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ナビスコ決勝トーナメント 準決勝 第2戦 vsヴィッセル神戸
鹿島、3年ぶりの決勝進出!中村と金崎、カイオが決め、ホームで神戸に快勝!
鹿島が、3年ぶりの決勝進出を決めた。ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦、ヴィッセル神戸をホームに迎え撃つと、前半に中村のゴールで先制。追いつかれて後半に入ったが、金崎の2ゴールとカイオのゴールが決まり、4-1で快勝、2試合合計6-2で準決勝を突破した。
鹿島は4日前の第1戦で、山村と赤崎がゴールを決め、2-1と先勝した。ただ、前半こそ会心の内容で2点を先行したものの、後半にはトーンダウン。守勢に回り、1点を返されてしまった。試合後の選手たちに笑顔はなく、ホームでの第2戦に向けて、気を引き締めていた。試合前々日の紅白戦やミーティングで修正点を確認し、集中力を高めていった。
中3日で迎える第2戦、鹿島はアウェイで奪ったアドバンテージを生かしつつ、いつもと同じく一戦必勝のスタンスで臨む。石井監督は「前からボールを奪いに行く形は変えない。その形でシーズンの最後まで戦いたい」と語った。赤崎は「それぞれが自分たちの仕事をしっかりとやれば、勝てる」と、チームメートへの信頼と自信を見せていた。
4日前からの先発メンバー変更は1人。センターバックの青木に代わって、ファンソッコが名を連ねた。その他の10人は第1戦と同じ顔触れで、GKに曽ヶ端、最終ラインはファン ソッコの他、西と昌子、山本が並ぶ。ボランチは山村と小笠原のコンビで、2列目には中村と遠藤、そして前線には赤崎と金崎が入った。
朝から雨が降り続いたカシマスタジアムだが、サポーターは決勝進出への思いをたぎらせていた。試合前までに雨は止み、ウォーミングアップに臨む選手たちには大きなチームコールが降り注がれた。
14時4分、キックオフのホイッスルが鳴った。鹿島は立ち上がりから神戸に押し込まれたが、曽ヶ端を中心とした守備陣がしっかりと対応し、ゴールを許さない。決勝進出のためには勝つしかない神戸の勢いを削ぎつつ、少しずつ盛り返していく。開始15分を無失点で切り抜け、ペースを掴んでいった。
そして16分、待望の先制点が生まれた。縦パスを受けて右サイドを縦へ突破した赤崎が、ゴール前を見て落ち着いてクロスを送る。待っていたのは中村だった。右足ダイレクトで冷静に仕留め、ゴールネットを揺らした。最初の決定機を確実にモノにした鹿島が、リードを奪った。
しかし、鹿島のリードは長くは続かなかった。21分、左サイド深くまで攻め込まれると、中央への折り返しから渡邉に決められ、神戸に追いつかれてしまった。スコアは1-1。ここから、神戸に攻め込まれる時間が続いた。
鹿島はなかなかセカンドボールを拾うことができず、次々と最終ラインの背後を狙ってくる神戸に押し込まれてしまう。守備のミスも絡み、決定機を与えてしまう場面もあった。しかし、最後尾に立ちはだかる曽ヶ端がビッグセーブを見せて2点目を許さず、チームを救った。
苦しい展開を強いられる鹿島は、前半45分間は低調な出来に終始した。2点目のチャンスを作れず、1-1でハーフタイムを迎えることとなった。
後半に入っても、神戸に攻勢をかけられる展開となる。それでもピンチをしのいだ鹿島は、ワンチャンスをモノにして勝ち越してみせた。53分、右CKをクリアされた流れから、ボールを前方へとつなぐと、赤崎がペナルティーエリア内からシュート。これはGKに阻まれたが、こぼれ球を金崎が押し込み、ゴールネットを揺らした。
スコアを2-1とした鹿島は、運動量が落ちた神戸に対して、主導権を握っていく。56分には、ペナルティーエリア内で粘った中村からボールを引き取る形で赤崎が持ち込み、左足シュートで枠を捉えた。65分にも、遠藤の右CKから山本がヘディングシュートを放つなど、チャンスを数多く作り出していった。石井監督はさらにゴールを陥れるべく、68分にカイオを投入。この交代は、ゴールラッシュの締めくくりを演出することとなる。
次のゴールは74分、またも背番号33によってもたらされた。山本が左サイド深くまでドリブルで持ち込むと、相手が倒れ込みながらクリアしたボールが金崎の足下へ。ペナルティーエリア内から放たれた右足シュートは、相手DFのブロックに遭いながらもゴールへと転がり込んだ。3-1。金崎のこの日2ゴール目で、鹿島がリードを広げた。
2点差をつけて迎えたラスト15分は、スペースが空いてオープンな展開となった。そして82分、1本の縦パスに抜け出したカイオがペナルティーエリア手前でボールを持つと、巧みなドリブルで2人をかわし、強烈な右足シュート。ゴール左隅へと突き刺し、勝利を決定づける4点目を記録した。
指揮官は試合終盤に豊川や梅鉢をピッチに送り出し、久々の出場機会を与えるマネジメントも見せた。試合はそのまま、4-1で終了。チーム一丸での会心の快勝で、カシマスタジアムは歓喜に包まれた。
2試合合計スコア、6-2。鹿島が2連勝で準決勝を突破し、3年ぶり9回目の決勝進出を決めた。10月31日、埼玉スタジアム2002で行われるファイナル、対峙する相手は昨季の三冠王者・ガンバ大阪だ。
