昨季無冠に終わったJ1鹿島は2016年以来となる21冠目の国内タイトル獲得、17位に終わったJ2水戸は悲願のJ1初昇格に向け、それぞれが24年シーズンに挑む。鹿島は育成組織出身でチームを支えるFW垣田裕暉、水戸は闘志を燃やす若きセンターバック山田奈央がキーマンになりそうだ。
■J1鹿島・FW垣田 「チームのため」信念貫く
昨季、鹿島の救世主となった。シーズンの転換点となった第9節の新潟戦で勝利に導き、15位だったチームを優勝争いに加わるまでに浮上させた。育成組織出身者の「チームのために」というぶれない信念は、数々の勝利に導いた。
垣田が口にする言葉の主語はいつも「チーム」でぶれがない。試合に出ようと出まいと「アントラーズが勝つために」ということを考えてサッカーに向き合う。「(プレーの)土台はチームを勝たせることで、その上に点を取る仕事がある」という。当然、昨季の4得点という数字は「課題」と認識するが、勝ち点を積み上げる上で、果たした役割は大きかった。
前線でユニホームを汚し、周囲の選手の時間をつくる。第9節から2トップを組んだ鈴木の得点数も急増した。「極端な話、全然点を取れなくてもチームを優勝に導ければいいし、得点王になってもタイトルを取れなかったら意味がない」。鹿島の強さの根源であった精神性が息づく。「自分を犠牲にしてもいい。その中で自分の結果が伴ってくればいい」。
試合出場を重ねる中で、多くの経験と課題を得た。今季は得点に関わる「最後の精度」の向上を目標に掲げ、克服に挑む。26歳の得点数が増えることで、「優勝」の2文字は近づくはずだ。「今年は違うぞというのをキャンプから見せていく」と大暴れを誓う。
■かきた・ゆうき
1997年7月14日生まれ。群馬県出身。身長187センチ、体重78キロ。鹿島ジュニアユース-鹿島ユース-鹿島-金沢-徳島-鳥栖。昨季は29試合4得点を記録した。
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◆J1鹿島、J2水戸の若きキーマン 闘志燃やす 24年シーズン向け(茨城新聞)