[11.18 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高2-0市立船橋高 フクアリ]
注目の一戦を制したのは、流通経済大柏高だった。第97回全国高校サッカー選手権千葉県予選は、18日にフクダ電子アリーナで決勝戦を行い、流経大柏が2-0で市立船橋高を下して2年連続6回目の全国大会出場を決めた。
J1鹿島アントラーズへの加入が内定している流経大柏の主将DF関川郁万(3年)は「流経で初めての(選手権)連続出場ができて嬉しい。インターハイで全国出場を逃して、ここを逃したら最弱の世代になる。全員が自覚と責任を持って戦えた」と喜びを語った。
試合は互角だったが、先制点が展開を大きく左右した。前半14分、流経大柏は右CKからグラウンダーのパスをゴール前に送り、FW左部開斗(3年)がシュート。これはGK田中悠也(3年)に防がれたが、こぼれ球をファーサイドで拾った左MF熊澤和希(3年)がグラウンダーのシュートを放ち、ニアポストを叩いてゴールに飛び込んだ。
対する市立船橋は、FW佐藤圭祐とFW西堂久俊(ともに3年)の2トップにパスを入れたが、タイトなマークでシュートに持ち込めなかった。サイドからのクロスもタイミングが合わず、前半のシュート数は、“ゼロ”と記録された。
先制した流経大柏に守備を固められて苦しくなった市立船橋だったが、後半はウイングバックが攻撃参加。特に右WB松尾勇佑(3年)が存在感を発揮した。後半10分、松尾がMF鈴木唯人(2年)とのワンツーでアタック。続いて、カウンターで抜け出した佐藤が関川を振り切ってシュートに持ち込もうとしたが、カバーに来たDF須永竜生(3年)に阻まれた。
さらに大きなチャンスが立て続けに訪れたのは、後半20分過ぎだった。22分、市立船橋は西堂が単独カウンターで相手を振り切ってシュートを放ったが、ゴールの右に外れた。28分には、松尾が長い距離を一人で運び、ラストパスを送って決定機を演出。しかし、佐藤のシュートは空振りに終わった。直後には、松尾が中央突破からシュートを狙ったが、わずかにゴール左に外れた。
市立船橋は、時間の経過とともに焦燥感が強まる中、それでも力強いアタックを仕掛け続けた。しかし、流経大柏は2年生1人、1人生3人と若い編成で伸び伸びとプレーした先発布陣に、経験が豊富で身体能力の高い3年生を次々に投入して対抗。そして、相手の猛攻をしのいだ終盤、後半39分に相手のバックパスを奪った熊澤がクロスを送り、途中出場のFW岡本竜(3年)がヘディングシュートを決めてダメ押し。勝利を決定付けた。
市立船橋は終盤にFW郡司篤也(3年)、負傷を抱えていたDF岸本駿朔(3年)を投入してパワープレーを展開したが、流経大柏がシャットアウト。2-0で勝ち切った。本田裕一郎監督は「とにかく守備ばかり準備をして来た。勝つチームは、ディフェンス重視」と手ごたえを話した。1年次から主力としてプレーしている関川は「選手権の借りは、選手権でしか返せない」と前回準優勝を超える日本一達成を誓った。
(取材・文 平野貴也)
◆「選手権の借りは選手権で…」。流経大柏が市立船橋を完封!初の連続出場を勝ち取る:千葉(ゲキサカ)