プロキャリア5年目、決意の移籍となった。MF荒木遼太郎(←鹿島)はFC東京に期限付き移籍で加入。「まだ練習は始まっていないけど、環境も変わって気持ちは高まっている」とやる気をのぞかせた。
東福岡高を卒業後、2020シーズンに鹿島でプロデビューを飾った。初年度からJ1リーグ26試合2得点と結果を残し、2年目の21シーズンは36試合10得点7アシスト。城彰二氏以来史上2人目となる10代選手での2桁得点を達成した。22年は年明け早々の日本代表合宿に招集され、3年目となったシーズンで背番号10を着けるが、出場機会は減る。自身の復調を目指すべく、新天地に渡る決断を下した。
直近2シーズンで苦しんだものの、心は折れていない。「自分のプレースタイルやプレーに自信を持ってやる。それをピッチの上で、FC東京で表現できるのを楽しみにしている」と笑顔を見せる。
移籍を決断するにあたり、鹿島の大先輩・鈴木優磨には相談をしたという。「自分のプレースタイルとチームが合っているとアドバイスをしてくれた」。ピーター・クラモフスキー監督とも話したうえで、フォーメーションや指揮官のスタイルと自身のプレーが合致すると考え、今回の移籍に至った。
FC東京の選手たちとのプレーにイメージを膨らませている。「サイドに速い選手がいて、FWも裏に抜け出す選手がいる。パスを出すのが楽しくなるような選手がたくさんいる。そういった人に合わせるプレーは得意」と躍動を期待させた。
荒木はまずは試合に出ること、そして結果を残すことを強く意識する。
「試合に最近出られていないので、試合に出て思いっきりやりたいという気持ちがある。ゴールに直結するプレー、ゴールやアシストというのが持ち味。そこを見てもらいたい」
24年夏にはパリオリンピックも控える。大岩剛監督体制のU-23日本代表には2年前まで招集されていたが、クラブでの出場機会減とともに代表も遠ざかった。荒木は「代表というよりはまずチームでしっかり結果を残したい」とまずクラブでの活躍を目指す。「(パリ五輪は)少しは意識しているが、まず自分で結果を出してそこに入れれば」。淡々と、力強く、正念場の一年間に向けて躍進を誓った。
(取材・文 石川祐介)