日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年8月13日木曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第6節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51603

J1 2nd 第6節 vsサンフレッチェ広島

山本が値千金の決勝弾!鹿島が雨中の激戦を制し、アウェイで首位広島を撃破!



鹿島が、首位相手の大一番を制した。J1 2nd 第6節でサンフレッチェ広島とのアウェイゲームに臨むと、32分にセットプレーから山本がヘディングシュートを決めて先制。後半は追加点こそ挙げられなかったものの、広島の攻撃を防ぎ、リードを守り切った。1-0で勝利を収め、3連勝を果たした。



鹿島は7月29日のJ1 2nd 第5節で、鳥栖に3-0と快勝した。その4日前には、FC東京に2-1と勝利。石井監督就任後の2試合で、今季リーグ戦初の連勝を果たした。新体制の下、期待と不安が渦巻く2連戦を最高の形で終え、2週間のインターバルを迎えた。

ようやく腰を据えて準備を行う時間を得た指揮官は、1週目は攻撃の精度向上に努め、2週目には広島対策として守備のトレーニングに重きを置いた。明確な狙いをもった練習を重ね、「選手の取り組み方は、さらに良くなってきていると思う。自分が変えたというよりも、選手たちの意識が変わったことが大きいと思う」と、手応えを語っていた。

2ndステージ5試合を終えて、首位に立つ広島との勝ち点差は5。この直接対決は、勝ち点6の価値を持つ、まさに大一番だ。「練習の雰囲気だけ良くてもダメ。結果が伴わないと意味がない」と静かに決意を述べた石井監督は、前節から先発メンバーを4人変更。右サイドバックに西、ボランチに山村と、就任後初出場となる2人を守備陣に加えた。また、右サイドハーフに遠藤が入り、1トップには赤崎が指名された。そのほかの7人は、GKに曽ヶ端、最終ラインは西の他、ファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。もう1人のボランチには小笠原、2列目には遠藤の他、中央に金崎、左に中村が入った。

試合前から、強い雨に見舞われたエディオンスタジアム広島。平日の夜、はるばる遠方まで駆けつけたサポーターは、降り続く雨をものともしない、力強い応援で勝利への意志を示した。山村、そして1トップで先発する赤崎へのコールが繰り返され、活躍への期待と奮起を促していた。

四方を囲む山々には霧も発生し、涼しい気候となる中、19時4分、キックオフを告げるホイッスルが鳴った。試合は立ち上がりから、上位対決らしい締まった内容となる。広島にボールをキープされる時間が長くなったが、鹿島はしっかりとブロックを組み、赤崎と金崎が積極的にプレスをかけて、パスの起点に自由を与えない。





鹿島の最初のチャンスは8分だった。ペナルティーエリア右奥、ゴールライン際で浮き球のパスに反応した赤崎が、低くて速いボールを折り返す。シュート性のボールは、相手GKに足でブロックされてしまった。さらに18分には、相手の最終ラインでのビルドアップにプレスをかけ、ボールを奪う。ペナルティーエリア右手前でこぼれ球に反応した遠藤が得意の左足を振り抜いたが、シュートは枠を外れてしまった。ゴールを脅かすには至らなかったが、鹿島は「相手の背後を突くという意識で」(中村)、「プレスをかけてボールを奪いたい」(昌子)といった言葉通りのプレーで、2つのチャンスを作り出した。





開始20分頃までは、広島にボールキープを許す時間が長くなった鹿島だが、古巣との対戦となったファン ソッコが集中力を高く保ち、出足の早いパスカットとカバーリングでチームを支えた。サイドの深い位置で起点を作られてクロスを上げられる場面もあったが、ゴール前でしっかりと跳ね返し、広島に決定機を許さなかった。



25分を過ぎたあたりから、鹿島がボールキープ率を徐々に高めていった。そして32分、待望の先制点はセットプレーから生まれた。再三、敵陣での力強い突破で推進力となっていた金崎が粘って左CKを得ると、遠藤が蹴ったボールに反応したのは山本だった。打点の高いヘディングシュートがゴールネットを揺らし、鹿島がアウェイで均衡を破った。



