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[6.11 キリンチャレンジ杯 日本4-0イラク 日産ス]
司令塔としてピッチ上で絶大なる存在感を示した。ボランチの位置に入ったMF柴崎岳(鹿島)は、鋭い縦パスを何度も打ち込んで決定機を生み出し続けた。
序盤から主導権を握った日本は、前半5分に柴崎のパスから先制点が生まれる。中盤でボールを受けた柴崎が視線を前へと向けると、FW本田圭佑(ミラン)がゴールへと向けて走り出す。「本田さんがいい動き出しをしてくれたので、裏に出すだけでした」。ピンポイントのパスを右足で届けると、本田が左足でネットを揺らして電光石火の先制点が生まれた。
ボランチでコンビを組むMF長谷部誠(フランクフルト)より前目の位置を取り、より攻撃に絡んだ。「(長谷部とは)同じラインにならないように、(トップ下の香川)真司さんといい距離感を保ちながらやりたいと思っていたので、ちょっと高い位置をとりながらというのは意識していましたし、良い距離感を保てたと思います」と絶妙なポジショニングでボールを呼び込んで、攻撃をスピードアップさせる。
すると、2-0で迎えた前半32分にはFW宇佐美貴史(G大阪)へ縦パスを通すと、ボールを受けた宇佐美のラストパスからFW岡崎慎司(マインツ)のゴールが生まれた。「3点目は宇佐美の持ち味も発揮されたと思うし、いい流れでできたと思う」と一連の流れを満足気に振り返った。
その後もボールに触れては、縦パスで攻撃のスイッチを入れる。「(バヒド・ハリルホジッチ)監督の目指すサッカーの部分として、縦に入れるサッカーというのがあります。縦パスというか、攻撃のスイッチが入るパスというのは非常に重要です」と指揮官の求めるサッカーを体現。自身も「特に前半の序盤はそういう部分は出せたと思う」と手応えを感じている。
「もっとチームとしてボールをコントロールしながら、相手を崩していく場面があっても良かった」と課題を挙げつつも、「1点目を含めて、目指す攻撃の形が出せたと思うので、これがどんなレベルでも出せるようになれば攻撃の1つの形になると思う」と胸を張って答えた。
(取材・文 折戸岳彦)