新型コロナウイルスの影響により、降格がなくなったことや交代枠が5人まで拡充されたこともあり、各クラブとも新人選手の活躍が目覚ましい。鹿島で言えば、高校時代に冬の選手権でも活躍した染野唯月、松村優太を抑え、その筆頭株となるのは荒木遼太郎だろう。今季公式戦での先発は5試合に留まるものの、途中出場も含めると出場試合数は20まで増加する。準レギュラー、もしくは攻撃の切り札と呼べる存在感で、ザーゴ監督が考えるサッカーにアクセントをもたらしてきた。
性格は負けず嫌い。同期4人がそろい踏みした8月12日のJリーグYBCルヴァンカップ清水戦では、染野、松村が得点したが、自分だけがゴールを決められず悔しさを残した。しかし、続く16日の明治安田J1神戸戦ではアディショナルタイムに劇的な同点弾をねじ込んだ。「自分としては同期には負けたくない」という強い気持ちをプレーで表現した。
ここ2試合、チームはいい内容のゲームを演じながら0-2で連敗。このままズルズルと順位を下げることだけは避けたい。
「チャンスはつくれている場面は多いので、決定力という部分になってくる。自分はそういう決定機になったときに、冷静になって決められるような力や判断ができればと思います」
狭いスペースでもパスを受ければ前を向き、攻撃にアクセントを加えられる。ゴールに近い位置でのドリブル、ラストパス、シュートの精度は高卒1年目とは思えない。まわりもすでにそうは見ていないだろう。ここまで決めたのは2得点。憧れの存在である柴崎岳の初年度は3ゴール。チームを救う活躍が期待されている。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命J1リーグ 第21節
10月10日(土)16:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs 横浜FC
◆【鹿島 vs 横浜FC】自他共に認める負けず嫌い・荒木遼太郎(J's GOAL)