日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年8月22日火曜日

◆鹿島の成長「誇り」 ジーコ氏に聞く(茨城新聞)


哲学継承、結果追求を

鹿島の成長を「誇りに思う」と語るジーコ氏=17日、鹿島クラブハウス

鹿島の草創期を選手、総監督などで支えたジーコ氏(64)が17日、古巣を訪問した。信条としていた「誠実・献身・尊重」の言葉を“ジーコスピリット”として受け継ぎ、リーグ屈指の強豪に成長した現在の鹿島に抱く思いなどを聞いた。 (藤崎徹)


-昨年のクラブワールドカップ(W杯)でアジア初の決勝進出を果たすなど、成長を続ける鹿島の現状をどう感じる。

非常に素晴らしい成績を残し続け、喜ばしく誇りに思う。昨年のクラブW杯では素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。自分が教えたことが引き継がれていると感じている。今年も(J1で)1位にいる。最後まで1位を維持するのは難しいが、みんなで力を合わせてやってほしい。

-クラブ創設から26年目となった今もジーコ氏の教えが残っている。

クラブ設立に関わった時、(フロントは)数年後にJリーグで戦えるチームづくりを目指していたが、自分は1年目に優勝することにこだわった。それを実現(1993年第1ステージ優勝)した。勝つこと、タイトルを取ることの意味がいかに重要か、知らしめたかった。自分の考えがタイトルを取ることで浸透していった。正しい道を歩んできたことは数字に現れている。クラブがさらに成長を続け、強くなるために違う方法があれば、取り入れる柔軟さもあっていい。

-現在在籍している選手に伝えたことは。

鹿島は素晴らしい環境を与えてくれるクラブ。大会には出場するのではなく、勝つために出場する。タイトルを取ることの意味は引退後にしか分からないかもしれないが、追求していってほしいと伝えた。

-ジーコ氏から直接薫陶を受けた選手やフロントがそろそろ引退や定年を迎える。これからも鹿島が勝ち続けるために何が必要か。

鹿島には勝者たる哲学が存在し、その哲学の下結果を出してきた。急激に変えるのは愚かなこと。各部署で責任者となるべき人間はクラブの哲学を理解し、その上でプラスアルファをもたらさないといけない。

-鹿島は多くの日本代表選手を輩出し続けている。

代表へはクラブで示しているパフォーマンスや結果で呼ばれる。代表にいって急に何か変わったことをしようと考えてはいけない。代表に呼ばれても謙虚さを失わないことが大切。引き続き日本サッカーにおいて重要な役割を果たすクラブであり続けてほしい。


ジーコ(本名アルトゥール・アントゥネス・コインブラ)。1953年3月3日生まれ。ブラジル・リオデジャネイロ出身。ブラジルを代表する世界的な攻撃的MFで、ワールドカップ(W杯)には78年から3大会連続出場。90年に引退したが、91年に鹿島の前身の住友金属で現役復帰。Jリーグ初年度の93年の開幕戦でハットトリック第1号を達成。94年に引退後も鹿島と関わり、99年には総監督も務めるなど、鹿島の礎を築いた。2002〜06年には日本代表監督も務めた。16年に日本サッカー殿堂入り。

鹿島の成長「誇り」 ジーコ氏に聞く

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