日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年5月6日水曜日

◆日本人選手の“弱さ”嘆く鹿島セレーゾ監督「接触を嫌がる」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?162381-162381-fl

[5.5 ACLグループリーグ第6節 鹿島2-3FCソウル カシマ]

 セットプレーからの2失点が重く響いた。ホームでFCソウルに2-3で競り負け、グループリーグ敗退が決まった鹿島アントラーズ。トニーニョ・セレーゾ監督は「意欲、やる気はあったが、セットプレーでやられてしまった」と敗因を口にし、球際や空中戦の競り合いなど、接触プレーで見せる日本人選手の弱さを嘆いた。

「現日本代表監督のハリルホジッチ監督は率直に感じたことを述べたと思うが、日本人選手はコンタクト(接触)を避ける、嫌がる。(ハリルホジッチ監督が)勇気を持って言っただけで、それはずっと前から分かっていた事実。18歳の高校生、22歳の大学生が入団してきたとき、大半の選手がヘディングの技術、空中戦で競り合うテクニックを身に付けていない」

 こうした現状の背景として、日本と海外の間の文化の違いを挙げた。「他の国では貧富の差があり、1日を生きる、生き延びるためには自分で頭を働かせないといけない。水がなかったり、食べ物がなかったり、それはだれかにもらえるわけではなく、自分でどうするかを考えないといけない」。ブラジル人監督はそう持論を展開し、サッカーに話を移す。

「(ブラジルでは)7歳から10歳ですでに競争の世界に身を置いている。同じ街のチームには負けてはいけない。勝つか、負けるか。そこにどういう意味があり、重みがあり、責任があるのか。それを小さいときから分かっている人と、プロになってから分かる人とでは大きく異なる」

 球際の競り合いや1対1の勝負。勝利にこだわる執着心。「日本には争いをしないという文化、習慣があり、話し合いで解決するという素晴らしい文化がある」と、日本の文化を尊重したうえで、「だが、それは極端に言えば、素手でケンカをしないということ。接触することも嫌がる。日本人選手の大半はヘディングが大嫌いではないか。競り合いになると、できるだけ自分だけは競らないようにしている」と指摘した。

 1-0の前半36分、CKからDF山本脩斗がDFイ・ウンヒをフリーにしてしまい、同点ヘッドを決められると、後半6分にも再びCKから失点した。ショートコーナーで変化を付けてきた相手に対し、DF昌子源が最も警戒すべき192cmのMFオスマール・バルバに付き切れず、ファーサイドからヘディングシュートを決められた。

「192cmの選手が助走を付けてジャンプすれば2mに到達する。攻撃側の選手はゴールに向かってジャンプするが、守備の選手は横向きになるから、いくらジャンプ力があっても届かない。いかに相手を走らせず、スタンディングの状態で競るか。いかに体を当ててバランスを崩すか」

 182cmの昌子とは10cmの身長差があったが、だからこそ頭を使って守備をする必要があったと強調する。「それだけの身長差をどう埋めるか。(身長が)低いなりのいろんな術がある。彼らはいろんなものを身に付けようとしている若い選手たち。1日でも早くそれを習得できるように指導したい」。セレーゾ監督はそう言葉を続けるしかなかった。

(取材・文 西山紘平)

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