前半のラスト15分は、雨に濡れたピッチコンディションの影響もあり、激しいボディコンタクトの応酬となった。それでも鹿島の選手たちは冷静さを失うことなく、しっかりと対応。自陣まで全速力でプレスバックした赤崎がファウルを取られる場面など、闘う気持ちを見せ続けた。前半は1点リードで終了した。



1-0で迎えた後半は、前半同様に広島のボールキープで始まった。鹿島は全選手が自陣に引いてブロックを組む時間も少なくなかったが、クロスボールやセカンドボールでの競り合いで集中力を切らすことなく、応戦していった。



鹿島は63分、広島の選手交代から間もないプレーでカウンターを受け、強烈なシュートを打たれたものの、右ポストに弾かれて事なきを得る。その直後、石井監督は山村に代えて柴崎を投入。長身を生かしたヘディングなどで相手の攻撃の芽を摘んでいた背番号4を下げ、日本代表の一員として東アジアカップを戦い終えたばかりの柴崎に、勝利への舵取りを託した。





残り30分弱は中盤にスペースが生まれ始め、オープンな展開となった。鹿島はなかなかシュートまで持ち込むことができず、逆に広島のカウンターからピンチを迎えることもあったが、「全員が最後まで身体を張ることができていた」と、選手たちが口々に振り返った通り、最後の一線を割らせることはなかった。昌子や山本が相手との激しい競り合いで痛む場面もあったが、闘う姿勢が最後まで失われることはなかった。





雨脚が強まる中、試合は最後の10分に突入した。鹿島は73分からピッチに立った土居が、積極的かつ強引なドリブル突破で前線を活性化。追加点には至らなかったが、敵陣深くでのボールキープでチームを助けた。4分と表示されたアディショナルタイムには、高さのあるダヴィを投入。前線からのプレスとセットプレーでの守備を強化し、リードを死守した。





勝利を告げるホイッスルが鳴ると、アウェイスタンドからは歓喜の叫び声が聞こえてきた。1-0。首位相手のアウェイゲームで会心のクリーンシートを達成し、鹿島が3連勝を果たした。放ったシュートはわずかに5本と、我慢の時間帯が多い試合となったが、雨の中、絶えず声を枯らし続けた背番号12とともに掴んだ、勝ち点3だった。



この勝利で、鹿島は広島との勝ち点差を2に縮めた。2ndステージ単独2位に浮上し、カシマスタジアムへと帰還する。次戦は4日後、16日のJ1 2nd 第7節、ベガルタ仙台戦だ。今夜、雨中の激戦を経て掴んだ3ポイントに真の価値を吹き込むために、中3日で迎えるホームゲームで勝利を収めなければならない。



【この試合のトピックス】
・今季のリーグ戦で初の3連勝を果たした。
・今季初めて、2試合連続の無失点試合と完封勝利を達成した。
・リーグ戦での広島との対戦は、昨シーズン以来、4試合負けなし(3勝1分)となった。
・リーグでのアウェイ広島戦は3シーズン連続負けなしで、昨季に続いての勝利を挙げた。
・山本が今季初ゴールを挙げた。リーグ戦でのゴールは、昨年8月9日のJ1 第19節、名古屋戦以来。
・西が3試合ぶりの先発入りを果たし、フル出場した。石井監督の就任後、初出場だった。
・山村が、6月27日のJ1 1st 第17節川崎F戦以来、6試合ぶりに先発出場した。石井監督の就任後、初出場だった。
・赤崎が2試合ぶりに先発メンバーに復帰した。
・植田が3試合ぶりにベンチ入りした。石井監督の就任後、初のメンバー入りだった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半も守備の意識を高く持って、試合を組み立てよう。
・戦況をしっかり見ながら、冷静にボールを動かすこと。
・チャンスがあれば、積極的にシュートを狙っていこう!