そして次戦は3日後、14日にカシマスタジアムで行われる天皇杯3回戦の水戸ホーリーホック戦だ。15日間での5連戦、その4試合目となる。中2日と厳しい日程での試合が続くが、総力戦で勝利を掴みに行く。
【この試合のトピックス】
・3年ぶり9回目のヤマザキナビスコカップ決勝進出を決めた。
・今季の神戸との対戦は4回目で、3勝1敗となった。
・曽ヶ端が、ヤマザキナビスコカップ通算73試合出場を達成。歴代7位タイとなった。
・金崎が2ゴールを挙げ、今大会通算4ゴールとした。
・カイオが、ヤマザキナビスコカップ通算9試合目の出場で大会初ゴールを決めた。
・中村が、4月16日のJ1 1st 第7節の柏戦以来のゴールを決めた。
・ファン ソッコが、9月19日のJ1 2nd 第11節の甲府戦以来の先発出場を果たした。
・豊川が、9月9日の天皇杯2回戦、琉球戦以来の出場を果たした。
・梅鉢が、6月7日のJ1 1st 第15節山形戦以来の出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半、気を引き締め直して最初からしっかりと戦っていこう。
・敵陣に入ったら落ち着いてつなぎ、積極的にシュートを打っていこう。
・寄せるところと、受けるところの判断を早くしよう。
守備の部分では全体で連動すること。
ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
・攻守ともに絶対に緩めてはいけない。
・全員が攻撃の意識をもって戦おう。
・前半と同じようにクレバーに、タフにいけ!
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
神戸が全員日本人の選手を起用してきて、結束力を強くして戦ってくるのではと感じていた。やはり立ち上がりから積極的に、ディフェンスの背後を突いて押し込んできた。前半は押されてしまったが、後半は修正できて、2点目を取ったことで流れがうちにかたむいた。追加点をどんどん狙っているので、その形で4点取ることができた。ホームのファン・サポーターの皆さんの前で勝てたことは非常によかったと思う。
Q 前半背後を突かれたとき、どう見ていたか?
A 簡単に裏をとられたシーンで、動きが遅れたというか、相手に先に行かれてしまった。そこをしっかりついていこうと伝えた。前線からのプレッシャーもよくなかったと思ったので、その辺をもう一度しっかりやっていこうとハーフタイムに伝えた。
Q 前からプレッシャーがかからない時間にどうするのか? ディフェンダーがリスクをとらずにプレーすることも必要だったのでは?
A 当然、必要な部分。前から奪いに行くにせよ、しっかりブロックを引いて対応するにせよ、全体の連動性が必要。後ろから声が出ていたのか、声が出ずに前線とディフェンスラインのところが空いてしまってプレッシャーがかからなかったのか、そこがはっきりせず、押し込まれてしまったと思う。今後戦っていくうえで修正点だと思う。
Q 前半苦しいなかで若い2トップがボールを受けようと意欲を見せていた。
A今までセレーゾ監督のときは2トップを縦の関係でやっていて、僕に代わってから横並びの関係になった。お互いを意識しよう、よく見ようと練習から言っている。そこが非常にできてきていると思う。守備の献身的な動きも非常に評価するべき部分だと思う。
ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
前半のオーガナイズとしてはプラン通りにでき、選手たちもアグレッシブにプレーしてくれていい内容だった。相手を押し込み、チャンスを多く作ることもできた。後半は相手が上回った。守備を打開することができず、カウンターをくらい、カウンターの質もよかったので、こういうスコアで終わってしまった。トータルで考えても鹿島の勝利は正しい結果だったと思う。予選を自分たちの力で突破して、柏を相手に勝ちあがり、鹿島とのセミファイナル。第1戦は後半の内容がよかった。今日は逆に前半がよくて後半が上回られてしまった。敗北感はいなめない。チームとして1つのタイトルを逸してしまったが、天皇杯という大事な約束が残っているので、次の千葉戦に向けて自分たちのできることをやりつづけたいと思う。プロとして目的を持って戦い続けたい。
選手コメント
[試合後]
【金崎 夢生】
決勝に進むことができて嬉しい。G大阪にはリーグ戦で勝てていないので、借りを返したい。このチーム、このメンバーで大きな結果が出ると嬉しいので、頑張りたい。
【中村 充孝】
もっと効果的なパスを出せたという思いがあって、反省が残る。前半のあまり良くない状況を自分が変えないといけなかった。自分のゴールよりもチームの勝利が何よりの結果。
【西 大伍】
前半は、前線と後ろで守備の考え方が少しズレていた。2、3点目を取れて、守備陣も少し落ち着いたと思う。前線が点を取ってくれて、楽にしてくれた。
曽ヶ端選手、赤崎選手、山村選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。