ACLは各地で5日、1次リーグ最終戦が行われ、H組の鹿島は決勝トーナメント進出はならなかった。ホームでFCソウル(韓国)と対戦し、日本代表MF柴崎岳(22)が後半34分に同点ゴールを決めたもののロスタイムの失点で、2―3で敗れた。1次リーグ敗退が決まっていたG組最下位の浦和は敵地でブリスベン(オーストラリア)相手に2―1で初勝利。G組2位となった水原(韓国)が、E組1位を決めている柏の決勝トーナメント1回戦の相手となった。
ホイッスルの瞬間、柴崎はうつむきがちにぶ然とした表情を浮かべた。遠藤はピッチに手をついた。MF土居は「内容がどうであれ結果が全て。非常に残念」と唇をかんだ。開幕3連敗から決勝トーナメント進出を決めればACL史上初だった。第4戦の広州恒大戦、第5戦のウェスタン・シドニー戦は後半ロスタイムの得点で奇跡的に望みをつないできたが、この試合は逆に終了間際の失点で敗れ、敗退した。
セットプレーから2失点した。3月4日のアウェーでの試合もセットプレーから失点。十分に警戒していたはずが、それでも1―0の前半36分、右CKから山本がマークを外されて、李雄煕(イウンヒ)に押し込まれた。後半6分にも右ショートCKからファーサイドを狙われ、オズマールに頭で決められた。トニーニョ・セレーゾ監督は「セットプレーで体をぶつけることを嫌がっていたら話にならない」と吐き捨てた。
天敵を倒すため2日のJ1甲府戦で主力6人を温存し、この試合に臨んだ。赤崎が前半8分に先制、1―2の後半34分には柴崎が同点弾を決めても勝てなかった。これでFCソウルに4戦全敗(PK戦での負けを含む)。1次リーグにホーム&アウェー方式が導入された04年以降、鹿島は過去4度のACLで全て1次リーグを突破していたが、その歴史も途絶えた。
試合後、サポーターは選手出口付近に集まり選手らに厳しい言葉を投げかけ、2時間以上スタジアムに居残った。サポーター代表はクラブ関係者と直談判し、低調なチームへ抗議の意を示した。土居は「ただの負けにしてはいけない。これ(悔しさ)を感じられない選手はサッカーをやる資格はない。プレーで示さないと」。リーグ戦も現在、10位と苦戦。敗戦を糧に上位進出を目指していくしかない。