日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年6月27日水曜日

◆柴崎“心臓役”を自覚…チームを救った戦術眼と機転(報知)


柴崎岳 ロシアW杯

 ◆W杯ロシア大会▽1次リーグH組 日本2―2セネガル(24日、エカテリンブルク)

 日本は1次リーグH組第2戦でセネガルと2―2で引き分けた。西野朗監督(63)が途中からピッチに送り出したMF本田圭佑(32)=パチューカ=、FW岡崎慎司(32)=レスター=が得点に絡むなど攻撃的な采配がズバリとハマった。第3戦のポーランド戦は引き分けでも決勝トーナメント進出が決まるが、指揮官はあくまで勝利とトップ通過を狙う。初戦のコロンビア戦に続き、セネガル戦でもボランチで先発したMF柴崎岳(26)=ヘタフェ=が攻撃の指揮を執り、日本のW杯史上初めて2度追いついた。

 MF柴崎がボールを持つと周りが動き出す。前半34分、左サイドの相手DFの裏に長いボールを通したことが起点となり、MF乾の同点ゴールにつながった。前線に顔を出し、後半16分にはゴール前のFW大迫へダイレクトクロス。空砲に終わったが、次々とチャンスを生み出した。「納得いくパフォーマンスではない。さらにできたと思うし、まだまだ」と厳しく振り返る表情に「心臓役」の自覚が漂う。

 相手の穴を見つけ、突く。その戦術眼が武器でもある。この日も「基本的にはしっかりとつなぎながら、連係をとりながら」とポゼッションを高めて、セネガルを攻略するつもりだった。だが、序盤に「予想以上に(相手DFの)裏への配球の対応が良くない」と気づき長いボールを増やした。2度同点に追いつけたのは、柴崎の機転が利き、こぼれ球を自分たちのボールにできたことが大きい。

 新発見ではない。これまでもMF遠藤保仁(G大阪)の後継者と期待されてきたが、縁遠かった。代表から声がかかっても急性虫垂炎や急性胃腸炎で辞退。左右の第5中足骨の痛みで逃したこともある。前任のハリル時代は本職のボランチでの起用は少なかった。「気にしていない」と口では言っていたが、本心は違った。移動時はマスク着用、口に入れるものにもこだわり、ようやくひのき舞台にたどり着いた。

 「勝てれば本当に良かったですけど、W杯はそんなに甘くないなとは感じているので、勝ちにいった中での貴重な勝ち点1、最低限をもぎ取ったことをプラスに考えて、次の試合に臨みたい」。コンビを組む主将のMF長谷部も「すごく調子がいい。良いバランスでできている」と認めている。首を振ってピッチ全体を把握し、ボールを持った時にチームが動き始める。柴崎のW杯は始まったばかりだ。(内田 知宏)




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