日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年9月19日火曜日

◆【番記者の視点】柏ベンチの采配に「2つの誤算」それでも勝てる修正力がピッチにあった 残留前進(報知)



犬飼智也


◆明治安田生命J1リーグ▽第27節 横浜FC1―2柏(17日・ニッパツ三ツ沢球技場)

 柏は横浜FCを2―1で下し、残留を争うライバルから勝ち点3を奪った。前半に2点を奪い、後半42分に1点を返されるも逃げ切った。

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 結果論で言えば、終盤の柏ベンチの采配には「2つの誤算」があった。「2点のリードを守り切れず…」といった展開になってもおかしくなかった。

 1つは、後半36分に繰り出した5バックへの変更。井原正巳監督も「サイドの守備を明確にする意図があったが、ラインが下がりすぎてボールにいけなくなってしまった」と反省の弁を残した。最終盤の策なら効果があったかもしれないが、結果的に後半53分まで試合が続いたことを考えれば、後半36分からの5バック変更は先手を打ちすぎた。

 もう1つは、細谷真大に代わって後半27分に入ったフロートが機能しなかったこと。海外帰りの細谷のフル出場が難しく、またリードの展開で終盤を迎えることが想定できたなら、FWは2枚(守備ができるFW+フロート)をベンチに入れるべきだったし、それが不可能なら1枠はフロートではなかった。

 そして後半42分、猛攻を受けて1点を返されてしまう。サッカーで1番怖い「2―0からの2―1」。ホームの雰囲気も相まって、流れは横浜FCだった。

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 ここからのチームの立ち居振る舞いに注目した。交代5枠を使い切った中で、ピッチ上で誰が、何をするのか。終盤に追いつかれて勝ち点を落としてきたチームが、どう対応するのか。

 1点を返された直後のキックオフ直前。まず動いたのは古賀太陽。5―4―1の「4」の選手と身ぶり手ぶりを交えてコミュニケーションをとる。古賀が「静」の動きをとったことを確認した犬飼智也は「動」へ。今夏加入の身ながら、声を張り上げながら手を大きくたたき、チーム全体を鼓舞した。ジエゴは「落ち着こう」のジェスチャー。両サイドバックも犬飼の鼓舞に乗り、集中力を高めていた。

 そしてプレー再開後、負傷選手発生でアウトオブプレーになった際には、犬飼がベンチ前まで走って行き、戦術の擦り合わせを行う姿が確認できた。犬飼は鹿島時代、味方が得点した際にベンチ前まで走って水を飲みに行き、DF出身の大岩剛監督とフィーリングを合わせることが恒例だった。ベンチの考えを聞くだけでなく、時に監督に自分の考えを伝えることができる選手である。指揮官も「声で全体をまとめてくれる。守備のところで『チームとしてこうしよう』というのを伝えきれる選手がいなかった。彼はそういうところで、チームに安定感を与えてくれている」と信頼を寄せる。

 そんな光景を記者席から見ていた身としては、失点する気はしなかった。そして1点のリードを守り抜いた。終了の笛と同時に、ベンチに下がった5選手と出番のなかった2選手が歓喜の輪をつくり、大はしゃぎしていた姿が印象的だった。

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 8月の6試合を3勝3分けで終え、9月は2戦2勝でリーグ戦初の連勝。それでも犬飼は「(柏は)1つの勝利で満足するチームじゃない」と残留に向け、さらなる連勝を見据える。

 “レイソルあるある”に片足を突っ込みかけたが、ピッチ内でうまく対応し、1失点で切り抜けた。J2に落ちるチームには見えないし、天皇杯を獲ってもおかしくない。もう2か月近く負けていないので当然と言えば当然だが、今の柏はあまり負ける気がしない。(柏担当・岡島 智哉)





◆【番記者の視点】柏ベンチの采配に「2つの誤算」それでも勝てる修正力がピッチにあった 残留前進(報知)


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