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J1 2nd 第12節 vs浦和レッズ
鹿島、悔しい逆転負け。ホームで浦和に屈する。
鹿島が悔しい逆転負けを喫した。J1 2nd 第12節、カシマスタジアムに浦和レッズを迎え撃つと、3分に遠藤のゴールで先制したが、6分に同点弾を喫すると、72分に逆転弾を許した。鹿島は1-2で敗れ、連勝とはならなかった。
鹿島は19日の甲府戦で、アウェイで1-0と完封勝利を収めた。決定機を生かしきれない、厳しい展開を強いられつつも、金崎が気迫のヘディングシュートを決めて勝ち点3を掴んだ。とはいえ、選手たちに納得の表情はなかった。遠藤は「守備陣に感謝しなければ」と、再三の決定機逸を悔やみ、西は「守備の重心が後ろに下がってしまったことが気に食わない」と、さらなる向上を誓った。
1週間の準備期間、シルバーウィークのクラブハウスには、連日、数多くのサポーターが詰めかけた。チーム一丸で戦う雰囲気が日々強まっていく中、石井監督が「予想以上に良いトレーニングを積めた」と振り返るほど、充実の日々を送ることができた。試合前日には、練習後にミーティングを敢行し、最終確認にも抜かりはなかった。
百戦錬磨の青木は、「チームとして戦う姿勢を示せれば、結果はついてくると信じている」と、落ち着いた様子で語った。そして指揮官は「自分たちが主導権を握る時間帯を長くしたい」と、展望。1stステージ王者撃破へ、集中力を研ぎ澄ませていった。
甲府戦からの先発メンバー変更は1人。戦列を離れていた昌子が、5試合ぶりに先発復帰した。その他、最終ラインには西と青木、山本が並び、ボランチは柴崎と小笠原の2人。2列目をカイオと遠藤、前線には金崎とダヴィが入った。そして最後尾には、曽ヶ端が立ちはだかる。
曇り空のカシマスタジアムには、朝早くから多くのサポーターが駆けつけた。今季2回目の紅き戦いに、ボルテージは否が応でも高まる。試合前から大声でのチャントが響き渡り、フィールドは熱を帯びた。
15時4分、キックオフのホイッスルが鳴った。重要な一戦のスタート、その興奮が覚めやらぬ3分、鹿島がいきなり歓喜の時を迎える。カイオが中盤からボールを持ち出し、左サイドへと展開。金崎からのパスを受け、縦へ突破したカイオがグラウンダーのクロスを送ると、反応したのは遠藤だった。得意の左足で合わせ、強烈なシュートをゴール左隅へと突き刺した。
ファーストシュートがゴールネットを揺らし、カシマスタジアムはヒートアップ。しかし3分後、痛恨の失点を喫してしまう。6分、右サイドをパス交換で崩され、最後は高木に押し込まれてしまった。互いに1本目のシュートをゴールへ結び付ける展開となり、スコアは1-1となった。
慌ただしい立ち上がりを経て、試合は次第に拮抗していく。激しいボディコンタクトの応酬となり、意地と意地がぶつかり合う好ゲームが展開されていく。そんな中、サポーターの声援を背に受けて、主導権を握ったのは鹿島だった。9分、柴崎のFKからゴール前で混戦となり、最後は山本がゴールネットを揺らしたが、その前にファウルの判定で得点は認められず。20分にはダヴィがGKと1対1になるチャンスを迎えたが、シュートは惜しくもセーブされてしまった。
前半の中盤を過ぎても、鹿島が攻勢をかけていく。23分には、小笠原の左CKからゴール前で混戦となり、最後は昌子が押し込んだものの、オフサイドの判定。またも得点は認められなかった。
その後、浦和に攻め込まれる場面はあっても、シュートまで持ち込ませない。前半終了間際には、ダヴィや金崎がペナルティーエリア内から強烈なシュートを放ったものの、惜しくもゴールを割ることはできなかった。前半は1-1で終了した。
後半も互いに拮抗した展開で、上位対決らしい締まった内容となった。最初の決定機は56分、柴崎のFKに反応した金崎が強烈なヘディングシュートを放ったが、惜しくもクロスバーを直撃。勝ち越しとはならなかった。その後も出足の速いプレスでセカンドボールを確保し、攻勢をかけたのは鹿島。62分には、遠藤の左CKから、昌子が打点の高いヘディングシュート。これは枠を越えてしまった。さらに、65分にも決定機。左サイドを巧みな突破で抜け出した山本のクロスに遠藤が左足ダイレクトで合わせたが、わずかに枠の右に外れた。
チャンスを立て続けに作りながら、鹿島は2点目を奪えない。すると分、思いがけない形から失点を喫する。右サイドから上げられたクロスに対し、昌子と曽ヶ端が反応。コースが変わったボールに対し、両者が重なる形となった。そして、曽ヶ端がボールをこぼしてしまい、興梠に蹴り込まれた。ミスが絡んだ失点で、浦和に逆転を許してしまった。
ビハインドを負い、残りは20分弱だった。鹿島は失点の2分後、金崎が強烈なミドルシュートを放ち、GKが弾いたこぼれ球に反応したダヴィが狙いすました丁寧なシュートを放ったが、ボールは無情にもゴールライン上を転がり、枠を逸れていった。
