21日の天皇杯・準々決勝で鹿島が勝ち、準決勝に駒を進めました。アジアチャンピオンとして12月にクラブW杯を戦うことになっているので、12月下旬に予定されていた天皇杯は急きょ前倒しされることが決まり、準決勝は12月5日、決勝は9日に行われます。
この変更により、たくさんの人に多大な影響を及ぼしてしまっていますが、今年はW杯があり、来年1月にはアジア杯が控えているイレギュラーな年です。加えて近年の異常な暑さから夏の連戦を減らす必要性が出てきているため、日程のやり繰りは難しかったと想像できます。
そのために二重三重に構えていたはずで、少し引いた目線で見ると、今のカレンダーでは致し方ない日程の組み方だったと思います。はからずも選手たちは国内の全日程を12月9日に終えることになりました。クラブW杯に臨む鹿島にしろ、最長でも22日にはシーズンを終え、来季に備えることができます。毎年繰り返されるいびつな日程は、ひとまず回避することになりました。
例年のケースでは、チームによって休みに入るタイミングが1か月違うことは珍しくなく、J2のクラブとは2か月近く違う時もありました。これでは翌シーズンに影響が出ない方がおかしいですし、移籍する選手たちは大変です。十分にオフをもらえなかったり、逆にオフが長すぎたりしました。
私は常々、プロの世界では全てを選手ファーストでつくるべきだという考えを持っています。選手が言い訳できない環境を用意することでレベルが上がり、レベルが上がることで環境がさらに良くなるからです。選手ファーストであれば当然、今年のような日程が望まれるわけで、時間の問題とみられながらいつまでも変わっていかない例年のやり方が、来年以降どうなっていくのか注目しています。(元日本代表DF)
◆【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】選手ファーストで理想の日程を(報知)