
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年5月5日土曜日
◆鹿島の窮地を救うのは、鈴木優磨!? 「ブーイングがないのは心に来る」(Number)

ピッチの中と外で、これほど表情が異なる選手も珍しい。
ピッチの中では、最前線から相手DFを追いかけてチェイシング、マイボールになればポストプレーで起点となり、ときに大きなサイドチェンジを届ける。ゴール前では、頭でも体でもなんとかシュートまで持っていって貪欲にゴールを目指す。
その存在感は、今季の出場数にも表れる。公式戦17試合を終えた時点で、すべての試合に出場。そのうち15試合でスタメン出場し、今やチームにとって欠かせない存在に成長した。
金髪ガニ股、相手DFに詰め寄られても、詰め寄り返す負けん気の強さ。その一方で、ピッチを離れれば、周囲からこう言われることが多いという。
「意外と普通なんですね」
鹿島ユース時代、熊谷浩二監督に“当たり前のことを当たり前に”と厳しく指導されたことが、ピッチ外でも真摯にサッカーへ取り組む姿勢に表れていると言えるだろう。
「ピッチ上と同じだったら、俺、やばい人ですよね」
それについて、今年22歳を迎えた背番号9は、はにかみ笑う。人は意外な一面に惹かれるものである。
幼稚園のサッカー教室で才能を見出され。
鈴木優磨は千葉県銚子市で生まれ、幼稚園からサッカーを始めた。
幼稚園のサッカーの時間に、短期で研修に来た先生にサッカーを教わる機会があった。帰り支度をしていると、その先生に母が呼び止められた。
「この子は才能がある。サッカーを続けた方がいい」
小学校へ上がるとその言葉通り、アントラーズのスクールに入ってサッカーを続けた。3つ上の兄(鈴木翔大・ソニー仙台)とともに、片道1時間をかけて鹿嶋に通った。送り迎えは主に祖父母だった。
「今思えば、本当に大変だったと思う。兄がいたからとはいえ、やっぱり遠いじゃないですか。それを毎日送り迎えしてくれて。本当に感謝しています」
王様だった子ども時代から、初めての挫折。
練習がある日もない日も、いつもボールを蹴った。小さいころからボールを離さないドリブラー。「とにかくボールを持つのが好きだった」から、ボールを持てばいつもゴールまでドリブルで進んだ。
「王様だった。小6のとき、全国大会のベスト16の試合では5人抜きしてゴールを決めたこともあります」
スクールからジュニア、ジュニアユース、ユースと順調にステップアップした。ユースに上がっても、変わらずエースとして活躍し、高校2年の終わりにトップチームのキャンプに参加。意気揚々と参加したが、待っていたのは初めての挫折だった。
「サッカーやっていて、こんなの初めて。終わった、と思いました。何も通用しなかった。どうやっても差は埋まらない。プロになるのは無理だと思った」
ユースからともに参加していた田中稔也(現鹿島)と「早く帰りたい」とぼやき合い、苦しい日々を過ごした。
サッカー観もいつしか「みんな」に。
ここで鈴木はプロの道を諦めなかった。キャンプ後、とにかく必死で練習した。また、サッカーへの意識も「自分1人でやっている王様」から「みんなで戦って勝利を目指す」という考えに変わった。
そして2015年にトップへ昇格。新加入会見では熊谷ユース監督をはじめ、周りで支えてくれた家族、これまで指導してくれたアントラーズアカデミーの監督やコーチへ感謝の言葉を繰り返した。
プロ入り後は天性の勝負強さで、今の位置まで上り詰めてきた。
1年目から2ゴールを挙げる。初ゴールは'15年9月12日J1セカンドステージ第10節のガンバ大阪戦。0-2のビハインド、残り16分の場面で登場してカイオのクロスを頭で流し込んだ。2ゴール目は同14節の柏レイソル戦で、残り7分の場面で登場して終了間際に左足でゴールを決め、3-2の劇的な逆転勝利の主役になった。
2年目には、いきなり開幕戦でG大阪を相手に決勝ゴールを挙げて、勝負強さを見せつけた。2年目にして31試合8ゴール。高卒新人2年目での8ゴールは、日本代表にも選出されW杯にも出場した柳沢敦以来の、クラブトップタイ記録だった。シーズンクライマックスとなるチャンピオンシップ第2戦では、決勝点へとつながるPKも獲得した。
