日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年11月28日月曜日

◆“それ”ができなければ僕がいる意味はない…決勝弾演出の岡山MF矢島(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204101-204101-fl

[11.27 J1昇格プレーオフ準決勝 松本1-2岡山 松本]

 劇的な決勝点の起点となったのは背番号10だった。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、中盤でボールを受けたファジアーノ岡山MF矢島慎也は「トヨ(MF豊川雄太)が走っているのは見えたし、冷静に出せた」と相手とのタイミングをズラして前線に浮き球のパスを供給。豊川がヘディングで競り勝って中央に落とすと、走り込んだFW赤嶺真吾が左足ダイレクトでゴールを陥れ、チームは2-1の勝利を収めた。

 リーグ6位となった岡山はリーグ戦の終盤戦8試合白星なし(4分4敗)と、決して好調とは言えない状況で、プレーオフ準決勝を迎えた。しかし、矢島は「苦しんだ分、キッパリ開き直れた感じです。プレーオフに出れたのも命拾いしたようなものだったので」と意に介していなかった。

 そして、松本に押し込まれる時間帯が続いた序盤は、「元々が6位で始まっているし、割り切っていた」とブロックを敷いて相手攻撃を耐え忍ぶ。「相手陣内でプレーしたかったけど、まだそこまでできる力がない。割り切って相手攻撃を受けた」。耐える時間こそ長かったものの、前半23分には一瞬の隙を見逃さずにロングボール1本からFW押谷祐樹が先制点奪取に成功した。

 後半20分過ぎにはリードを奪われている松本DF飯田真輝が前線に上がり、同29分に1-1となってからの試合終盤には、岡山DF岩政大樹が前線に上がってパワープレーに出るなど、ロングボールが行き交う展開が多くなる。「ボールを奪った後に相手が切り替えて来る圧に負けて、逃げのクリアみたいのも多かった」と振り返った矢島だが、「僕のところに入ったら、それを確実につなごうと思っていた」と自らの持ち味を発揮しようとしていた。

 そして迎えた後半アディショナルタイムのプレー。矢島から豊川へと確実につながれたパスが起点となり、赤嶺の決勝ゴールが生まれる。「確実につなげなかったら、僕が出ている意味はない」と語った矢島は、「次ですね、大事なのは。また勝つしかない」と逆転でのJ1昇格に向けて改めて意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)

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