観戦訴え まつりで告知活動 必勝祈願 鹿島神宮参拝企画
サッカーのアジアクラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝に、J1鹿島アントラーズが初めて進出した。アジア制覇はクラブだけでなく、サポーターにとっても悲願。3日午後3時から鹿嶋市神向寺の県立カシマサッカースタジアムで行われる決勝第1戦のペルセポリス(イラン)戦で最高の応援を届けようと、サポーターたちが、告知活動を展開したり必勝祈願を企画したりして備えている。
■2000枚のチラシ
「ACL決勝に進出した鹿島の応援をお願いしまーす」。10月24日に鹿島が決勝進出を決めたことを受け、27、28の両日、スタジアム周辺で開かれた「鹿嶋まつり」で市商工会青年部が急きょ、告知活動を展開した。サポーター有志も集まり、来場者に約2千枚のチラシを配るなどして観戦を呼び掛けた。
サポーターたちが今年のACLに懸ける思いは強い。告知活動は鹿島が決勝トーナメントに進出して以降、ホーム戦の前に毎回、市内で行ってきた。鹿島は国内主要タイトルで最多の19冠を誇る強豪クラブだが、ACL制覇は一度もない。千葉県流山市から駆け付けた武藤弘晃さん(29)は「今までずっと悔しい思いをしてきた。やっと巡ってきたチャンスをものにしたい」と期待を寄せる。
■深紅に染める
第1戦のチケット売り上げは好調で、当日は3万人を超える観客が集まる。スタジアムがチームカラーの深紅に染まり、大応援が繰り広げられそうだ。サポータークラブ「インファイト」の栗原直也さん(25)は「一体感のある応援をして、チームを勝たせたい」と意気込む。観戦者には赤色の服で来場することを勧め、「手拍子だけでもお願いしたい」(栗原さん)と応援参加を呼び掛けた。
一方、鹿嶋市商工会青年部は当日の「必勝ウオーキング」を企画。試合前にサポーターたちと鹿島神宮(同市宮中)に参拝し、そのままスタジアムまでの道のりをユニホーム姿で歩く。
山町浩信副部長(36)は「必勝祈願はもちろん、地域の人たちにも試合を周知したい」と趣旨を語る。同様の企画はこれまでに4回行われており、全て鹿島が勝利したという。
■ホームが大事
ACLは決勝トーナメント1回戦から決勝まで、ホームアンドアウェー方式で2試合を戦う。勝利数、得失点差、アウェーでの得点差などで勝者が決まる。鹿島は1回戦から準決勝までの3度とも、第1戦のホームで勝利。敵地での第2戦を優位に戦うことができた。
決勝も第1戦はホーム。第2戦の敵地テヘランのアザディ競技場は相手のサポーターで満員になるとみられ、鹿島の苦戦も予想される。栗原さんは「優勝するためにホームが大事」と強調。準決勝までの良い流れを維持するため声を枯らして応援するつもりだ。 (藤崎徹)
★アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)
アジアサッカー連盟主催。加盟する各国リーグの優勝チームなど32クラブが参加し、アジア王者を決める大会。日本勢は2007年と17年に浦和レッズが、08年にガンバ大阪が優勝している。優勝チームは12月にアラブ首長国連邦(UAE)で行われる国際サッカー連盟(FIFA)主催のクラブワールドカップ(W杯)出場権を得る。
◆鹿島 3日ACL決勝第1戦 サポーター 備え万全(茨城新聞)