
日刊鹿島アントラーズニュース
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2020年1月21日火曜日
◆ジーコは新監督ザーゴに期待。 「鹿島が欲するものをすべて持っている」(Sportiva)

リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko
鹿島アントラーズの新監督としてザーゴに白羽の矢を立てたのは、テクニカルディレクターのジーコだ。そのジーコ自身の口から、そのいきさつを説明してもらった。
「ザーゴにチームを任そうと思った理由は明確だ。彼はアントラーズに欲しいものすべてを持っていたからだ。パワー、ポテンシャル、勝利、誠実さ、レベルの高いテクニックと戦術――。彼のメンタリティーは鹿島が常に目指してきたサッカーと一致する。いつでもゴールを目指し、恐れを抱かず、勇敢で、積極的なサッカー。そしてなにより、いつどんな時も勝利しか目にないことだ。それがザーゴを選んだ一番の理由だ。
この仕事をするうえで、私は常にできるだけ多くの情報に接するように心がけている。トップリーグだけでなく、3部や2部の試合、ユースの大会など、可能な限りすべての試合を観るし、できるだけ多くの選手や監督と知り合いたいと思う。そんななかで、私の注意を引いたのが昨年のサンパウロ選手権でのブラガンチーノのプレーだった。それはこれまでのサッカーとはかなり違うものだった。
私はしばらくこの新しいチームを追い続けることにし、そこにとても興味深いザーゴという監督と、そのテクニカルスタッフを見出した。彼らは非常に準備のできたプロだった。
ザーゴがピッチに描き出すサッカーは非常に興味深いもので、なにより我々鹿島のサッカーと、そして我々が目指しているサッカーと、非常に似通っていた。ザーゴのチームはとてもオフェンシブで、それこそ私が鹿島にもたらしたいと思っているものだった。
ザーゴのチームを見ていると、チームプレーの巧みさを感じる。相手にプレッシャーをかけてマークしながらも、負けるのを恐れることなく攻め続ける。目的はただひとつ。ゴールすること、勝利することだ。もしそれがうまくいかず、負けてしまっても、精神的ダメージは負わない。
常に積極的に攻め、多くのゴールを決めて勝利を目指すのが鹿島のフィロソフィーだ。そして、ザーゴはそうしたサッカーを指導するのが巧みだった。
そこで私はザーゴの人となりを知るために、彼の友人や知人とも話をした。その結果、ザーゴはテクニカル面でも、人間としても、鹿島にふさわしい監督であるという答えにたどり着いた。私はすぐにザーゴを招聘すべきだと鹿島の幹部に告げた。
もちろん、ザーゴがブラガンチーノでいい結果を出していたのは、選手たちのおかげも大いにあるだろう。しかし、鹿島にもレベルが高く、チームとしてプレーできる、勝利のメンタリティーを持った選手は大勢いる。
鹿島で私ができることはすべてした。ザーゴは皆が思っている以上の結果を、ここ鹿島で出してくれると私は信じている。また彼の強みは、すでに日本のサッカーを、日本人のメンタリティーを知っていることだ。この点は非常に重要だと思う。私はただやみくもにブラジル人監督を連れてきているわけではない。すべての面において彼が最適であると感じたからだ。
また、彼が偉大な監督ミルチェア・ルチェスク(ルーマニア代表、インテル、ガラタサライ、トルコ代表などの監督を歴任)から教えを受けたことは、あまり知られていないだろう。シャフタール・ドネツクでは、アシスタントコーチとして、ルチェスクのサッカーを間近に学んでいる。今の日本で、これほどのクオリティを持った監督を探すのは難しいだろう。プロとしてブラジル、ヨーロッパでプレーし、キャプテンを務め、多くのタイトルを勝ち取り、ブラジル代表で10年間プレーした。指導者としては小さなチームから大きなチームまで率いた経験を持ち、おまけにJリーグ(柏レイソル)でプレーしていたし、まだ50歳と若い。
ザーゴは数人のスタッフを連れてくる予定だ。そこにはおそらくフィジカルトレーナーとパフォーマンス・アナリストが含まれるだろう。鹿島もそのことを了承した。そのほかの優秀なスタッフは鹿島にそろっているし、私は情報を集めたり、仕事をやりやすいような環境を作ることで、ザーゴやそのスタッフを助けていきたいと思う。
鹿島の選手、ひとりひとりのスタイルや個性をザーゴに伝えるのも私の仕事だ。そうすれば彼はすぐに、自分がどんなチームを手にしているのか、わかるだろう。新シーズンから鹿島に加入する選手については、私も学んでいかなければならないが、とにかく私とザーゴのふたりは、誰よりも選手を知っている存在でなければならないのだ。
私はザーゴに特別な忠告などはしないつもりだ。彼のようなプロは、私に言われずとも何をすべきかがわかっているはずだ。ただひとつだけ彼に言ったのは、日本のサッカーのすべてのカテゴリーの試合や練習を、時間を作って可能な限り見てほしい、ということだ。そして日本のチームや選手について、とにかくよく知ってもらいたい。こうした情報は彼を大いに助けるはずだ。
ザーゴと前のチームとの契約問題に関しては皆が心配しているが、彼が1日も早く鹿島に来ることを待ちわびている。選手、スタッフ、チーム幹部を紹介し、できるだけ早く、彼が鹿島を我が家のように感じられるようにしたい。監督は落ち着いた環境にあってこそ、力を発揮できるものだ。彼がアントラーズというチームを知るために、私はできるだけのことをするつもりだ」

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