サンフレッチェ広島:森保 一
・守備は連動すること。
・攻撃はシンプルにボールを動かして行くこと。
・必ず逆転するぞ!

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日は首位の広島との試合ということで、このような展開になると思っていた。どれだけ我慢をして守備をできるか、そして少ないチャンスをモノにできるか、だと思っていた。90分間を通して、なんとか保つことができたと思う。攻撃のコンビネーションが良くなってきていて、カウンターでもいくつかチャンスを作れていた。あとは、ペナルティーエリアの中で落ち着いてプレーするというところを、もう少ししっかりやっていきたい。守備については、意識を高く持って、練習した形の通りにできていたと思う。

Q.守備の面が良くできていたと思うが、立ち上がりに前線からのプレスが相手を困らせていて、後半はブロックを敷いていた。全てゲームプラン通りだったのか?

A.立ち上がりだけでなく、チャンスがあれば前からプレスをかける形を練習していた。後半ももう少し、その形を作れればと思っていた。戦術を切り替えたのではなく、選手たちが試合の中で判断して、見極めてプレーしていた。いろいろなパスのつなぎの形を持っている相手なので、自分たちは焦れずにプレーしたいと思っていた。そういうところがあって、自陣に引く形になった。

Q.昌子選手がうまくラインコントロールをしていたと思うが、評価は?

A.守備のリーダーシップをとってほしいという話を、いつも試合前にしている。ファン ソッコ選手との連係の部分で、全ての面でコミュニケーションを取れるわけではない中で、うまくコントロールしてくれていると思う。最終ラインだけでなく、GKの曽ヶ端選手からのコーチングもあってのことだとは思うが、こういう試合を積み重ねることで自信を付けていってほしい。

Q.厳しい状況で引き受けたと思うが、就任後3連勝となった。何を一番のモットーとしているのか?

A.何度も言っているが、「戦う姿勢を最低限、見せないといけない」と、選手たちには伝えた。選手たちの意識が変わったことが一番だと思う。

サンフレッチェ広島:森保 一
この悪天候の中、たくさんのサポーターが駆けつけてくれた。ホームで応援してくれたサポーターの皆さんに勝利を届けたかった。選手たちはハードワークをしてくれたが、残念ながらサポーターの皆さんに勝利を届けられなかった。応援への感謝と、今日の試合で勝てなかったことに「申し訳ない」と伝えたい。セットプレー一発でやられた試合で、これがサッカーだと思う。攻撃の時のクオリティーが足りなかった。ゴール前でのタイミングが合わなかったり、ボールを持った時に相手のゴールを陥れるクオリティーが足りなかった。アントラーズは我々に対して粘り強い守備をしてきたが、もっと厳しい試合を制してきたと思う。優勝争いをするということは、いろいろな対策を講じてくる相手を乗り越えていかないといけないということ。タフなメンタリティーと、ピッチ上で意思統一してクオリティーを発揮しなければいけない。今日の敗戦でまた1つ、学べたと思う。しっかりとしたオーガナイズをもって試合を進めてくれたことについては、選手たちには「これを継続しよう」と伝えたいし、もっとクオリティーを上げていきたい。優勝争いのプレッシャーがかかる中で、選手たちにはそれを楽しんでほしい。優勝争いをするために日々、頑張っているので、チーム一丸で前進できるようにやっていきたい。


選手コメント

[試合後]

【小笠原 満男】
(これで3連勝だが)自分たちは全ての試合で勝たなければいけない。もっと点を取れればと思う。1-0ということで、楽に勝つことができなかったという感覚。

【山本 脩斗】
自分のゴールで勝つことができて、しかも無失点に抑えることができた。次につながる勝利だと思う。最後まで集中力を保ってプレーできたと思う。これを続けていかなければいけない。

【山村 和也】
途中交代になったことは残念だったが、チームが勝てて良かった。空中戦に自信をもってプレーできた。パスを回す部分では個人的に課題が残ったので、修正していきたい。

遠藤選手、赤崎選手、昌子選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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