日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年8月28日日曜日

◆2016明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第10節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51812

明治安田J1 2nd 第10節

鈴木の3試合連続弾、ファブリシオの初ゴールも2-2のドロー。鹿島、横浜FMと痛み分け。



序盤、ホームながら引き気味の横浜FMに対し、鹿島はボールポゼッションを高めていく。石井監督が体調不良で欠場という非常事態の中、是が非でも勝ちたい鹿島は中盤で小笠原、柴崎らがゲームを組み立て前線の金崎、鈴木へとボールをつなぐ。







だが少し攻め急いだのか、横浜FMのカウンターに遭う回数も少しずつ増えてしまう。特に危なかったのは、10分。カウンターから齋藤にドリブルで持ち込まれ、最後はフリーの伊藤にボレーシュートを放たれる。しかしこれは幸運にもクロスバーに直撃。運も味方し、先制点を献上せずにすんだ。





そして逆に待望の先制点を得る。28分、金崎のスルーパスから鈴木が巧みにゴール前へ入り、絶妙のシュート。これが横浜FMゴールに吸い込まれ、鈴木の3試合連続弾で1-0とした。







だがこのリードも前半のうちに潰えてしまった。45分、齋藤のシュート気味のクロスから伊藤に決められ、1-1。齋藤という横浜FMで最も注意しなければいけない選手にいいようにやられ、同点のまま、前半45分を終えた。





後半に入ると今度は横浜FMに攻め込まれる場面が多くなる。だがここは石井監督の代行として指揮を執った大岩コーチがすぐさま永木を土居に代えてピッチに送り出し、中盤の守備に厚みを持たせた。







その後も大岩コーチは積極的な選手起用を見せる。73分には西を前に上げ、赤崎に代えて伊東を右サイドバックに起用するなど今までにない選手起用で横浜FMゴールに迫った。

だが80分、攻め上がっていたところもまたしても齋藤にドリブルで持ち込まれ、逆転ゴールを許してしまう。これで勝利への執念も失われるかと思われたが、選手たちもベンチも最後まで諦めることはなかった。





83分、小笠原に代え、ファブリシオをピッチに送り出すと大岩コーチは攻めの姿勢を徹底させた。そしてその2分後、西からのパスを伊東がグラウンダーのクロスで入れ、それを鈴木が折り返し、ファブリシオがファーストタッチで同点ゴールを決める。ファブリシオの初ゴールで勢いづく鹿島はここから総攻撃をかけた。







だが逆転ゴールは遠かった。終了間際にも永木がFKから狙ったが、これも僅かに外れる。この直後に試合終了のホイッスルが鳴り、鹿島は横浜FMと2-2の痛み分けでこの第10節を終えた。

悔しさはつのる。しかし選手たち、そしてベンチが一丸となって最後まで勝利のために戦った。その姿勢がある限り、また前を向ける。天皇杯も開幕となり、リーグタイトルと天皇杯の2冠へ向けてもう一度歩みを進めなければならない。



【この試合のトピックス】
・石井監督が体調不良のため、大岩コーチが指揮。
・ファブリシオがアントラーズ初ゴール。
・鈴木が3試合連続ゴール。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:監督代行:大岩 剛
・チャンスは作れているが、同じだけピンチを招いている。イメージを共有してミスを減らそう。
・攻から守への切り替えをもっと早く。全員でスイッチを入れよう。
・相手のカウンターを受ける場面では、仕掛けられてから迷わないように事前にしっかり準備しておこう。

横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
・守備はコンパクトに、そして辛抱強く。
・攻撃はスピードを上げていこう。
・強い意思を持って戦おう!