C・ロナウドのドキュメンタリー映画は8回観た。
その活躍はクラブW杯へ続いていく。アトレティコ・ナシオナルとの準決勝では、チームを決勝進出に導くゴールを挙げ、両腕を広げるクリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンスを披露して、世界中から注目された。
「僕自身、大好きな選手。クラブW杯はテレビで見ていた世界で、その舞台に出場して、憧れの選手と対戦できるなんて、ものすごいことですよね。彼はいつもチームを勝利に導くゴールを決めている。僕も大事な場面で結果を残せる選手になりたい」
C・ロナウドは、ドキュメンタリー映画『RONALDO』を8回も観るほど大好きな選手だ。
「派手なイメージがあるけど、とんでもない努力をしている。そうでないとあそこまで活躍はできない」
派手な活躍やパフォーマンスだけでなく、プロフットボーラーとして最大限の努力を怠らない。今も目指す憧れの選手の1人だ。
海外のサッカーをフルで見る。
研究熱心な男である。日々、より良いサッカーを見て学ぶことを欠かさず、特に「プレミアリーグをよく見る」。結果を知っていても、90分すべて見るタイプだ。
「よく結果を知ってしまったら試合を見れないという人もいますよね。でも、僕は違います。結果を知っていても、90分を見る。結果だけではなく、その90分には濃密なプレーが詰まっているんです。ひとつひとつのプレーが勉強になる」
ビッグゲームがあれば、睡眠を優先して朝ごはんのときにダイジェストだけチェック。結果は知っていても、どんな内容だったのか、時間を作って落ち着いてテレビで見返すという。
最近、注目している選手はハリー・ケイン(トッテナム)だ。
「なんでもできるのがすごい。ポストプレーもミドルシュートもFWとして必要なプレーすべてができている。僕自身、見習っていきたいと思っています」
今シーズン、特に意識しているのは体のキレだ。
「昨季は、パワーをつけようと思って筋トレをやった。とにかく当たり負けしない体を作ることを意識していました。でも、昨年は最後の最後に本当に悔しい思いをしましたから。結果を残せなかったのはすごく悔しかった。それがあってというわけではないですけど、何か変えようと思って、今年のオフはずっと体を動かしていました。今年はキレを意識しています」
チームを救うゴールを自分で。
昨季終盤には出番を失い、チームとしても最後の最後でリーグ優勝を逃した。
「変わらなければ次にはいけない」
その思いが行動につながり、プレーとして表れた。ゴリゴリのドリブル、圧倒的な個人技で相手を打開するC・ロナウドに、万能型FWハリー・ケインを理想像に加えて、鈴木は変わった。ゴール前で仕事をするだけでなく、サイドで起点になったり、相手をタイミングで抜いてPKを奪ったり。今年はさらに存在感を増している。
今、チームは不調のときを迎えている。そんなときこそ、チームを救うゴールを取りたいと強く思う。
「これだけ結果が出ていないのは本当に申し訳ない。サポーターの皆さんは負けた後でも、力強くアントラーズコールをしてくれている。ブーイングがないのは心に来るんですよね。本当に感謝しかない。早くみんなで喜びたい」
小さい頃からゴール裏でアントラーズの試合を見てきた。アントラーズサポーターの熱さは誰よりもわかっている。ゴールを決めれば真っ先にゴール裏へユニフォームのエンブレムを指し示して気持ちを伝える。ゴール裏のサポーターを大いに沸かせるパフォーマンスを見せてくれるのもまた、鈴木の表情の1つである。
「ゴールを奪うために、いろんなプレーができるようになりたいんです。そのためにはもっとやれることがある。毎日、必死です」
熱く、真摯にサッカーへ取り組む男は、金髪の頭をかきながら、またふっと真剣な表情を見せた。
鹿島の窮地を救うのは、鈴木優磨!?「ブーイングがないのは心に来る」

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