残り10分を切り、石井監督は鈴木優磨や土居をピッチに送り出して、前線の活性化を図る。後半アディショナルタイムは5分、鹿島は攻め続けたが、最後の一線を割ることはできなかった。1-2。痛恨の、そしてあまりにも悔しい敗戦を告げるホイッスルが鳴った。鹿島は27本ものシュートを放ったが、結局、決まったのは最初の1本だけだった。
G大阪と浦和を相手に喫したホームでの連敗。ヤマザキナビスコカップや天皇杯、そしてチャンピオンシップで再び彼らと対峙し、そしてリベンジを果たすことを信じて。その舞台に立つために、今日の敗戦を胸に刻み、顔を上げて再び走り始めなければならない。
次戦は1週間後、10月3日に行われるJ1 2nd 第13節のヴィッセル神戸戦だ。アウェイで迎える一戦から、鹿島は15日間で5連戦に臨む。神戸との対戦は、この試合とヤマザキナビスコカップ準決勝の2試合、9日間で3連戦だ。その初戦をモノにすることが、以降の趨勢に大きく影響することは間違いない。チーム一丸で、準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・遠藤が今季のリーグ戦6ゴール目を決めた。
・昌子がフル出場。2日のヤマザキナビスコカップ準々決勝 第1戦FC東京戦以来の復帰を果たした。
・鈴木優磨が、公式戦4試合連続の途中出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・責任をもって対象選手をマークしよう。
・前半同様、お互いに声を出して戦い続けること。
・後半も相手の速いカウンターに注意しながら、オンザボールでしっかりと自分たちの形をつくること。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
・もう少しボールを動かしていこう。
・ここからが勝負、アグレッシブに戦うこと。
・強い気持ちと冷静な判断をもって戦うこと。
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
本当にたくさんの皆さんがスタジアムに来てくれた試合で、勝ち試合を見せることができず、残念な気持ちでいっぱい。浦和を相手に引いて守るのではなく、前からボールを奪う姿勢を90分間で何度も見せることはできた。崩すかたちも何度も見せられたことには満足しているが、2失点とも簡単なミスからの失点となってしまったことは残念だ。タイトルを獲るためにはミスを少なくしなくてはいけない。これから改善していく。最後は1-2から同点に追いつき、ひっくり返したいと思っていたが、交代のタイミングが少し遅かったと今は反省している。
Q. 選手たちが積極的にプレーしている点について、何が変化したポイントか?
A. ポイントはいくつかあるが、練習から試合と同じ状況を想定してやっている。一番は自分たちが練習からしっかり取り組まなくてはいけないという姿勢を見せるようになっている。そこの積み重ね。そこがチームの最低レベルであり、球際のところはしっかりいこうと言っている。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
ゲーム内容はあまりいいできではなかったけれど、最終的には私たちが勝利することができた。前半は特に後ろからのボールの組み立てができず、自分たちの攻撃のかたちはほぼ作れなかった。早い時間で同点に追いつけたことは、非常によかった。後半は後ろを3枚にして、攻撃の組み立てがうまくいったことで、試合を落ち着けることができた。2-1とリードしてからは押し込まれる展開となり、守備的に戦わざるを得なかったが、選手たちをほめられるところは、最後まで体を張って戦ってくれたこと。しかし、内容的には不満が残る。正直に言えば、今日の試合で勝利に値する試合をしたのは鹿島の方。しかし、内容的に上回ったチームが勝利できないのもサッカーだ。
選手コメント
[試合後]
【遠藤 康】
チャンスを数多く作りながら負けてしまい、悔しい。ゴールの場面は、左サイドで良い崩しをして、後は決めるだけだった。勝ち続けないと優勝は見えてこない。どんな内容でも勝ちに行くサッカーをして、次につなげていきたい。
【昌子 源】
決定機を多く作れていたけど、自分たちのミスが響いてしまった。チームが良い流れで来ていた中で、自分が復帰した試合で負けてしまった。浦和に2度続けて逆転負けをして、本当に悔しい。
【曽ヶ端 準】
勝ち点3を取れる内容で試合を進めていた中で、あのようなプレーをしてしまった。チームに迷惑をかけてしまった。
土居選手、鈴木優磨選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。