徳田は後半追加タイムに決定機で枠を捉えられなかったことを挙げ「優勝に近づくために勝たなければいけない試合。自分が決めきれなかった部分で責任はある」と笑顔はない。将来性豊かな鹿島戦士が、伝統クラブの未来を照らす。
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◆【鹿島】17歳FW徳田誉のクラブ最年少弾で首位広島とドロー「勝たなければいけない試合」(ニッカン)
<明治安田J1:鹿島2-2広島>◇第30節◇14日◇カシマ
鹿島が、17歳FW徳田誉のリーグ初得点で首位広島に追いつき、ホームでの無敗記録を18に伸ばした。1-2の後半37分に、徳田が右足で同点弾を決めた。17歳6カ月27日でのゴールは、06年に内田篤人が記録した17歳11カ月22日を更新するクラブ最年少弾、J1歴代でも3番目の年少記録となった。広島が引き分け、町田が勝利したため、町田が首位に返り咲いた。
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鹿島の17歳が大仕事をやってのけた。1-2の後半29分から投入され、8分後の後半37分。ペナルティーエリア内でFW鈴木からパスを受けると、元日本代表広島DF佐々木を背負って反転し右足シュート。日本代表GK大迫の手をかすめ、ゴールに突き刺した。
「負けてる状況だったので、ゴールしか見てなかった。自分の中で打てる形が来たな、と迷わず打ちました」。17歳6カ月27日でのクラブ最年少弾となった。
鹿島ユース所属で、今年1月に25年シーズンからのトップ昇格内定が発表された。同時に、高校3年生の今季は、2種登録でトップチームに同行することが決定。鹿島の歴史の中で、ユースの選手がトップに同行するのは初の試みだ。日常の練習からプロの強度にもまれ、鹿島の守護神・早川とのシュート練習で技術も磨いてきた。「いつもレベルの高い選手の中でやってるので」と胸を張る。鹿島の歴史に刻む最年少弾も「自分より下の世代で、いいユースの選手がたくさんいる。いずれ抜かれるのは間違いない。意識しないでやっていけたら」と話した。
今回の引き分けで、鹿島は今季ホームで15戦無敗(9勝6分け)。昨年10月からは18戦無敗(10勝8分け)で、連覇した07~08年のクラブ記録に並んだ。貴重な勝ち点1も、徳田は後半追加タイムに決定機で枠を捉えられなかったことを挙げ「優勝に近づくために勝たなければいけない試合。自分が決めきれなかった部分で責任はある」と笑顔はない。将来性豊かな鹿島戦士が、伝統クラブの未来を照らす。【岩田千代巳】
◆徳田誉(とくだ・ほまれ)2007年(平19)2月18日、千葉県生まれ。鹿島つくばジュニア、鹿島つくばジュニアユースを経て鹿島ユースに所属。両足、頭と幅広い得点パターンで今年1月、25年シーズンからのトップ昇格が決定。今年6月の新潟戦でJ1デビュー。U-15、U-16、U-17で日本代表経験を持つ。186センチ、83キロ、利き足は右。