサイドバックとして歴史に名を残していたのではないか、と思わせるプレーだった。

DF 谷口彰悟(川崎)
リーグ戦で喫した2敗は彼がピッチにいない試合だった。敗戦を通しても貢献度が計り知れる。

DF ジェジエウ(川崎)
多くのクラブが言葉の問題や、攻撃に予算を使いたい考えから、センターバックの助っ人を取りたがらないが、こんな助っ人がいるなら一考しようと思い直したクラブがあるだろう。

DF 酒井宏樹(浦和)
多くの人が「なぜ今?」と思った今夏のJ復帰。大迫と同様に、彼がもたらすものは多い。特にクロス、間合いが近い守備は迫力を感じさせる。

GK クォン・スンテ(鹿島)
37歳。韓国のクラブに戻ればレジェンドとして扱われ、試合にも出られるだろうに、母国には戻らず、ずっと鹿島ベンチでチャンスを待っていた。終盤はゴールマウスに立ち、試合間隔が空いていたことを感じさせないプレーを見せた。Jリーグの優秀選手に選出されたGKも素晴らしいが、彼のプロフェッショナル精神を文字として残しておきたかった。

取材・文●内田知宏(報知新聞社)



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