11月10日(金)、国際親善試合でブラジル代表と対戦し、1-3という大敗を喫した日本代表。番組レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)はこの試合を見て、日本とブラジルのある戦術の違いに着目した。それは「カウンターへの対処」だという。
日本が相手からボールを奪ってカウンターに転じ、FW大迫勇也がセンターサークル付近でボールを受けようとする際、ブラジルの守備陣はプレッシャーをかけるのではなく、ファウルで止めていたという。
「『ファウルしなくてもいいんじゃないか』っていう状況でもファウルするんです」と語る岩政は、その理由を次のように解説した。
「これはなぜかと言うと、流れを切るんですよ。FKにしてしまえばプレーが止まるので、その間に戻って自分のポジションにつき、その後にセットすれば守れますよ、ということなんですよ」
日本としては大迫にボールを当て、キープしている間に両ウイングの選手が裏のスペースを突くという形を作りたかったはずだが、大迫にボールが入った時点でファウルとなってプレーが寸断されるため、その形に持っていくことができなかった。
縦パスへの対処法について日本とブラジルの間に大きな差があるということだが、岩政はその理由を次のように解説した。
「Jリーグでは『ファウルでしか止められないのか』、『あいつファウルしちゃったよ』という見方になるんです。それがそもそもブラジルと考え方が違っている」
岩政自身、鹿島アントラーズ時代にブラジル人指揮官から指導を受けているが、縦パスを相手FWに収められただけで「ボロクソに言われた」そうで、「ファウルしなさい」と指示されたという。
「イエローカードを受けずにファウルするのも難しいんですけど、彼ら(ブラジル人DF)の体には染みついていますね。そこで止めてしまう。相手のカウンターはそこで終わり。ポジションに戻ってセットしたら、サッカーはほとんど点が入りません」と岩政。「ファウルはしてはいけないもの」と考えがちな日本と、「状況によってはやってもいいファウルがある」と考えるブラジルの間に、細かい部分ながらも大きな差があることが垣間見えた試合だった。
11月17日21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、J2リーグ最終節プレビューや日本代表親善試合ベルギー戦レビューなどが放送される。また、レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」には、ジュビロ磐田の名波浩監督が登場する。
【スカサカ!ライブ】岩政が語るブラジル人指揮官の教え「ファウルしなさい」