日本サッカー協会の田嶋幸三会長(66)が21日、東京・国立競技場で取材に応じ、26日に予定されていた平壌でのW杯アジア2次予選・北朝鮮戦が中止となったことを明らかにした。田嶋会長は「われわれも今日(開催地変更を)聞いて、今になっている」と困惑気味に話した。
田嶋会長によると、この日の朝になって急きょ、北朝鮮から平壌での開催が難しいとの連絡がアジアサッカー連盟(AFC)に届いたという。それを受け、AFCは日本時間午後4時までに代替地を提示するよう求めたが、期限までに代案は提示されなかった。開催が不可能となった理由も日本側は把握できていないというが、複数の関係者によると、北朝鮮側は日本国内で、致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が増えていることを問題視しているという。
田嶋会長はこの日に東京・国立競技場で行われた第1戦の前に、北朝鮮選手団の金団長から中止の説明を受け、ハーフタイム中には第2戦も「日本で開催できないか」と打診されたという。
ただ、北朝鮮選手団の日本への滞在許可が22日までになっていることや、スタジアムの確保などの観点から田嶋会長は「今は難しい。時間がかかる」と返答。AFCにも日本側の意向を伝える意向だ。
当初の予定では日本代表は22日に出国し、経由地の中国に入る予定だった。しかし、「第3国を検討した上で日本に(依頼が)来ている。どこに行けばいいかもわからない」と田嶋会長。日本代表は出国を取りやめる方向で調整している。直前に平壌からサウジアラビアに開催地が変更になった2月のなでしこジャパンのパリ五輪予選に続き、またもドタバタ劇が始まった。
◇平壌でのW杯予選は中止が決定 北朝鮮側は日本国内の「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」を問題視か(サンスポ)