日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年3月13日水曜日

◆「自分狙いで来ると分かっていた」鹿島19歳DF津久井佳祐、突然の先発デビューで感じた課題と基準(ゲキサカ)



津久井佳祐


[3.9 J1第3節 町田 1-0 鹿島 Gスタ]

 公式戦デビューのチャンスは予期せぬタイミングで巡ってきた。

 鹿島アントラーズDF津久井佳祐は9日、J1第3節・町田戦に左CBとして先発出場。試合に向けたトレーニングでDF関川郁万にアクシデントがあった模様で、「試合2日前に予定していたメンバーを変えないといけないということが起きた」(ランコ・ポポヴィッチ監督)ことによる代役起用だった。

 昨季はカップ戦も含めて公式戦出場の機会はなく、昌平高出身プロ2年目の19歳にとってはこれが鹿島での公式戦デビュー。だが、試合では大きな動揺は見せなかった。序盤こそ町田のハイボール攻撃に対し、フィジカル面の違いから手を焼く場面が目立ったが、徐々に強度に順応。後半には持ち味である出足の良さや縦パスを見せる機会も増えていった。

 それでも後半24分に途中交代。それもMF佐野海舟が2試合連続となる急造CBに入り、ボランチのMF名古新太郎が投入されるという悔しい幕切れとなった。試合後、自身のパフォーマンスを振り返った津久井の自己評価は低かった。

「緊張するとは思っていたけど、ヘディングもすかすし、入りが超悪かったので反省しないといけないと思う。最初から完全に自分狙いで来ると分かっていたので、自分が跳ね返さないといけないと思ったけど、案の定やられた。失点はそこからではなかったけど、自分たちがやられている流れでやられたので全部自分のせいだと思う。あそこで勝てていればなと思う」

 悔いが残ったのは前半13分の失点。カウンターからの速攻で崩された形だったが、劣勢に至った自らの対人戦に課題を見いだした。

 もっとも、試合の中で順応していく様子からは非凡なメンタリティーも感じさせた。「それ(序盤のパフォーマンス)で吹っ切れたというか、慣れたと思う。後半は全部ヘディングに勝てていたし、1本、(鈴木)優磨くんに縦パスもつけられたのでそこはよかった」。かすかな手応えも胸に「また練習からこの基準でやっていけたらと思う」と前を見据えた。

 出場機会のなかった昨季は岩政大樹前監督、DF昌子源から多くのものを学び、プロの土台を築いていたという。

 教わったものは「全部ですね。ビルドアップにしても、守備のクリアにしても、全てです」と津久井。「去年1年間、岩政さんとか源くんに教えてもらったCBの基本をまたこの1年間で築き上げていきたい」と意気込む中、この日は奇しくも町田に移籍した昌子の前でのJデビューとなった。試合後には「これからだな」と熱いエールを受け取り、「嬉しかった」と笑顔も見せた。

 J1で出番を掴むための課題は冷静に見つめている。「今日は入りの部分で緊張か何かわからないけど、自分のプレーができなかったところが課題。あとビルドアップでは自分のところで流れが止まっていると感じた。パンパンみんなが早いテンポでやっている中、自分は1、2と置いてしまうのでそこにも慣れていかないといけない」。持ち味とする配球面でもレベルアップを期する。

 試合後にはポポヴィッチ監督が会見で「ポジティブだったのはCBの津久井がキャリアで初めての試合出場を果たしてくれたこと。そして良いプレーを見せてくれた」と評価していたが、「励ましだと思って受け取りたい」と冷静な津久井。「その言葉は嬉しいけど自分としてはダメダメだったので、しっかり反省して次に繋げていきたい」とほろ苦いJ1デビューからの奮起を誓った。

(取材・文 竹内達也)





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