http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20140221-OHT1T00150.htm
ヴァンフォーレ甲府は21日、3月1日の山梨中銀スタジアムでの開幕戦(対鹿島)を同競技場に積もった雪の除去が困難となったため、中止にすると発表した。1日午後2時から国立競技場(東京)で行われることになった。今回の大雪の影響でチームの予定も大幅に変更されたが、城福浩監督(52)は“逆境”をプラスに変えたいと話す。主将のDF山本英臣(33)、副主将のDF佐々木翔(24)は、最善の調整を行い、勝利を山梨に届けるつもりだ。
大雪被害に見舞われている山梨県に、何ができるか。佐々木は、無力感を感じながらも、選手としての結論を出した。「僕らは、今、山梨の力になれていない。結果を残すことで、(山梨県への)気持ちを表したい」。鹿島戦がどんな状況下で開催されようと、勝ち点3は譲れないという。
宮崎・綾町キャンプに向け、3日に甲府を出発してから、地元に戻っていない。佐々木は1月に結婚した夫人(24)と連絡を取り合っているが、「実際、帰っていないので、分からないところもある。でも、僕らより山梨にいる人たちが、つらい思いをしていることは間違いない」と言う。先行きが不透明な状況が続いているが、「強い気持ちを持っていないといけない」と続けた。
スケジュールの変更を何度も経験し、タフになった。佐々木は「最初、帰れないのかという気持ちでしたが、それから帰れない日が続くことで、静岡でしっかり準備をしないといけない。一日一日を大事にしないといけないという気持ちに変わりました」と心境の変化を明かした。城福監督も「思い通りの準備ができないからこそ、自分たちのコンディションとしっかり向き合う必要がある」と付け加えた。
チームは、静岡ミニキャンプ3日目となったこの日、約2時間練習した。山本は「山梨の人たちの状況を考えたら、自分たちの状況は努力次第で何とかなる。サッカーができる環境を作ってもらっている。今、できることをやるしかないです」と汗をふく。指揮官は「アクシデントを強いモチベーションに変えるということが試されている。(この事態を)エクスキューズにせず、むしろプラスに変えたい」と言う。最善の準備を続け、最良の結果に結びつける。