<ACL:鹿島アントラーズ2-0ペルセポリス>◇決勝◇第1戦◇カシマ
歓喜の輪が生まれた。主役のMFレオ・シルバがみんなを呼び寄せたことで、その輪はさらに大きく広がった。まるで今の鹿島の一体感を表すかのようだった。
後半13分。MF土居聖真とのワンツーを受け、左足で狙い澄ましたゴールを決めた。待ちに待った先制点。「強さよりも、コースを狙おうと決めていた」。そして「確かに自分個人の得点でうれしいけど、その過程では全員がボールに関わっている。みんなで、喜びを分かち合おうと」。それが、大きな輪の理由だった。
前半は不慣れな中東勢のプレースタイルもあって、リズムをつかめなかった。枠内シュートはゼロ。前半4分にはゴール前で決定的なシュートも許した。だが、DFチョン・スンヒョンが気迫の顔面ブロックで防いだ。「ヘディングの競り合いでクリアしようと思ったが、後ろに流れてしまったので、体を投げ出しても止めようという気持ちだった。止められて良かった」。
こうしたピンチをしのぎ、徐々にリズムをつかんで迎えた後半だから、なおさら先制点は大きかった。そして、同25分にはMFセルジーニョが貴重な追加点。「点を取れることはうれしい。でも、誰が点を取るかが重要ではない。目標はタイトルで、僕が点を取っても、タイトルを手にしなければ何の意味もない。本当にみんなで点を取っている気持ちです」。
謙虚さを失わない助っ人のACL5戦連発ゴールで、鹿島は敵地での第2戦を、より有利なものとすることができた。だが、レオ・シルバは「いいアドバンテージを持てたけど、終わったわけではない。しっかりと食事、睡眠、休養を取って、自分たちの準備を怠らずにやっていきたい」と、気を緩めなかった。
◆顔面ブロックに5戦連発…鹿島助っ人が示した一体感(ニッカン)