【No Ball,No Life】つまらないサッカーとは、こういう試合をいうのだろう。日本は、先日の東アジアE-1選手権で“宿敵”韓国にホームで1-4と歴史的な大敗を喫した。スコアもさることながら、試合内容のひどいこと。
1対1の局面に勝ってボールを奪い、縦に速い攻撃で相手のDF裏を突く戦い方をハリルホジッチ監督は強調する。しかし、それ一辺倒で単調な攻めに陥ってしまうのが今の日本の課題だ。「監督はDFの裏を狙えというけれど、相手が退いてしまい裏にスペースがなかった」というようなコメントをよく聞いた。
ならば、自分たちで考えて他の方法を探ればいいのにそれをしない。ユース世代ならともかく、A代表のいうセリフとは思えなかった。
緩急、揺さぶり、意表を突くパスやドリブルが皆無なサッカーは見ていて眠気に誘われる。相手も日本のやることは分かっているから、DF裏を狙う一発のパスを警戒していればよい。そもそもこの試合はファイティングスピリットに欠けていた。ピッチから伝わってくる熱量もなし。サポーターからブーイングを浴びて当然だ。
ハリルホジッチ監督は井手口(G大阪)、山口(C大阪)、今野(G大阪)というボール奪取に優れたMFを中盤に置きたがる。やはり、そこに1人はピッチ内で指揮をとれるゲームメーカーを置きたい。2-1で勝ったE-1の中国戦は大島(川崎)がその役を担っていた。残念ながら負傷で前半のうちに途中交代したが、うまくボールを散らし、味方の攻め上がりを促していた。
遠藤保仁(G大阪)の後継者は誰かという議論は最近あまり聞かなくなったが、気づけばいまだに見つかっていない。大島のほかには、柴崎(ヘタフェ)らが候補に挙がるのだろう。
代表の来季の年間スケジュールが発表され、3月は欧州で2試合の強化マッチ(相手未定)が組み込まれた。W杯1次リーグH組で対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドを想定した相手とテストマッチを行い、W杯のメンバー候補を30人に絞り込むという。
Jリーグやアジア相手とは次元が異なる寄せの圧力の中、大島や柴崎がどの程度持ち味を発揮できるのか、この2試合で確認しておきたい。
ハリルホジッチ監督が目指す方向性は間違っていないと思う。4年前のブラジルW杯のチームに比べれば、中盤でボールを奪って速く攻め、シュートまでいくシーンは格段に増えた。監督は来季に向けた会見で「代表に必要ないくつかのピースを集めたい」と語った。そのピースが入ることで、停滞感が払しょくされると思いたい。(浅井武)
遠藤の後継者は大島か柴崎か? ハリルJに指揮執れるゲームメーカーを!