日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年9月27日日曜日

◆【浦和】“西川ゾーン”に隙なし 27本も1失点、超劣勢も3連勝(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20150926-OHT1T50233.html

前半、鹿島・ダヴィ〈11〉と競り合う浦和・GK西川(右から2人目)

 ◆J1第2ステージ第12節 鹿島1―2浦和(26日・カシマスタジアム)

 年間勝ち点1位の浦和は日本代表GK西川周作(29)がシュート27本の鹿島を1点に抑え、2―1の逆転勝利に導いた。10月のW杯アジア2次予選のメンバー発表前最後の試合で、視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督(63)も、持論の「デュエル(フランス語で決闘の意)」を表現した激しい上位対決を称賛。広島は清水に5―1で大勝。第2ステージ首位を守り、2得点のFW浅野拓磨(20)は代表入りをアピールした。

 西川が鬼神のごとく鹿島の前に立ちはだかった。前へ、横へ、上へ。全身を駆使し、時には運も味方に付けた“西川ゾーン”に隙はなかった。「チームが苦しい時に、自分のプレーが助けになればと思ってやっている。GKがどれだけピンチを防げるかにトライしたかった」。シュート27本の猛攻を前半3分の失点のみで耐え、3連勝で年間首位を死守した。

 視察した日本代表のハリルホジッチ監督が求める「デュエル」を体現した。第1ステージ開幕からここまで、ほとんどの試合でボール支配率やシュート数で上回ってきたが、多くの選手が「鹿島は強かった」と認める珍しい劣勢の展開。試合後に公式記録で被シュート数を確認した西川も「27本と聞いて、ちょっとびっくりしました」と目を丸くしたほどだった。

 だが、最後方から全員の体を張った魂の守備を見守り、闘志は奮い立った。激突による鼻血で白いユニホームを赤く染めたDF槙野が、鼻に綿を6つも詰め込みピッチに立ち続ける姿も目にしていた。後半34分にはMFカイオのシュートを至近距離で止め、思い切り蹴り出したボールが鹿島側の観客席に飛び込んでサポーターと一触即発となる場面も。「故意ではなかったけど申し訳ない。興奮しても、代表選手としてやってはいけない」と猛省したが、それだけ気持ちが入っていた。

 所属先が決まらない川島永嗣(32)に代わり、日本代表の新守護神としての地位を確立しつつある。ハリル監督を「かなりデュエルもあったし、戦う試合だった。やる気に満ちあふれていた」と満足させた熱戦の主役は「(終盤に失速した)昨年の反省を生かす時が来た」と悲願の年間優勝を見据えた。戦う背番号1がいる限り、浦和に死角はない。(林 直史)

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