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チャンピオンシップが近づいてきた。タイトルを賭けた大一番。プロサッカー選手であれば、誰もが出場し、自身の活躍でチームを勝利に導くことを夢見るものだろう。しかし、他の公式戦と同じように同時にピッチに立てるのは11人まで。ベンチ入りできる選手を含めても18人しかメンバーに選ばれない。現在、29人の選手が登録されている鹿島において、11人の選手がメンバーにも入れないことになる。
19、20、21日と石井正忠監督は川崎Fを想定した戦術練習を行ってきた。先発が想定される選手、ベンチ入りが想定される選手、いずれにも該当しない選手、その色分けは誰の目にも明らかだが、チームは一体感を失わずに戦うことができている。21日に行われた紅白戦では、むしろ川崎F役を演じた控え組の方が良いパフォーマンスと思えるほど、試合への出場機会がないかもしれない選手たちのモチベーションも高かった。
「練習でも腐る人がいないことが大事」
そう言ったのは、自身も長い“下積み生活”を経験した遠藤康(写真)だ。主力としてポジションを掴んだのは5年目のシーズンから。07年に加入したチームは、3連覇を成し遂げた選手たちが揃っており、その壁は分厚かったが、チームとして戦うためにはなにが必要なのかよくわかっている。だからこそ、この日、控え組が見せたパフォーマンスに対して感謝を述べていた。
「普段、試合に出てない選手が紅白戦でああやってくれる。僕ら主力組がそれに負けないようにしないといけないんだけど、全員が“川崎Fに勝ちたい”という気持ちを持つことが大事になると思います」
控え組からのスタートとなった伊東幸敏は、「鹿島だからこそ、じゃないですか」と胸を張る。
「ここまで来たら、試合に誰が出るとかじゃなく、チーム全体の一体感が大事になると思ってます。みんなで同じ方向に向かって、勝ちたいという気持ちを出す。そういう雰囲気のチームが勝つと思います」
鹿島は鹿島らしく、ファミリー全体で決戦に挑む。
文:田中滋(鹿島担当)
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