4月29日(火) 2014 J1リーグ戦 第10節
鹿島 2 - 1 清水 (15:03/カシマ/15,077人)
得点者:5' オウンゴール(鹿島)、57' ノヴァコヴィッチ(清水)、79' ルイスアルベルト(鹿島)
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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:貴重な働きをしたルイス アルベルト選手への評価と、野沢選手がリズムを変えたと思います。野沢選手への評価をお願いします。
「1点目を取るところまでは非常によくて、自分たちがやるべきことをして、1点目を取りました。そこまでは良かったのですが、そのあとは自分たちで自分たちのクビを絞めてしまいました。特にパスミスが目立つようになり、変な形からのボールロストで守備に負担がかかるようになり、守備の負担が増してしまいました。そういう部分がチームとして未熟な部分であったりします。特に1点目を取ったあと、特に土居選手の周辺というのが非常に大きなスペースであったり、フリーにさせてくれた部分があったので、そこでもう少しボールを持って相手陣内に運ぶことができれば、もう少しチームに一息入れる時間も取れたし、もう少し自分が仕掛けることで違う状況をつくりだすことができるんですけど、まだ21歳の若い選手ですので、彼は自分の能力を理解できていない部分があります。まだ、自分の力を知っていないというのが一番の課題であって、それを知れば、おそらくもっと伸びるはずなのですが、自分で停滞しようとしているのかまわりのベテランの選手や他の選手に遠慮しているのか、気を遣いすぎている部分があるように思います。あとは前半に得点したあとにも、チャンスが多くあったわけで、自分が自分が、となってしまった部分が多くありました。何人かの選手はそういう風に考えてしまったと思います。そうではなく、チームが勝たなければいけないのが一番重要なテーマであり、達成しなければいけない目標です。誰が得点するのかが重要なのではなく、チームが最後に勝点3を手にするのが一番重要なポイントです。それを忘れてしまった何人かの選手が存在したというのが、チームとして未熟な部分でもあります。後半に関しても、相手が攻撃的に出てくる中なか、自分たちのパスミスや変なボールロストからチャンスを与えてしまいました。193センチのノヴァコヴィッチ選手は、身長の割には運動量があり駆け引きが巧みでヘディングという自分の仕事をしっかりしていた選手だと思います。まだ、そういった対戦相手の特長や分析を頭に入れて、整理し、試合の中で実行、対策をとっていく、というところがまだできていない。ただ、それは当然のことです。若いセンターバック陣ですので、DFライン全体としてもまだ若い選手が多いので、まだそのミスや過ちが存在することはあるでしょう。今後もそのような苦い汁を飲むことがあるだろうと思います。ただ、中2日という試合日程は、我々のチームの選手だけでなく、おそらく全チームの選手にとっては非常に厳しすぎる日程です。しかし、我々指導者はそのなかでしっかり取り組まないといけない。選手もどのように回復し、どのようにパフォーマンスを維持するのか。あるいは自分とチームを、中2日の日程の中でどうマネジメントしていくのか、ということを学び、実行しなければなりません。すでに経験している選手は、どのように実行すれば良いのかを、若い選手に伝えなければいけないし、それを生かさないといけません。
アウェイでは勝点3を手にすることができていましたけど、ホームでは逃すことが最近では多くありました。ただ、試合内容としては非常に高い密度のある内容でした。最大の敗因は、つくったチャンスの数に対して決められない、決定力不足が一番目でしたし、試合を見に来て頂いたみなさんには確認すればそれが明確になっていたと思います。今日、選手には『1位で試合に出て、1位で帰ってこい』というメッセージだけ残して送り出しました」
Q:繰り返しになるのですが、途中で出てきた野沢選手についてお願いします
「うちにはベテランでこのチームの歴史をつくってきた選手がいます。それは野沢選手であったり、本山選手であったり、中田選手、小笠原選手、曽ヶ端選手もいます。ボールを持ったときは、僕はもう言うことはないと思います。異次元の技術能力を持っていることは誰が見てもわかることです。ただ、時代と共に体は衰えるし、僕もそういった時期がありましたし、またサッカーもやり方やスタイルは進化し続けるわけです。その時代にあったやり方に自分を合わせる適応能力が必要になります。いま、サッカーというのは、ここJリーグを問わず、どこの国に行っても団体スポーツであり、11人がチームのために犠牲心を持って献身的に走らなければなりません。昔は、一人ずば抜けた選手がいて、残り10人がその人のために汗をかく、ということがあったかもしれませんが、今の時代は11人が汗をかかなければいけない時代です。気持ちも入って、その試合のリズムやテンポに入っていけるときは全然問題ないんですけど、そうでないときがあるので、それが持続できなければ、僕は持続できる選手をピックアップしなければなりません。技術を捨てても、走れる選手を使わざるを得ない、というのが現代サッカーやJリーグのフィジカルのタフさには必要な時代になっています。それはどこのチームに行こうと、変わりのないサッカーの流れであって、フィジカルが主体となっています。フィジカルというのは運動量のことであり、そこに技術で先立ったものがいれば試合で活躍することになります。僕は去年、おそらくベテラン組のなかで一番チャンスを与えたのが野沢選手でした。彼を見続けて、試合に勝つための犠牲心や献身性を持ち続けることができるのか、ということを見極めました。それで、彼は頭からは難しいということを、彼が僕に伝達してきたわけです。言葉ではなく体で。選手というのは、体で表現しているわけであり、日々の練習のなかで、それはフィジカルの練習であっても技術練習であっても、いまいい準備ができています、動けています、というのは体の動きを見ればわかります。キレの部分などを細部に観察していくと、良い状態にいるのかどうか、気持ちが入っているのかどうかわかります。特に責務に関しては、このアントラーズの伝統というのはファミリーであり、責任と義務が存在しています。全員が同じ気持ちで責任と義務を持ってプレーしなければなりません。それがなければ、厳しい部分があることは全選手に言えることです。それを一人ひとりが状態を見極めて、表現をし続けなければならない。いまのJリーグにおけるサッカーのスタイル、負担というものを考えれば、1人の選手のために他の10人を犠牲にすることはできません。11人が犠牲心を持って戦って、勝利を追求することをやらなければなりません。そのなかで、ポイントとなるベテランの味が試合によっては使えることがあるので、それを考えながら、それぞれのベテラン選手の味があるわけなので、それを使えればな。若い選手の手助けをできればな、と思っています」
「みなさんもご存じかも知れませんが、ダニエウ アウベスに続き、サッカー界で起きている差別撲滅キャンペーンに参加したいと思います。それはどの世界であろうと、どの国であろうと、あってはならないことなので、バナナを食べさせてもらおうと思います。いま、試合が終わって足が攣りそうなのでバナナを食べてます(笑)」
以上