[3.9 J1第3節 町田 1-0 鹿島 Gスタ]
鹿島アントラーズの失点は前半13分、日本代表MF佐野海舟のボールロストから生まれた。相手をかわせていれば局面が大きく好転するであろう果敢なプレーだったが、佐野は「俺のミスです。単純に判断ミス」と責任を背負った。
失点シーンの佐野は自陣左サイドでボールを受けた後、マンマーク気味にプレスをかけてきたMF柴戸海をいなすべく、大胆な切り返しを敢行。そこで柴戸のアプローチはうまくかわしたが、献身的なプレスバックをしてきたMFバスケス・バイロンにボールを奪われ、そこからカウンター攻撃を食らった。
試合後、自らのミスを認めた佐野は「前は向けていたのであそこで切り返す必要はなかった。成功するとチャンスになると思うけど、あれが結果的に失点になったので、あのプレーは良くなかった」と反省を口にした。
その後はボランチの一角で冷静なプレーを続け、終盤には前節・C大阪戦(△1-1)に続いてCBのポジションも担った佐野だったが、チームはノーゴールのまま試合終了。結果的に、佐野のミスで献上したゴールが相手の決勝点となった。
「相手の勢いが強かったし、それは想定していたけど、ロングスローやどんどん前に来る相手に対して、自分たちが合わせてしまった部分があった。もうちょっと冷静に間を取ってやっていけたらよかった」
そう序盤の試合運びを悔やんだ佐野は「もっとロングシュートを打たないと相手を引き出せなかった。単純なクロスもチャンスになるけどもっとボランチがシュートを打たないといけない」と町田の守備を崩せなかった自身の姿勢にも課題を見出した。
佐野にとってFC町田ゼルビアは米子北高卒業後の2019年にプロ生活のスタートを切り、一昨季までプレーしていた古巣。それでも「同じ負けでいつもこういった感情。古巣だからというのはない」と言い切った。
複雑な思いが残ったのは「失点に関与してしまった」という自身のプレーだけだ。「でもチャレンジは止めてはいけないと思うし、チャレンジはやり続けていかないと上には行けない」。最後は視座を上げつつ、奮起を誓った。
(取材・文 竹内達也)
↓佐野がカットされたシーンから