アジア・チャンピオンズリーグ決勝第1戦(3日、鹿島2-0ペルセポリス、カシマ)ホームアンドアウェー方式で、ホームのJ1鹿島がペルセポリス(イラン)に2-0で勝利した。昨年のJ1浦和に続く日本勢2連覇を目指す鹿島は、後半13分にMFレオシルバ(32)が先制ゴール。同25分にはFWセルジーニョ(23)の5試合連続得点で突き放し、最後までアウェーゴールを許さなかった。第2戦は10日(日本時間11日)にテヘランで行われる。
“神様”から授かった助っ人が、また決めた。1-0の後半25分。鹿島FWセルジーニョがアジア制覇を引き寄せる駄目押し弾だ。MF三竿健の浮き球のパスを左足アウトサイドで流し込むと、真っ赤に染まったスタンドに歓喜が渦巻いた。
「(三竿)ケント! と叫んだら言葉が通じたみたいで、パスをくれた。あとは決めるだけだった」
セルジーニョはACLで5試合連続ゴール。Jクラブ所属選手では2009年にFWレアンドロ(G大阪)が記録した連続得点に並んだ。前半は拮抗した時間が続き、相手サポーターがピッチに乱入する騒ぎも。後半13分に試合が動く。MF土居とのパス交換からMFレオシルバが左足で左隅に突き刺した。
スタンドでは元ブラジル代表の10番で、鹿島の草創期に活躍したジーコ氏(65)が笑みを浮かべた。7月17日に古巣・鹿島のテクニカルディレクターに就任し、サントス(ブラジル)からセルジーニョを獲得。複数クラブからのオファーを受けていたFWは、“神様”の誘いに鹿島移籍を即決した。大一番を前にジーコ氏から「勝利のためにプレーしろ。常にゴールを狙い続けろ」と訓示を受け、ピッチに飛び出した。
10日(日本時間11日)の第2戦は引き分け以上で悲願のアジア制覇。負けても条件次第で優勝が決まる。今回、相手にアウェーゴールを許さなかったため、優位に戦える。大観衆が見込まれる敵地に乗り込むが、DF昌子は「勝利して10万人の(相手)サポーターを黙らさせる」。常勝軍団が20個目のタイトルをかけ、決戦に挑む。 (一色伸裕)
★ACL優勝の行方
鹿島は第1戦(ホーム)で2-0で勝利したため、第2戦(アウェー)は勝つか引き分けなら優勝。負けても1点差(0-1、2-3など)なら2戦合計スコアで上回り優勝。得点を挙げての2点差(1-3、3-5など)なら2戦合計スコアは同点だが、アウェーゴール数で上回って優勝となる。0-2なら延長戦に突入。それ以外ならペルセポリスの優勝となる。
★第2戦はPV開催
第1戦は今季最多となる3万5022人の大観衆がスタジアムを埋めた。敵地での第2戦は日本時間11日午前0時に行われるが、現地に行けないサポーターのために、カシマスタジアム隣接のスポーツセンターでパブリックビューイングを開催する予定。鹿島関係者は「一緒に応援し、優勝の喜びを分かち合いましょう」と呼びかけた。