[試合後]
鹿島アントラーズ:監督代行:大岩 剛
悪天候のなか、アウェイにもかかわらずたくさんのサポーターに来ていただき、大きな声援を送っていただいたことに感謝を伝えたい。試合に関しては、失点した時間帯、2失点目のやられ方は、反省すべきところ。試合へのアプローチは私が考えていたものと少し異なる入り方になってしまった。私の力不足でなかなか修正できなかったが、後半になって選手がメッセージを素早く解釈して、ピッチで表現してくれたことがうれしかった。あとは、最後のひと押し。もう1点取ることができなかったのは、私の力不足だと感じている。

Q 赤﨑選手に代えて伊東選手を入れた狙いと評価は?
A 齋藤選手への対応、西のイエローカードも含めて、右サイドをうまく回転させたかった。試合前から伊東には伝えていた形で、赤﨑が負傷したということもあったが、プラン通りともいえる。伊東が活性化してくれたと評価している。

Q ファブリシオ選手を入れたことでどのようなシステムになったか?
A 彼に指示したのは2トップのトップ下の形。あとは両サイドが開く形もあるし、内側に絞る場合もある。そこにサイドバックが絡む形もある。

Q 石井監督に代わって指揮を執ったが、試合前、どのタイミングで決まったか?
A 昨日、石井監督が体調不良であることは聞いていた。最悪の事態として、石井監督が指揮できない事態も想定して準備するように言われていた。そういうなかで選手にはアグレッシブに強度を上げて前から行くことを再確認した。選手には主に精神的な部分を伝えた。

Q 金崎選手へのアプローチが難しかったと思うが、今日のプレーの評価は?
A アプローチが難しかったということはまったくない。彼自身の行動に関しては評価する立場になく、クラブで解決すること。それは解決していると認識している。彼の選手としての評価は、すごく信頼しているし、彼のプレースタイル、勝負に対するこだわり、ボールへの執着心、そういうものがこのチームに欠かせないと感じている。当然、石井監督も同じ考えで準備を進めていた。信頼を置いていることを伝えた。


横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
非常にハードなゲームだった。チャンスも多く、ゴール前のシーンも多かった。前半、チャンスは何度かあったが、鹿島に苦しめられた。後半は非常にいいスタートを切って、鹿島にプレッシャーをかけていくことができた。先に2点目を取ることができたが、リードをキープするための守備の組織を作ることができなかった。


選手コメント

[試合後]

【伊東 幸敏】
最初、試合に入れていなく、みんなから「やれ」と言われていた。大伍さんは右SBの気持ちが分かるので、いいタイミングでパスが出る。パスにしてもクロスにしても結果は出ていない。ファブリシオのゴールもアシストになっていない。3-2で勝っていれば、この内容でも満足できたかもしれない。

【西 大伍】
前半から押し込むことは出来ていたが、カウンターで何度かやられた。後半は人数をかけてきたので、上がることが出来なかった。失点は良くないやられ方だった。もっと出来ると思う。久しぶりに前をやって楽しかった。剛さんからはサイドを使う事を意識しろという指示があった。ユキは走る事が出来るので、それを使った。今日に限らず勝ちたいが、試合に入るのは難しかった。気にしないつもりでも、みんな、良くやったと思う。

【土居 聖真】
チームがどういう状況であれ、勝つためだけに試合する。試合の入り方も良かった。先制点もいい流れから取れた。カウンターを何度か受けて、幸いにも失点につながらなかったシーンも何回かあったので、みんなで修正しようと話はしていた。球際も戦っていたし、気持ちを見せて戦っていた。距離感、パスのテンポも良く守備でもみんなが助け合っていたと思う。

【鈴木 優磨】
勝てない事は悔しい。剛さんが以前のように前からいこうと明確な指示を出してくれていたので、全員で行けていたけど、結果が伴わなかった。石井さんの事はみんなが動揺していたけど、切換えて結果を出そうと話していた。改善しなくてはいけないところは多い。

【昌子 源】
どういう状況であれ、やる事は変わらない。石井さんに勝っていい報告をしたかった。失点は自分たちの悪いパターン。自分自身も思うようなプレーが出来なかった。修正していきたい。こちらがチャンスで決められなかったのもある。監督が不在という状況を乗り越えてこそ、アントラーズという話もあった。スタッフを100%信頼しているし、溝はない。一体感は見せられたと思う。


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