アジア・チャンピオンズリーグ1次L最終節(5日、カシマスタジアムほか)H組の鹿島はホームでFCソウル(韓国)に2-3で敗れ、勝ち点6の同組最下位に終わり敗退した。後半34分に日本代表MF柴崎岳(22)のゴールで追いついたが、試合終了直前に勝ち越され、6回目の出場で初めて16強入りを逃した。敗退が決まっていたG組最下位の浦和は敵地でブリスベン(豪州)を2-1で破り、初勝利。既にE組1位を決めている柏の決勝トーナメント1回戦の相手は、G組2位の水原(韓国)に決まった。
大型連休で今季最多の1万9233人を集めたスタンドから、大きなため息が漏れた。鹿島が3失点で1次リーグ敗退。失意のイレブンは肩を落とした。
「セットプレーでやられた。もっと体を張らないといけなかった」
セレーゾ監督は、おかんむりだ。開幕3連敗から2連勝と盛り返し、勝てば決勝トーナメント進出が決定する大一番。前半8分に先制したが、CKから2失点。DF西は「セットプレー(を注意しろ)と言われていたのに繰り返してしまった」と声を絞り出した。
後半34分にMF柴崎の芸術的なループ弾で同点とし、勝ち越しへとムードは高まったが、試合終了直前に3点目を失った。今季の公式戦で無失点が一度もない守備のもろさが響いた。
前回王者のウェスタンシドニー、前々回王者の広州恒大、同2位のFCソウルと強豪ひしめく“死の組”に沈んだ。MF土居は「もう1点を取る力がなかったし、もう1点を抑える力もなかった」。柴崎は口を真一文字に結び、日本代表DF昌子も「すいません」とだけ話して引き揚げた。
今大会は6試合で13失点。球際の強さやセットプレーの集中力など、課題が山積する。6回目の出場で初の16強入りを逃し、J1でも10位と振るわない。試合後、業を煮やした500人以上のサポーターが約2時間に渡って抗議を続けた。
「敗戦を全員がサッカー人生に生かさないといけない」と土居。アジア制覇は、またも道半ばに終わった。 (伊藤昇)